ツバとくもり止めと私 【ダイバーアンケート】ツバでマスクのくもり止めをするのってありなの?
「くもり止め忘れた!」というダイバーに、「俺の濃いぃ~ツバを貸しましょうか? へへへ」と応えることは、ある種のダイバー鉄板コミュニケーションだと信じて疑わなかったわけですが、先日、女子ダイバーに本気で嫌な顔をされて、自分がいよいよ真正のキモいおじさんクラスタに属したことを突きつけられて、マスクのくもり止めよりも、人生のくもった視界が気になる年頃です。
さて、先日、行ったアンケート「マスクのくもり止めは何でしていますか?」の結果、市販のくもり止めが6割近い結果となりました。
何でくもり止めをしていますか?
- その他 (5%, 36 Votes)
- マスクに貼るシール (5%, 32 Votes)
- 唾液(ツバ) (27%, 188 Votes)
- 手作りのくもり止め (5%, 32 Votes)
- 市販のくもり止め (58%, 400 Votes)
Total Voters: 688
5年くらい前に行なったアンケートでもだいたい同じ結果でしたが、マスクに貼るくもり止めシートの登場が時代の変化を感じさせます。
さて、今回は、個人的にとても興味のある「ツバ(唾液)でマスクのくもり止めをする」ことについて考えてみたいと思います。
というのも、些細な事のようですが、多くのダイバーを見てきて、嫌がる人が結構いると気づきつつも、自分が隠れツバ派だからです。
まずは、そんな自分のダイビング歴20年の中での、ツバとくもり止めの歴史をご紹介します。
題して「ツバとくもり止めと私」。
愛するダイビングのため、毎回マスクを磨いていたいから……って若い世代にはわからないですね……(自粛)。
ツバとくもり止めと私
ダイビングを始めた学生のころ(20年くらい前)、当たり前のようにツバでくもり止めをしていました。
市販でくもり止めをしている人を見ると、「なんでツバでいいものを、わざわざ買う必要があるんだ」と思っていました。
「安くあげること=良いこと」という学生にありがちな価値感を持っていたので、市販のくもり止めを買っている人は無知な人、くらいに思っていました……。
そんなツバ派の自分の考え方を強固にする出来事が。
それは、インストラクターの養成コースを受けている時でした。
コースディレクターに、「イントラとは販売のプロでもある。マスクのくもり止めを売らずに、自分がペッペとやるのはプロではない」と教えられ、「そこまで突き詰めるんだ!」と学生ながらに感心しつつも、イントラを職業にしようと思っていなかったので、やはり市販のくもり止めをイントラがススメるのは、セールストークに過ぎないんだと受け止めてしまいました。
なので、誰かが「くもり止めを使った方がいいよ」と言っているのを聞いたりしても、「商売しているな。よく教育されているな」程度で、さほど気にも止めていなかったのです。
しかし、転機が。
船上でとあるダイバーが「どうぞ」とくもり止めを差し出してきたので、「教育されてるな~」と思いつつ、邪険にするのもどうかと思って使ってみることに。すると……
なにこれ、すごく良く見える!
まさに、文明とのファーストコンタクト。
船上で、原始人が小さな容器をつまみ、中の液体を不思議そうに見つめ、「く・も・り・ど・め……」とたどたどしく言葉を発し、「そうよそうよ。これがくもり止めって言うのよ」と文明人に優しい眼差しで教えてもらっている、という情景です。
市販のくもり止めって、ツバよりよく効くし、長持ちするんですね。
くもり止めが効くとわかってからは、「ツバは行儀悪い」という言葉も素直に入って来るようになりました。
それまでもそういう声も聞いてはいたのですが、「どうせセールストークだろ」というバイアスがなくなり、本当に「行儀悪い」と思っている人たちの声がストレートに入ってくるようになったのです。
実は、自分自身も他人がツバを塗りたくることに不快を感じることはあったのですが、その人次第、程度問題でした。
美人が目の前で「ぺっぺ」とツバをかけるのを見たら、むしろ「僕にもください!」と手を挙げたい気分ですが、おっさんが大量な唾液を豪快に吐き出しているのを見たり、マスク越しにネットリついたツバを見るのは気持ちのいいものではありません。
また、とあるカップルと同船したときに、彼氏が彼女に向かって「お前、本当にツバはよせよ」とキレているのを見かけたり、外国人ダイバーは特にツバぺっぺを嫌がるという話を聞いたりもして(野球で外国人がぺっぺやっているのを見ると真偽は定かはないですが)、なるほど、周りのダイバーにも、結構、不快に思っている人もいるんだなと認識。
さらに、船上でゆすげずマスクを装着してエントリーするようなときは、自分のツバといえどもマスクにツバが残っているのは気持ち悪いし臭いも……。
ただ、自分もツバ派だったので、気にする方がおかしいと思っていたんですね。
ツバをつける時は
見えないように、音を立てずに
文明と出会ってからは(笑)、一時は市販のくもり止めを常用していました。
しかし、よく失くすし、単純に「高くね?」という思いがあったり、何より、いちいち持っていくのも面倒くさい、ということでだんだん自分では持っていかなくなり、ダイビングショップにあれば使うし、なければツバ派という現状です。
ちなみに、人からもらうというセコイ手も使っていましたが、ダイビングツアー中ずっと「ちょうだい」と言われることに、実はニコニコしていても意外と「自分で持ってこい」と思う方もいると知ってなるべくもらわないようにしています。
なので、ダイビングショップに置いてあるととってもテンション上がります。
いずれにせよ、ツバをはくことはマナー的に問題、不快だと思う層が一定いることは認識しているので、自分がツバをつけるときは、基本、横を向くか、マスクを口に近づけて口が見えないようにし、音が出ないようにしています。
もちろん、ツバで何が悪い! もごもっともですし、値段が高いという方は、ベビーシャンプーや洗剤を薄めたりして自家製のものを作ったりしていますよね。
気になるダイバー世論
くもり止めアンケート
最後に、改めてダイバーの皆さんに聞いてみたいです。
ツバのくもり止めは不快に感じますか?
人が食後に楊枝で歯を掃除するのを見ても自分は何とも思っていなかったのですが、友人が「すごい嫌」と言っていて驚いたことがあります。
「手で隠しても?」「手で隠す方がむしろ嫌!」とも。
この手の話は、基本的には、受け止め方の問題だと思いますので、このアンケート結果を見て、行動の参考にしてみてはいかがでしょうか?
自分も、あまりにも不快な人が多いようなら、これからずっと市販のくもり止めにします(笑)。