ダイビング器材をひょいっと背負う方法~スキルアップ教室 第6回~
全身の力を使って持ち上げる
基本編で紹介したように、一人で器材を背負う場合、器材を高い場所に置いてから背負う方法が一般的ですが、段差がない場合、地面から持ち上げるしかありません。
しかし、腕だけで持ち上げようとすると、支点となる腰に負担がかかってしまいます。
なるべく腰だけに負担がかからず、効率よく持ち上げるには、“支点を増やして全身の力を使う”、“テコの原理を利用して効率よく力を使う”ことがポイントです。
今回は、その具体的な方法を2つご紹介します。
※おまけとして最後に裏技も
1つ目は、片ヒザを着き、利き腕をBCに通して、そのままタンクの底を持ち上げる方法で、全身の各箇所の力を合わせ、効率のよい屈伸運動で背負えます。
2つ目は、座った状態から背負い、テコの原理を使って立ち上がる方法で、特に女性にオススメです。
◎手順とチェックポイント
■タンクの底を持つ
1.まずは、ヒザを着き、腕を肩までBCに通し、通した手でタンクの底を持ちます。
重さを受け止める支点が腰だけでなく肩やヒザにも分散される上に、腕力や屈伸運動などの合わせ技で持ち上げることができるのです。
3.持ち上げた後は、手を通していない方の腕をヒジからBCに通すとスムーズです。
■背負ってから立ち上がる
1. 女の子座り(内股座り)で、BCに腕を通して背負った状態になります。
2. 両手をついて四つん這いになり、背中に器材を乗せたような格好で徐々に立ち上がります。
こちらも全身の力とテコの原理を使って効率的に背負えますが、やや小柄な人や柔軟性がある人向けです(ちなみに、僕は体が硬くてできません……)。
腕力のある人はこんな手も……
地面に置いた器材を、そのまま両腕で豪快にかつぎあげて背負ってしまう方法もあります。
これまでご紹介した背負い方が、重量挙げでいえば、クリーン&ジャークであるなら、この方法は一気に持ち上げるスナッチのようなものですから、当然、腕力が必要となります。
※まあまあ大きいサイズの僕でもふらつきます……
■豪快!かつぎ上げ背負い
1. 置いた器材のBCに両腕を通し、タンクをわしづかみし……
1本釣りのごとく、豪快に背中に投げ飛ばしているようなイメージですが、頭を下げて、“背中にそっと滑り込ませる”ように背負うとスムーズです。
衝撃を和らげるため、一旦背中に乗せたら、タンクのバルブ部を持って、徐々に体を起こしつつ背負うと負担が少ないでしょう。
また、頭上を超えるほどの腕力がなければ、首を横に曲げ、肩口を通す方法もあります。
“素早く着られる”、“狭いスペースでも着られる”などがメリットして考えられますが、アクロバティックで“なんかカッチョイイ”というのも捨て難いメリットです(笑)。
女性ガイドがやっているのを見たとき、惚れそうになりました。
いずれにせよ、周りに人がいないことをよく確認してから行なってくださいね。