岩手で潜る

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昨日、WEB-LUEのローカルプレスにも参加してくれている、モルジブのガイド、カオリータと一緒に、岩手入りした。GW前に、彼女が「ダイバー、震災、ボランティア」でネット検索していたら、僕のHPでGW中にくまちゃんのところでボランティアダイバーを募集している告知を発見して、連絡をくれていた。
モルジブのシーズンが終わって、帰国するのがGW後だからそのときに、くまちゃんのところにしばらくいて、ボランティアで海中清掃したいということだった。自分自身もGW期間中には行ける状態では無かったので、前々からバハマに行く前には、一度行っておこうと思っていたので、それではとくまちゃんに連絡を取って、了解を取ってから、一緒に行く事になった。
当初は、ドライ着たことも無いし「足手まといになるのでは」と心配して、鍵井君と葉山のNANAに行って、ドライ試着して、マスク曇らしたりしていた。現地に到着してからも、エントリー前は、笑いもぎこちなく、ドライスーツを装着した後も、借りて来たネコのようなおどおどした表情を見せていたけど、いざ本番になるとさすがに、数千本潜っているプロのガイド。経験の無い低さの水温と、試着で一回しか着た事の無いドライスーツで、黙々と潜水清掃に従事していた。
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この日は、くまちゃん基金の窓口をしている早乙女君とGWでボランティア潜水作業にも参加していた女性も週末を利用して東京から来ていた。
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二人で、救援物資をつんで、朝早くに車で出かけた。道中は他愛も無い会話を続けたり、冗談を言い合ったりしていたのだけど、一関で高速を降りてリアス式海岸に出たところで、突然姿を見せた惨状に、二人して言葉を失った。
映像で見る以上に惨憺たる現状。リアス式海岸の山を一つ越える度に眼下に広がる瓦礫の山と化した町。ここが同じ日本だということが信じられなかった。
「写真撮りたかったら、止まって撮影していいですよ」とカオリータに言われたけど、くまちゃんたちが、潜る準備をして待っていてくれてたので、この日は一度も止まることなく、目的地まで車を走らせた。
行きは、カオリータのお兄さんの車を借りて一緒に来たのだけど、長く滞在予定の彼女を残して、帰りは電車で先に帰ろうと思っていた。でも、帰りにレンタカーを借りて、同じ道を撮影しながら帰ろうと決めて、そのことを伝えると、その車を僕に貸してくれて、自分が電車で帰ると申し出てくれた。
自分も滞在を1日延ばす事に決めた。
GWが終わってからも、くまちゃんと漁協が連携しての海中清掃作業は続いている。海中清掃とともに、漁具類など、まだ使えるものを引き上げることが、重要な作業になっている。この活動が先駆けとなって、多くの場所で、漁師さんとダイバーが連携してこのような活動ができるようになればいいのにと思う。
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しばらくすると海中作業にも慣れて、積極的にゴミの回収に当たるカオリータ。
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緑の下の部分まで津波が来た。

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PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
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