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ガイドをうならせる一枚を求めて ~海獣カメラマン・越智隆治×はじめての葉山~閲覧無制限

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現地からレポート

ワイド写真編

葉山の海(撮影:越智隆治)

2014年11月某日、クジラやタイガーシャーク、イルカなど、海獣カメラマンとして知られる越智隆治が訪れた海は、マクロ天国の葉山。

越智カメラマンは常々「ガイド会のガイドと潜ると緊張するんだよな~」と言っていますが、今回、お世話になったのは、そんなガイド会所属の「ダイビングショップNANA」のテルさん(佐藤輝)。

なぜ、ガイド会のガイドをそんなに意識するのかといえば、彼らが“撮れる”ガイドだから。

デジタル化以降、カメラの性能は格段に上がり、逆に“技術”のハードルは下がり、誰でも気軽に良い写真が撮れるようになりました。
そんな中でプロがプロであるためには、誰も撮ったことのないような“機会”を作るというのがひとつありますが、ガイドほどその海を頻繁に潜る機会を持っている人はいません。

まあ、限られた条件の中で、要望に応えて結果を出す(お金に変える)という点でまったく違う話ではあるのですが、それでも越智カメラマンが心がけているのが、「1カットでいいから、ガイドの表情が変わるような写真を撮る」ということ。

たった2日の限られた中で、テルさんがうなるような写真が撮れるのか、正直、不安の中のスタートでした。

ビーチエントリー(葉山・越智さんとテルさん)

葉山らしいワイドシーン“海藻の森”に期待したものの……

まず、葉山に魅力は、NANAさんのメディア露出の多さもあって、割と一般ダイバーにも伝わっているし、近日中にアップする、岡田カメラマンが撮影した葉山のウェブマガジンは、何といっても葉山在住だった岡田カメラマンが1年通ったすべてがつまっています。

越智カメラマンとして、1泊取材としては、別角度でいきたい。
となれば、葉山はマクロのイメージがあるので、越智カメラマンの得意なワイドの葉山でいこう!
まずは、葉山の象徴“海藻の森”をぜひ狙いたい。

と盛り上がったものの、エントリーしてみると、岩肌は海藻が禿げ散らかしている状態……。

葉山の海(撮影:越智隆治)

都内から1時間ほどで通える葉山の海は、通って四季を感じるのに最適な海。

そんな四季を最も感じられるのが“海藻の森”ですが、水温の下がる12月くらいから元気になり、ホンダワラやアカモクがグングン上に伸び、やがてカジメやアラメも目立つようになってきて、2月終わりまでが最盛期。

台風で洗い流されてしまった後の11月は、最も海藻が少ないシーズンだそうで……。

皆さん、海藻の森はこれからがシーズンですよ!(泣)

天皇陛下ゆかりの魚をワイドで狙う!

では、海藻の森以外で、葉山らしいワイドシーンといえば?

それはやはり、葉山を代表する魚、チャガラやキヌバリの群れ。
天皇陛下が研究されていたことでも知られる魚です。

■詳しくは「キヌバリ&チャガラ|ガイド会・世界の海ブログ

葉山のチャガラ(撮影:越智隆治)

婚姻色が美しいチャガラ(撮影:越智隆治)

年間通じて観察すると、婚姻色や産卵など生態シーンがおもしろいのですが、「意外と群れの良い写真がないんですよね~」というテルさんの言葉に燃えた越智カメラマン。
なぜか、今シーズンはキヌバリの姿がないので、チャガラをフィッシュアイで狙います。
フィッシュアイで撮るには数が少ないかなと思ったのですが、そこは、“持っている”越智カメラマン。
突然、スズメダイの群れがチャガラの群れと交差するようにやってきて、テルさんも「なかなか見ないシーン」というワイド写真となりました。

葉山のチャガラ(撮影:越智隆治)

フィッシュアイで撮ったチャガラ(撮影:越智隆治)

「いや~、チャガラの群れにうまいことスズメダイが絡んでくれましたね」なんて、ホッとしている僕やテルさんの横で浮かない顔の越智カメラマン。
「これじゃ、チャガラってわからないし……」
確かに大きいサイズで使うならまだしも、オーシャナのサイトで使うことを考えるとちと辛いかも。
そこで、翌日のダイビングで、17-40㎜のレンズに変えて撮ったチャガラの写真がこちら。

葉山のチャガラ(撮影:越智隆治)

17-40㎜のショートズームで撮ったチャガラ(撮影:越智隆治)

思わず、テルさんも「おお!」とうなる一枚。

「チャガラは婚姻色の時期になると、群れで生活するのをやめて単体で動くようになります。この頃になると体も大きくなり、体色も綺麗、しかも動きが減るので撮影がしやすくなるのですが、今の時期のチャガラは、大きさも微妙、体色も微妙、動きもあり、という感じで、なかなか上手く綺麗さを表現できないんです。ヒレを閉じているとただのオレンジの棒みたいになってしまいますし……。この写真、なかなか撮れない写真だと思います」(テルさん)

当たり前ですが、同じ被写体でもレンズによって雰囲気がガラリと変わりますね。
自分のイメージ、そして、環境や被写体にあったレンズを使うことは大事です。

葉山のチャガラ(撮影:越智隆治)

160㎜で撮ったチャガラ(撮影:越智隆治)

小魚の群れを撮影するとき、ダイバーが近づき過ぎると、四方八方に散ってしまうケースが多いですが、チャガラは、割とまとまってくれる魚。
ガイドの協力を得て集めてもらいつつ、ショートズームで撮影すると、きれいな群れの写真が撮れるかもしれませんよ。
ワイド写真には厳しい環境でしたが、2日間という期間の中では、何とか一枚、納得のいく群れのシーンが撮れたようです。

※マクロ写真編へ続く。

【おまけ】ハイブリット

ルーツの同じ魚である、キヌバリとチャガラ。
葉山では、ハイブリット種も見つかっていますので、ぜひ、探してみてくださいね!

葉山のキヌバリとチャガラ(提供:佐藤輝)

キヌバリ(左)とチャガラ(右)(提供:佐藤輝)

葉山のキヌバリとチャガラのハイブリッド(提供:佐藤輝)

体の線はキヌバリですが、ヒレは完全にチャガラ(提供:佐藤輝)

 

葉山の海をナビゲートしてくれたのは……
ダイビングショップNANA

ダイビングショップNANA

葉山生まれ・育ちの佐藤輝さんが率いる「ダイビングショップNANA」。
ガイド会に所属する輝さんはフォト派には心強い存在だが、「いろんなダイバーに潜って欲しい」の言葉通り、4~6班のチーム分け、そして、三浦のボートポイントも潜れる態勢が整っているので、文字通り、Cカード講習、ビギナーから変態フォトダイバーまで、ケアが可能。施設もきれいで、居心地がよく、都内から1時間でアクセス可能とあって、「葉山というよりNANAへ遊びにきている」というリピーターも多い。

ダイビングショップNANA

NANAの女将、シカさん手作りのランチが好評。メニューはいろいろあるが、せっかくの湘南、まずはシラス丼はいかがでしょう?

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