八丈島でワイドにダイビング!ナズマド、八重根、底土、イデサリ…人気ポイントでベストシーズンに見たいシーンを厳選

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こんにちは。水中カメラマンの堀口和重です。

8月も終了。夏が終わったのは寂しいですが、9月に入り、日本近海では生き物などの出が多くなる“秋のシーズン”の到来となりますね。

私はこの夏約1ヵ月間にわたり、八丈島に滞在しています。皆さんにこの素晴らしい島をもっと知ってもらおうと、海から陸上まで多岐にわたり撮影を行っています。

八丈島自体、魚種が多く、マクロで珍しい生き物や生態シーンを狙うのもおもしろいのですが、今回は生物を入れつつ、“広角”をメインに撮影してきました。

濃いブルーの海が広がる八丈島。そこに魚影が入ることで、より美しく、力強い感じになります。

そんな世界をワイドで切り取ってみましたので、ぜひご覧ください。

ビーチポイント➀「八重根」
すぐに出会えるカマスの群れ

八丈島のダイビングは、ビーチポイントがメインとなります。ボートポイントももちろん豊富なのですが、ビーチポイントのポテンシャルの高さにはいつも驚かされます。

その中のひとつ、人気のビーチポイント「八重根(やえね)」は、巨大なアーチが目玉のひとつなのですが、私が今回、目がくぎ付けになったのが、エントリーしてすぐに会えたタイワンカマスの群れでした。

のんびりと、かつ悠々と泳ぐ姿は、とてもカッコいいですね!

群れるホソカマスとダイバー(撮影/堀口和重)

群れるタイワンカマスとダイバー(撮影/堀口和重)

ゆったりと泳ぎ回るホソカマス(撮影/堀口和重)

ゆったりと泳ぎ回るタイワンカマス(撮影/堀口和重)

ビーチポイント➁「ナズマド」
オレンジの群れと独特の地形

やはり八丈島の定番ポイントといえば、スーパービーチポイントとして名高い「ナズマド」。魚種が多く、何度潜っても飽きないポイントです。

ワイドシーンでおすすめしたいのが、本土より少し色が濃い感じがするキンギョハナダイや、各種の魚群。個人的には、時折中層に群れるホウセキキントキの群れが好きです。

ブルーの海とキンギョハナダイの群れ(撮影/堀口和重)

ブルーの海とキンギョハナダイの群れ(撮影/堀口和重)

流れの中を気にせずに泳ぎ回るナメモンガラの群れも、八丈島らしい光景です。

流れの中を元気に泳ぐナメモンガラの群れ(撮影/堀口和重)

流れの中を元気に泳ぐナメモンガラの群れ(撮影/堀口和重)

そして、溶岩が作り出した独特な地形も、「ナズマド」の魅力ですよね。アーチやケーブなどのダイナミックな地形もぜひ見てもらいたいです。

浅場は溶岩が作り出した独特な地形(撮影/堀口和重)

浅場は溶岩が作り出した独特な地形(撮影/堀口和重)

ビーチポイント➂「底土」
広がるサンゴとアオウミガメ

八丈島で人気の海水浴場「底土海水浴場」からエントリーするビーチポイント「底土(そこど)」には、サンゴが広がっている場所があります。

晴れた日の水面には、光に反射して青く輝くオキザヨリが群れ、時にはアオウミガメが見られることも!
水深も浅めなので、フォト派にはもってこいのポイントです。

サンゴをバックに、アオウミガメオンリーで、じっくりと撮影を楽しむのもいいですね。

アオウミガメとサンゴ(撮影/堀口和重)

アオウミガメとサンゴ(撮影/堀口和重)

ボートポイント➀「垂戸」
アカヒメジの若魚が群れる

八丈島の代表的なビーチポイントを紹介してきましたが、続いてはボートポイントも。

ボートでわずか数分、島の北東にある「垂戸(たれど)」というポイントでは、まだ成熟していない若いアカヒメジが大量に群れていました。

見ているだけで癒されますね~。

アカヒメジリバー!(撮影/堀口和重)

アカヒメジリバー!(撮影/堀口和重)

また、少し深度を落としたところでは、今年はカシワハナダイの幼魚もたくさん見られています。好奇心旺盛なナメモンガラも近寄ってきたり、とにかく魚影が濃いポイントです。

ボートポイント➁「イデサリ」
八丈島随一のビッグアーチ

八丈島の代表的なボートポイント「イデサリ」。見どころは何といってもビッグアーチです。

驚くような大きなアーチは、溶岩が作り出した“巨大水中アート”のよう。今回潜ったときは、アーチの周囲を広範囲にわたり、キホシスズメダイが群れていました。

ビッグアーチとキホシスズメダイ(撮影/堀口和重)

ビッグアーチとキホシスズメダイ(撮影/堀口和重)

アーチから離れ、水深を下げるとハナゴイの幼魚と成魚が玉のように群れています。
また、安全停止中運が良ければ、ツバメウオの群れに近づくこともできます。

安全停止中にはツバメウオの群れにも遭遇(撮影/堀口和重)

安全停止中にはツバメウオの群れにも遭遇(撮影/堀口和重)

ボートポイント➂「大平潟」
写真を引き立てるブラックボディ

八丈島では「ナズマド」や他のボートポイントなど、ところどころで見られるユウゼン

日本固有種のチョウチョウウオの仲間ですが、ボートポイント「大平潟(おおひらかた)」では、ユウゼン玉とまでは言えないですが、数個体のユウゼンが集まっているシーンを見ることができます。

ブルーの海にブラックボディのユウゼンが泳いでいる姿は、八丈島に行ったらぜひ撮影したいワイド写真ですね!

八丈島や小笠原など一部の海にしか生息していないユウゼン(撮影/堀口和重)

八丈島や小笠原など一部の海にしか生息していないユウゼン(撮影/堀口和重)

伊豆諸島の中でも、ダイビングポイントの数が多い八丈島。
前回のヘッドラインで書いた伊豆大島に続き、八丈島も関東エリアからアクセスの良い場所です。

船ならば東京の竹芝客船ターミナルから夜出発し、翌朝到着。
飛行機なら羽田空港から八丈島空港まで約55分で到着します。
▶八丈島へのアクセス情報

9~10月は、八丈島の海もベストシーズンを迎えます。
魚影も青さも濃い、ワイドに楽しめる八丈島の海へぜひ足を運んでみてくださいね!

■撮影協力/八丈島ダイビングショップ アラベスク

堀口和重さん
プロフィール

horiguchi_profile

伊豆の大瀬崎にある大瀬館マリンサービスにチーフインストラクターガイドとして勤務後、2018年4月にプロのカメラマンに転向。
現在は伊豆を拠点に水中撮影から漁風景や海産物の加工まで海に関わる物の撮影を行っている。
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PROFILE
日本を拠点に活動している⽔中カメラマン。カメラマンになる以前はダイビングガイドをしながら数々のフォトコンテストで⼊賞。現在はダイビング・アウトドア・アクアリストなどに関連する雑誌やウェブサイト、新聞などに記事や写真を掲載、水中生物の図鑑や教書にも写真提供している。2019年に日本政府観光局(JNTO)主催の“「⽇本の海」⽔中フォトコンテスト 2019”にて審査委員、2020年には“第28回 大瀬崎カレンダーフォトコンテスト”の特別審査員も務める。近年は訪⽇ダイビングツーリズム促進を⽬的として“NPO 法⼈ Japan Diving Experience”としての活動も⾏っている。
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