ダイビング器材はいつまで使える? BC保管のちょっとしたコツ
ダイビング器材はいつまで使えるのか?
よくいただくご質問のひとつです。
もちろん、その商品自体の持つ耐久性、使用環境、使用頻度、扱い方によって異なってきますが、シンプルな回答としては、“部品の製造がある限り“といえると思います。
部品があれば修理ができる、修理ができるうちは使える、というわけです。
製造が終了になり、汎用部品の流通もない部品交換を必要とする故障が生じた段階で、修理不可能となります。
また、部品はあるけれど修理費用が高額になる場合は、買い替えと比較検討されることが一般的です。
生地ものは金属よりも劣化が早いため、BCジャケットはレギュレーターに比べて寿命が短いといえます。
BCの買い替えのタイミング
BCジャケットですが年数を経て使用を重ねた後、最後にどうなるかご存知でしょうか?
ひどくなるとジャグジー状態です。
「まだエアーが入る状態なら使えますか?」というご質問を受けることがありますが、安全上、使用に差し支えがあるため、使用することは推奨できません。
エアー漏れが始まっているということは、劣化しているという証。
最初は少量のエアー漏れから始まりますが、徐々にエアー漏れの範囲と程度が広がっていきます。
“徐々に“だけであればまだいいのですが、フロート体が突如パーンと破裂するケースもあります。
もしダイビング中に破裂したら、一気にBCジャケットが萎んでしまいます。
突如浮力を失うと……。
ウエイトを捨てて、浮力スピードをコントロールして急浮上せず、水面まで安全に上がり、エキジット(水から出る)まで浮力確保ができますか?
非常にハイリスクですよね。
以前、Cカード協議会の安全対策セミナーを受講させていただいた際にも、「ダイビング事故の多くは水面で起きている」「この事故で助かった要因は十分な浮力確保ができたことだった」というお話を聞き、改めて浮力確保の重要性を痛感した次第で、BCDのコンディション維持は非常に重要であると思います。
BCジャケットですが、生地にピンホールが開いた場合はパッチ修理ができるのですが、フロート体がダメになり、生地落ちしてしまった場合は修理できません。
厳密に言えばできるのですが、メーカーに送って縫製をすべて解き、新しい生地で縫製し直すわけで、新品のBCを製作するよりも手間がかかるため、新品のBCを購入するよりも費用が高額になります。
そこで、ほぼ皆さま買い替えをされるというわけであります。
BCを保管する時のコツ
長く、良い状態を保つコツのひとつとして、BCの保管時に「少しだけBCジャケットに空気を入れておく」というポイントがあります。
抜き切った状態で長期放置すると、内生地同士が癒着することがあるからです。
エアーを入れたとき、それが無理に剥がされることになり、パーンと大きな音がして萎んでしまうというケースもあります。
逆に、パンパンにして置いておくのも、生地に負担がかかるので、少しだけ空気を入れて保管しておくのが一番よいと思います。
適切な使用方法を知り実践する、面倒くさがらずに手入れを行う、正しく保管する、そうすることで使用可能年数は違ってくると思いますので、ぜひ愛着を持って大切に器材をご使用くださいね。