「写真も音楽も自我を切り離す作業」 高砂淳二写真展「ASTRA」トークショーレポート

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新宿のコニカミノルタプラザにて、2014年5月30日(金)より、自然写真家・高砂淳二さんの写真展「ASTRA」が開催されています。

※告知記事はこちら
世界中の星空を撮る自然写真家・高砂淳二写真展「ASTRA」 | オーシャナ

高砂淳二写真展「ASTRA」

写真集へのサインには長蛇の列でした

私は6月14日(土)に行われたトークショー「高砂淳二+ピアニスト:ウォンウィンツァン クロストーク」に行ってきました。

14:00から予定されていたトークショーは、その2時間前から入場整理券を配布。
私が13:30過ぎに到着した時には整理券など残っているはずもありませんでした。

高砂淳二写真展「ASTRA」

トークショー30分前には、すでに立ち見でも見たい方が大勢待っていました

整理券を握りしめたファンたちが今か今かと待ちわびているのがこちらにも伝わってきます。
待ちに待った14時、盛大な拍手ともに高砂さん、そしてスペシャルゲストとして、ピアニストのウォンウィンツァン(Wong Wing Tsan)さんが登場。

会場でかかっている音楽は、ネイチャーサウンドアーティストのジョー奥田さんが担当されていて、波の音や風の音などの自然の音に、ウォンさんのピアノが重ねられ作られています。

高砂淳二写真展「ASTRA」

2人の出会い、自分たちの心がけていること、写真家である高砂さんと音楽家であるウォンさんの共通点など、お互いがお互いを掘り下げていく形でトークショーは進んでいきました。

そもそも、高砂さんとウォンさんの出会いは、昔高砂さんがたまたま娘さんのつながりで誘われて行ったコンサートがウォンさんのものだったそうです。
お気に入りの曲は「海より遠く」で、初めてコンサートで聞いたときには思わず涙が止まらなかったのだとか。

高砂淳二写真集「ASTRA」

写真展のタイトルでもある「ASTRA」の話になった時のこと。

「死んだら星になるとか言うじゃない?」と高砂さん。
「ウォンさんの曲は宇宙を思い出させます。イヤホンでウォンさんの曲を聴きながら星を撮影することもあります。(撮影をしていて、星が)何億光年もむこうの延長だとは思えませんでした。星はあっかたいし、あっち(星)の魂とこっち(人間)の心はつながっているなって思ったんです。だから今回はギリシャ語であるASTRA(STAR・星の語源で、魂の意味)から写真展のタイトルを付けました。」

高砂淳二写真集「ASTRA」

この写真を高砂さんは「モヤイ像が宇宙を見ているように思えたんだよね」と解説していました

二人の共通点の話になった時には、お互いがお互いの考え方を“似ている”と言っていました。
なかでも共感し合っていたのは、「写真も音楽も自我を脱いでいく作業なんだ」ということ。

「つまり、自我が出来ると“普通の人間”になってしまうんです。高砂さんだってそうでしょう?水に入る時、写真を撮る時は自我がなくなる。僕もピアノの前では同じです。」とウォンさん。
それに対して高砂さんは、
「自我を脱ぐ作業、本当にその通りだと思います。あ、ウォンさん、曲を弾く前にピアノの前で目をつぶっているのは自我を外していたんですね。なかなか演奏が始まらないから寝ちゃったのかと思っていましたよ~」と冗談交じりに返答していました。

そんな楽しい話を聞いていると時間はあっという間に過ぎるもので残すところもあと15分。

と、そこに予想外のさらなるスペシャルゲストが登場しました。
同じく会場音楽を手掛けている、ネイチャーサウンドアーティストのジョー奥田さんです!

高砂淳二写真展「ASTRA」

ハワイ在住という奥田さん。この日の為に駆けつけてくださったのだとか

「ラフ映像(たたき台の状態)で泣いたのは初めてですよ!本当一緒にやらせてもらえて嬉しかった!」と登場するなり一言。

会場で流れている映像は、“タイムラプス”という技法を用いて何千枚もの写真を繋げて作成されたもの。
星の動き、雲の動き、動物の動き、オーロラの動き・・・様々な動きが一枚の写真に切り取られ、それが何千枚も繋がって出来た映像は圧巻です。

高砂淳二写真展「ASTRA」

会場でじっくりご覧ください

トークショーの最後は写真や映像を見ながら解説タイム。
ウォン「これ、すごく綺麗だけど何ていう星?」
高砂「う~ん、星わかんないんだよね~」
奥田「え、あれ?だれか自然写真家って名乗ってませんでいたっけ?(笑)」
高砂「うん、そうなんだけど・・・、水中写真家だけど魚の名前わからないし、自然写真家だけど星わかんないんだよね~」
一同「(笑)」
3人の息の合った(?)会話で、笑いに包まれながら締めくくられました。

3人の魂が込められた写真展「ASTRA」は来週24日まで開催です。
是非、是非、足をお運びください!

おまけ

3人が今までで一番印象的だった星空は?
高砂さん
「ウユニ塩湖の星空」。
新月を狙って行ったのだけど、星が上にも下にもあって、まるで宇宙に立っているみたいだった。

ウォンさん
「香港でみた星空」
星がありすぎて、空がなくなった。

奥田さん
小5の時に豊島で見た夜光虫がすごかった。
水をすくって空に投げると、星の中に星を投げ入れているみたいだった。

高砂淳二写真集「ASTRA」

ウユニ塩湖の星空

高砂淳二写真展「ASTRA」開催概要

●会期
2014年5月30日(金)~6月24日(火)
●会場
コニカミノルタプラザ ギャラリ-B & C
〒160-0022 東京都新宿区新宿3-26-11 新宿高野ビル4階
●開館時間
10:30~19:00(最終日のみ15:00まで)
●休館日
会期中無休
●入場料
無料
●展示作品
約50点

作者紹介

高砂淳二(タカサゴ ジュンジ)

自然写真家。1962年、宮城県石巻市生まれ。
ダイビング専門誌の専属カメラマンを経て1989年に独立。
海の環境NPO法人「OWS(Oceanic wildlife society)」理事。

お問い合わせ先

コニカミノルタプラザ
TEL: 03-3225-5001

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writer
PROFILE
成蹊大学文学部国際文化学科卒業。
ナレーター、司会、ダイビング・モデルとして、TV、雑誌、モーターショー、トークショーなどで活躍。宝くじのキャンペーンガール「幸運の女神」では、46都道府県を旅する。

2013年からは、大物運・海況運をつかさどる「海の女神」へと転身し、舞台を海に変えてオーシャナの突撃体験レポートを担当。
潜水士資格も取得し、2014年は伊豆大島復興観光大使「ミス椿の女王」として、伊豆大島をはじめとした被災地復興支援活動にも尽力する。

「ダイビングがきっかけで、物の見方も感じ方も生き方も180度変わり、自分の周りまでもキラキラ輝き出したことを実感。 
いろんなことを体験しながら、たくさんの“きっかけ”を届けていきたいです」

【経歴】
・第25期 日本テレビイベントコンパニオン
・第11~12期 スバルスターズ
・第33期 宝くじ「幸運の女神」
・第23代 ミス椿の女王(2014.2~)
・第29代「ミス熱海・桜娘」(2016.1~)
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