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海と写真に魅了され、移住を決意。沖縄本島在住の水中写真家・上出俊作さんが本部~名護~恩納村のおすすめダイビングポイントを紹介!閲覧無制限

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現地からレポート
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こんにちは、水中写真家の上出俊作です。

このたび、オーシャナで記事を書かせていただくことになりました。

はじめましての方も多いと思いますので、今日は僕が普段潜っている海を紹介しつつ、簡単な自己紹介をさせていただきます。

早速ですが、僕が現在暮らしているのは、沖縄本島北部の名護市というところです。

「名護に住んでます」と言うと、「パイナップルパークのある所ですね」と返してくださる方が多いですが、名護にはそれ以外にも魅力的なスポットがたくさんあります。

中でも「名護湾」のビーチは、お散歩をしたり、BBQをしたり、名護市民や観光の方が思い思いの時間を過ごす大切な憩いの場です。

僕もお天気がいい日には、ぶらぶら散歩をして、夕焼けの写真を撮ったりしています。

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この名護湾は、僕にとってはただの憩いの場ではなく、年間通して潜り続けるホームの海です。

こんな海の近くで暮らせていることを心から幸せに思いますし、僕にとってかけがえのない場所です。

「この海を守っていきたい」と、強く思います。

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沖縄の海と写真が持つ力。
ダイビングが人生を変えるきっかけに

たった今、「守る」なんて偉そうなことを言いましたが、僕は元々名護に住んでいたわけではありません。
5年前、生まれ育った関東を離れて、この地に移住してきました。

一言でいえば「沖縄の海が好きで好きで移住してしまった」というだけなのですが、少しだけその話をさせてください。

2009年、大学を卒業した僕は製薬会社に入社し、横浜の営業所に配属されました。

特に志があったわけではなく、「やりたい仕事も特にないし、とりあえず営業でもやるか。できれば給料はそこそこもらいたいな。」というのが、就活をしていた当時のリアルな気持ちです。

入社後はそこそこ仕事も頑張りましたが、そんな気持ちで社会人生活を始めていたので、「仕事を楽しむ」とか「仕事に情熱を注ぐ」という瞬間はほとんどなかったように記憶しています。

ブラック企業ではなかったと思いますし、飲みに行って愚痴を言い合える仲間もいましたが、10年後に会社の中で活躍している自分の姿がどうしても思い描けませんでした。

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しかし、社会人時代の5年間、何にも情熱的でなかったのかというと、そうではありません。

大学時代に始めたダイビングに少しずつのめり込んでいき、気づけばPADIインストラクター資格を取得していました。

週末は都市型ショップの非常勤スタッフとしてガイドや講習の経験を積みつつ、空いている時間で水中写真を撮って……という感じだったので、週末の方が忙しく過ごしていましたね。

普段潜るフィールドは伊豆でしたが、連休が取れると一人で沖縄に行って、陸でも水中でもひたすら写真を撮っていました。

初めて「海ってきれいだな」と思ったのが沖縄でしたし、水中写真という趣味に出会ったのも沖縄だったので、自然とこの場所に惹かれていったんだと思います。

そして、自分が撮影した沖縄の写真を見てくれた方々から、「沖縄に行ってみたい」「海の中を見てみたい」と言ってもらえることが、自分にとっての生きがいになっていきました。

今ではいろいろな人との出会いや後押しがあって水中写真家として活動できていますが、周囲の人たちの笑顔や前向きな言葉が創作のモチベーションになっているのは、今も当時と変わりません。

水中写真で人の心は動かせるし、水中写真を通して人生をより豊かにできると信じています。

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移住は自然のなりゆき
沖縄本島を選んだ理由

僕は今でもよく、「仕事を辞めて沖縄に移住するなんて勇気があるね」と言われますが、実はそんなに勇気を出したつもりはありません。

沖縄の海の近くに住んでもっと水中写真を撮りたい、という気持ちが徐々に強くなり、営業の仕事は相変わらずこなしているだけだったので、自然と移住を決断していました。

「こんなことできるのも独身のうちだしな!」なんて思っていたのも事実ですけどね(移住して5年たった今も独身ですが……笑)。

石垣島がマクロもワイドも楽しそうだなーとか、宮古島のきれいなビーチの近くに住みたいなーとか、いろいろと移住先を考えたのですが、結果的には沖縄本島を選びました。

本島を選んだ最大の理由は、ビーチダイビングが一番しやすそうだったからです。

潜りたいときに自分たちのペースで潜れる環境が、沖縄本島にはあるように感じました。

実際、僕が住んでいる名護の近くには、魅力的なビーチダイビングのポイントがたくさんあります。いくつかご紹介していきますね。

沖縄本島北部の
おすすめダイビングポイント

「イシキリ」(名護市)

ちゃんとしたポイント名はついていませんが、僕が普段潜っているのは名護市の安和(あわ)という地域。山側には採石場があるので「イシキリ」と呼ばれることもあります。

「湾」なので豪快な水中景観や大物をバンバン撮れる環境ではありませんが、マクロ撮影のフィールドとしてはとっても魅力的です。

一見写真映えしなさそうなモノクロームのガレ場や砂地には、色とりどりの沖縄らしい生き物たちが暮らしています。

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このポイントでは、1年を通してハナヒゲウツボを観察することができます。

たくさんいるので、ボーっと泳いでいても見つかることが多いですね。笑

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これといった生き物が見つからない時こそ、いつも素通りしている光景にカメラを向けてみたり。

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みんなのアイドル、ジョーフィッシュです。
キョロキョロ動きがかわいいいので、ずっと見ていられますね。

さらに、砂地に目を向ければヒレナガネジリンボウがピョコピョコ顔を出していたり、サンゴの間を覗けばダルマハゼがじっとこちらを見ていたり……撮影時間が何分あっても足りません。

「ホーシュー」(恩納村)

名護から南に40分ほど車を走らせると、そこは沖縄本島のダイビングのメッカ、恩納村です。

恩納村の中でも僕がよく潜るのは、万座の「ホーシュー」というポイントで、名護の海とはまったく違った環境が楽しめます。

ビーチエントリーができるポイントながら、水中はドロップオフになっていて、まるで外洋を潜っているようです。

個人的には、大物をじっと待つのも好きですね。
2017年の9月には、ジンベエザメにも遭遇しました。なかなか狙って見られる生物ではありませんが……

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もちろん、マクロ撮影も楽しめます。
深場ならではの生物が撮影できるのも、このポイントの魅力です。

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ピグミーシーホースって、いつもとぼけた顔をしていますよね。

2018年には久しぶりにヘルフリッチも登場して、話題になりました。

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「ゴリラチョップ」(本部町)

恩納村とは逆方向、名護から北に向かうと、本部町の海が待っています。

ビーチポイントで有名なのは、崎本部の「ゴリラチョップ」でしょうか。

最大水深10mくらいの砂地で、講習や体験ダイビングでも利用されますが、じっくり粘ってマクロを撮影するには最高の環境です。

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夏が近づくにつれ、テングカワハギの幼魚がだんだん増えてきます。昨年は個体数が多かったのか、いたる所で目にしました。

水温が下がってくるこれからの時期は、ウミウシも増えてきますね。

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「ゴリラチョップ」はマクロポイントだと思われがちですが、毎年ミジュン(沖縄の方言。標準和名はミズン)という小魚の群れが回ってくるので、タイミングが合えばワイドも撮影できます。

特に昨年の群れは規模が大きく、僕自身興奮しながら撮影したのも記憶に新しいです。

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水納島(本部町)

もちろん、沖縄本島北部では、ボートダイビングも楽しめます。たくさんのエリアがあるのでここでは紹介しきれませんが、僕が好きなのは水納島です。

真っ白い砂地とどこまでも見える青い海、そこを悠々と泳ぐアオウミガメ。

「THE沖縄」を味わえる海だと思います。

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水納島は潮通しもいいので、サンゴやイソバナが元気なポイントも多いです。

せっかく水納島でマクロも撮るなら、そんな環境を絡められるとおもしろいですね。

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今日は、沖縄本島北部の数あるダイビングスポットの中から、僕が普段潜っているポイントをピックアップして紹介させていただきました。

何となくでも、沖縄本島北部のイメージが掴めましたでしょうか?

いろいろな生き物たちの写真も一緒に見ていただきましたが、僕が水中で生き物と向き合う時の気持ちは、いつも同じです。

「海の中の日常を丁寧に切り取ろう」という気持ちで、水中写真を撮っています。

「沖縄の海」自体は、ダイバーにとってはすでに珍しいものではないかもしれません。沖縄で撮られた水中写真も、いろいろなところで目にしているでしょう。

だからこそ、自分なりにじっくり沖縄の海と向き合って、「沖縄の海にはこんな魅力もあるんだ!」と思ってもらえるような写真・情報を、これからもお届けできればと思っています。

上出俊作さん
プロフィール

水中写真家上出俊作氏

2014年、かねてから抱いていた沖縄移住の夢が抑えきれなくなり、製薬会社を退職し沖縄本島に移住。現在は「水中の日常を切り取る」をテーマに、海で暮らす生き物たちの姿を撮り続けている。

▶上出俊作さんのブログ「陽だまりかくれんぼ」
▶上出さんのインスタグラムはこちら

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