水上浮遊ゴミ・重油を回収するSEABINって知ってる?

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「SEABIN(シービン)」という、海洋浮遊ゴミを回収する装置をご存知だろうか。
オーストラリアで社会貢献事業として、クラウドファンディングから生まれた装置であり、日本でも4箇所に設置されている。今回は日本初のシービン代理店である株式会社 平泉洋行の担当者にお話を聞いてきた。

Text:Nodoka Sekido

Q.シービンとは?

「シービンとは、マリーナ、ヨットクラブ、港湾、および穏やかな環境であれば、あらゆる水中に設置できる浮遊タイプの装置。潮流に浮遊するゴミを集めながら、上下に稼働することで、水とともに集まったゴミが吸い込まれるという仕組みです。20kgのゴミを保持可能で、1日あたりの推定平均捕獲量は1.5kgと言われ、2mm超の極小プラスチックもキャッチ可能です。」

Q.海藻や木など、自然界にある物を集めてしまうことについて問題はないのでしょうか。

「シービンで回収した海藻や草木にもマイクロプラスチックが付着していることが多いので、問題はないと言われています。
また、回収した海洋浮遊ゴミ(草木、プラスチック類)をあえて分別せずに、東京大学生技研で研究している技術によって、循環型社会を構築(ボタニカルコンクリート)できることを目指しています。」

Q.海洋生物を混獲してしまうなどの恐れはないのでしょうか。


 「基本的にはありません。」

Q.日本ではどこに設置されていますか。

「熊本・市の湖、神奈川県・江の島ハーバー、東京都・夢の島マリーナ、静岡県・浜名湖ヤマハマリーナになります。
写真は江ノ島に設置されているものです。」

Q.SEABIN PROJECTについて教えてください

「2014年、開発したオーストラリアのCEO、ピート・セグリンスキ氏を中心に、世界にシービンを設置し、綺麗な海を取り戻すという活動です。
2020年1月の時点で、オーストラリア、ヨーロッパを中心に39ヶ国、約860台のシービンが設置されており、最近ではタイ・バンコクにも普及しました。

国によっても人によっても、”ゴミを捨てること、分別すること、リサイクルすること”が当然の場合もありますが、習慣化されていないケースも未だにあるのが現状。だからこそ、シービンを利用して”教育(学びの場)の提供”をすることがプロジェクトの目的でもあるのです。
小さいことではありますが、まずはできることから行動していき、そして意識していくことが大事。
このことが、新たな海洋浮遊ゴミを生み出さない、また、現在存在している海洋浮遊ゴミをどのように無くして(回収して)いくかという取り組みへと繋がります。」

株式会社 平泉洋行様、ありがとうございました。

浮遊ゴミを取り除くだけではなく、人々の意識を変え、学びを与えていく「SEABIN PROJECT」。
日本で設置されている地域に訪れる際には、ぜひ装置の姿を見て、海洋ゴミについて学ぶのも良いだろう。

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