パラサイト・ラヴァーズ連載エッセイ~寄生虫を追い求めるマニアック道~

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はじめまして、「串本」を中心に、東は川奈・大瀬崎、西は柏島、南は、屋久島・石垣島に出没する一般ダイバーの佐藤と申します。

Facebook上で「パラサイトラバーズ」初期の頃のメンバーの一人として参加させて貰っているご縁で、今回の機会を頂きました。
最初の頃は、寄生虫に対する熱い思いを書き綴り、やっと入会が認められたのが、妙に懐かしく感じる今日この頃です。

さて、スズメダイ好きの私にとって、レグルスの加藤さんの次であること自体おこがましいですが…。
頑張って、紹介したいと思います。

今回は、初登場の「スイクチムシ」を紹介させて頂きます。

スイクチムシ(吸口虫)

吸口虫綱に属する環形動物の総称。成体は棘皮(きよくひ)動物のウミユリ類の体に寄生、または共生生活をしているが、幼生は底生性。
多毛類のスピオ科のものによく似ていて浮遊生活をする。
日本からはツノスイクチムシ,イイジマスイクチムシなど30種ほどが知られている。

体は円盤状で左右相称、直径は10mmくらいまで。
周縁に長い触糸をもつものもある。
体の腹面の前端には口、後端には総排出腔が開いている。

などと、世界大百科事典 第2版の解説には紹介されていますが、ダイバーの皆さんに分かりやすく説明すると、ウミシダの中に、寄生する丸い形をした、1センチ位のパラサイトです。

私自身がParasite Lovers(パラサイトラバーズ)入っている事は周知の事実として全国のダイビングショップにも知れ渡り、どこの海に行っても、現地ガイドよりパラサイトの紹介を受けますが、下の写真もそんな1枚です。

パラサイト・ラヴァーズ、スイクチムシ(吸口虫)

昨年の12月に、石垣島で紹介されたスイクチムシです。
一般的なタイプです(普通の一般ダイバーなら、紹介自体されることないと思いますが)。

写真では伝わりにくいですが、物凄く動きます。
アシスト無しでは、撮影は困難ですね。
このタイプは、串本でも紹介をして貰った記憶があります。

さらにもう1枚が、これです。

パラサイト・ラヴァーズ、スイクチムシ(吸口虫)

撮っているときには、全く気づいてなかったのですが、よく見ると、夫婦のライオンに見えてきます。
これは、興奮しましたね。

ネイチャー石垣島ダイビングサービスの多羅尾さんも、今年一番の、FACEだ!っと興奮したのが、忘れることが出来ないエピソードです。

スイクチムシもその容姿は、コペポーダ同様にパラサイトの中では愛着を持ってもらえやすい部類に、この1枚がレベルアップさせてくれた気がします。
そんな折、今年4月に、パラサイト写真展の話が決まり、このスイクチムシの写真も展示候補と聞き、あわてて、石垣島に撮り直し行った一枚がこれです。

パラサイト・ラヴァーズ、スイクチムシ(吸口虫)

周縁の触糸にピントを合わせて、「ライオンキング」を意識して日の丸ポジションで決めてみました!
(誰もこだわってない所かもしれませんが、生まれて初めての写真展展示ですから…)

寄生虫という言葉は、人によって反応は様々でしょうが、個人的には、そのしたたかさに共感を持っています。
何と言っても、一方的に栄養を第三者から搾取するわけですから、凄いですね。
写真でもお分かりの様に、ウミシダに色とか模様も擬態している防衛本能にも驚きです。

最後に、今回の寄稿にあたり、多羅尾さんの度重なる協力に感謝し、石垣島でのパラサイトで締めたいと思います。
素敵な石垣島も冬場は北風に悩まされ、その風をよける為に、石垣島の南側でのダイビングが中心になります。
でもそこには、一か所で同時にこれだけパラサイトに会えるポイントもあります。

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