タンクなしで楽々ボートエントリーも。サイドマウントのメリットとは
連載2回目です!
前回が好評のようで今年のバレンタインデーが楽しみですね。
さて、今回から数回に渡り「サイドマウントのメリット」のお話をさせて頂きたいと思います。
様々なシチュエーションを解説しながら説明していきたいと思いますね。
と、その前にあまり本文に出てこないサイドマウントのメリットを一つお伝えします。
海外等によく行かれるダイバーに、ひじょ〜にサイドマウントは向いています。
それは何故か?
それは預け手荷物の重量が軽くて済むという事です。
昨今、各航空会社の重量制限が厳しくなって、悩んでいるダイバーの方も多いと思います。
例えば、普通のファンダイブであれば、専用BCであればキャリーも含めて約17kgで収まります(ウエットスーツ等も含めて!)。
ホースをマイフレックス(軽くて丈夫なやつ)に変えているとはいえ、専用BCのコンパクトさもあり、ここまで抑える事ができました。
そんな訳で飛行機移動にやさしいサイドマウントの実際のダイビングでのメリットをお話させていただきます。
サイドマウントダイバーの、
とあるボートダイビングの風景
灼熱の太陽が照りつける、リゾート感満載のサイパン。
私は仲間達とダイビングに来た。
小さな平船に数チームのダイバーがひしめき合っている。
その小さな船にはタンクを装着したBCやウエイト、軽器材がゴロゴロ、足の踏み場もない。
今日は風がやや強く、波も少し高い。小さな船は大きく揺れて進んでる。
私は船の向かいに座る2人の男が目にとまった。
一人はこちらを向いており、黒いウエットスーツに肩と腰にベルト(?)を巻いているだけ。
もう一人はこちらに背を向けている。
この男も黒いウエットスーツで同じくベルトを巻いている。
ただ、腰の所には大きなウエストポーチのような物と、お尻に小さなポーチ、リール(?)のような物が数個着けていた。
不思議な格好だな…。私は彼らが気になった。
その時、船はゆっくり減速しだした。
「間もなくポイントに着きます。各チームは準備してください」
船長が皆に声をかける。
減速した船は波の影響が強くなり、不安定に揺れだす。
その中、ダイバー達は中腰でウエイトを装着し始める。
先にエントリーするチームはBCを立て、バルブを開けるも、揺れる船の上大きくバランスを崩す。
例の2人はまだ座ったまま談笑している。
ただ、彼らの足下には2本のタンクが転がっており、そのバルブに手をかけていた。
私もようやく不安定な船上でバランスを崩しながらもBCを背負う。
船のヘリに腰掛け、タンクの重さを感じながら、フィンとマスクを手にかけた。
バランスを保ちながら、揺れる船ではフィンを装着するのも困難。
やっとフィンとマスクを装着できた時は既に汗だくで疲れてしまった。
前のチームのエントリーが手こずっているようで、この状態で待たなければならない。
熱い!体を安定させる為、左手は船のヘリを掴み、右手にはカメラ。
タンクのバランスをとる為、前かがみで座っているため腰が痛くなってきた。
その時、例の2人が私の視界に入ってきた。
彼らはさっきの格好のまま、フィンとマスクを装着して立っている。
船上スタッフと床に転がるタンクを指差し、何か話している。
そしてそのまま船のヘリに掴まり、身をひるがえしてそのまま海へ飛び込んだ!
「えっ!!!??」
私が驚いている中、そのまま2人目も同じように海へ!
船上ではスタッフがタンクを海に落としている。
そしてスタッフは小さく、水面に向かってOKサイン。
何が起こったんだ…?
重いタンクに縛られないサイドマウント
これはボートダイビングでのサイドマウントダイバーを見た、一般ダイバーの目線で書かれています。
「肩と腰にベルト」これはハーネスといって、一昔前のダイバーが使っていたものに似ていますね。
「大きなウエストポーチのようなもの」はブラダーといって、一般BCDに入っている空気袋です。
この2人はハーネスとブラダーの組み合わせでサイドマウントを楽しんでします。
「お尻に小さなポーチ、リールのようなもの」はポーチの中に緊急用のフロート、予備マスク、スレート、カッティングツール等が入っています。
リールのようなものはスプールといって、フロートの打ち上げに使ったり、様々な使用目的があります。
そしてエントリー。
サイドマウントダイビングでのエントリーは、このように先にダイバーがエントリーして、水面でタンクを受け取り装着する事が多いです。
また、ハーネスとブラダーの組み合わせは必要最小限の装備となり、非常に身軽になります。
狭い船上等でも普通に過ごせるでしょう。
(ステップも踏めちゃいます!実証済み!!)
さて、サイドマウントのメリットについて、まずはボートダイビングのエントリーまでご紹介させていただきましたが、いかがでしょうか?
特に特筆したいのは「重いタンクに縛られない」という事でしょうか?
これだけでも、ダイビングの快適性は向上します。
※次回は実際の海の中での活動についてお話しさせて頂きます。