1ダイブでマンタ18匹&睾丸を激写! ~ヤップ・マンタ三昧レポート~

ヤップのマンタ(撮影:越智隆治)

相変わらず風が強く、外洋に出られないので、マンタの調子も良いから、またまたマンタポイントへ。

この日は曇りがちで、綺麗な写真を撮影するという感じではなかったので、「何しようかな~」と考えた。
ここの透明度は決してよくはないので、流れのないクリーニングステーションにはホバリングが難しいらしく、絶えずマンタたちが、ゆっくりと入れ替わり立ち代わりしては、クリーニングを繰り返している。

クリーニングステーションから離れたマンタは、あっという間に姿が見えなくなる。

というわけで、クリーニングステーション上で、一瞬で見られるマンタの最大数が、毎日10〜11匹なのだけど、実際には、何個体くらいいるのかははっきりしていなかったから、「じゃあ、お腹の写真撮影して、個体識別してみよう!」と決めてこの日は撮影に臨んだ。

水深5m(浅いところは2m)なので、撮影で潜っていられる時間は、2時間近い。
単純に2ダイブ潜った計算で、一体何匹の個体識別写真が撮影できるかにチャレンジ。

マンタの個体識別は、石垣島やパラオ、モルジブなどでも行われている。
その個体識別の方法は、マンタの腹部の模様の違い。
同じ模様は一つもないために、識別に利用されている。

とはいっても、水中で確認するだけでは、似通ったものもあるため、撮影して、あとで比較して識別を行う。

もちろん、“マンタの島”ヤップでは他のサービスで行われている。
それに、最近は、世界的規模のマンタリサーチを行っている「MANTA TRUST」のメンバーが、こうした個体識別を世界的に行っていたりする。
マンタは大型海洋生物で、世界的に個体識別しやすい生物でもあるということだ。
興味のある方は、ぜひサイトをご覧ください。

さて、同じ場所にとどまっていても、お腹を見て頭上を移動してくれるマンタは多いのだけど、今回は移動してマンタのお腹の下に回り込みながらの撮影。

全部の個体が撮影できたとは思えないけど、写真判定の結果、1日で18個体のマンタの識別写真撮影に成功。
それが以下の18個体。

ヤップのマンタ(撮影:越智隆治) ヤップのマンタ(撮影:越智隆治) ヤップのマンタ(撮影:越智隆治)

もし、同じ個体の写真があったら、指摘してください。

お腹の模様の識別写真を短時間でたくさん、しかも、しっかり撮影するのって、結構難しかったりする。

個体識別撮影だけに集中してということであれば、まあ良いのだけど、「絵になる写真も撮影しながら」となるとそれなりのスキルと決意が必要だ。

だけど、ここでは、浅いし、マンタがダイバーを嫌がらないし、クリーニングステーション上でとどまり続けないで、頻繁に入れ替わりしてくれるし、こういう個体識別写真を撮影するにはもってこいのポイントだ。

1度にこれだけ撮影できると、普段は退屈と思ってしまう、こうした撮影もちょっと面白くなる。

ちなみに、マンタのオスに睾丸らしきものがあるのを今回の撮影で初めて知った。

これがマンタのオスの生殖器部分の写真。

ヤップのマンタ(撮影:越智隆治)
メスにはこの二つの丸い膨らみはない。

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PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
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