まさかのモルディブ超え!? 伊東の夏季限定ダイビングポイント・五島根がスゴい!

五島根

東伊豆・伊東のダイビングポイント「五島根(ごとうじね)」が5月よりオープン。4か月間だけ楽しめる期間限定ポイントのくわしい魅力について、伊東をホームグラウンドとして活動するダイビングショップ・ダイブファミリーイエロー(Dive Family Yellow)の川坂秀和さんにお伺いした。

【目次】

「五島根」ってどんなポイント?
「五島根」の 魅力ベスト3
L圧巻のソフトコーラル
Lレア生物、ソウシカエルアンコウ
Lキンギョハナダイ乱舞
最新情報は川坂さんからのブログからチェック!

「五島根」ってどんなポイント?

五島根ポイントマップ

五島根は、伊東のボートポイントの中でも最も沖に位置していながら、港からは一番近いという不思議な特徴をもっているポイント。この特徴のおかげで、河川からの栄養分と黒潮の流れの恩恵をダイレクトに受けることができ、生き物や生え物が豊富で元気。9月までの4か月間期間限定ポイントという条件が、自然の豊かさを強める理由となっている。ちなみに残りの8か月間はエビ網漁のポイントとして使われている関係でクローズ。

五島根ポイントマップ

五島根は、ポイントマップで見ると、北の根、中の根、南の根という3つの根から成り、それぞれが独立している。大きい根だと、横に約40m以上、縦に20mほどあるため、1ダイブで周りきることは難しい。加えて、各根が特徴的な地形をしているため、それぞれに異なる生物が生息しているのも魅力なことから、ぜひとも数回以上は訪れたい。

伊東を代表するボートポイントである白根と比べると、根頭の深さは五島根の方が深く、生き物が隠れる場所もたくさんあるようだ。

「五島根」の 魅力ベスト3

栄養分豊富な海水の合流地点で、年間約8か月ものあいだ人の手がつかないという、生き物にとって最良の環境がそろう五島根は、ダイバーにとっても元気いっぱいの生き物に出会える最高のポイント!ここからは、訪れた際はぜひ見てほしい魅力についてご紹介していきます!

その1、圧巻のソフトコーラル群生

五島根

五島根では、ソフトコーラルの種類、数、密度が他ポイントに比べると群を抜いている。これは前述した五島根の特徴にもあるように、河川からの栄養分と黒潮の流れの恩恵をダイレクトに受けていることに起因している。海中の栄養分を受けやすいことで、ソフトコーラルたちは一気にポリプを咲かせ、すくすくと成長。写真のような圧巻のソフトコーラル群が見られるというわけだ。

五島根

伊豆半島でのソフトコーラルの密集と密生は、トップクラスといっても過言ではない。

また、北と南の根では群生の仕方が異なり、まったく違う景色を楽しめるという。その実力は、もっぱら海外ダイビングがメインで、初めて五島根で潜った方からも、「北の根はコモドに似ていて、南の根はモルディブに似ている!」といわしめるほど。

五島根

北の根は、水路にソフトコーラルがぎっしりと。

五島根

大胆にしだれるエナガトサカ(北の根)。

五島根

すくすくと育ったウチワ(北の根)。

五島根

南の根には、10mから25m付近まで傾斜する丘のような根の側面にソフトコーラルがこんもりと。まるでお花畑のよう。

五島根

南の根の西側にはナンヨウイボヤギの群生が。通常は、もう少し背が高く成長するようなのだが、潮の当たり具合が関係しているのか、写真のように背が低い。まるで庭師に手入れされたかのように均整がとれている非常に珍しい光景。

五島根

イボヤギの群生。同じ南の根でも、こちらは東側。潮の向きや日の当たり方などいろいろな要因から、根の方位が違うだけで、ソフトコーラルの種類や咲き方が違ってくるのかもしれない。

五島根

大きなフトヤギかエダムチヤギだろうか。潮どおりが良いためか、幹も太く立派。なんとダイバー1人がスッポリ隠れる大きさ。伊東のダイビングポイントでも、この大きさまで育つのは珍しい。五島根では南と北の根でそれぞれ1つずつ確認されている。

この美しいソフトコーラルたちだが、潮の流れる方向や強さ、時間帯によって、ポリプが開くタイミングが違うため、日によって見られるタイミングが異なるという。狙うなら現地ダイビングショップに事前に問い合わせて相談されることをおすすめする。

また、ソフトコーラルを楽しむうえで、十分気をつけていきたいのが、中性浮力のコントロールやポジショニング。ソフトコーラルは、柔らかい見た目から、なんとなく外傷に対して柔軟に対応してくれそうと思われがちだが、ハードコーラルと同様、負荷を掛ければすぐ傷ついてしまう。 

ソフトコーラルを鑑賞する際は、比較的潮の流れがある場合も多いため、決して無理をして撮影しないように。ダイビング前に無理のない計画を立てたうえで、鑑賞に挑んでほしい。

その2、レア生物、ソウシカエルアンコウ

五島根

五島根は、岩礁帯や砂底に生息する珍しい生物、ソウシカエルアンコウがよく出現するポイントでもある。他にも伊豆海洋公園や大瀬崎、伊豆大島でも出現するがごく稀。五島根では毎年期間中、高確率で出会えるという。

夜行性なので日中はジッと岩陰に隠れている。個体にもよるが、全長はおおよそ30cmほど。大きいものだと50cmを超えるものも。多い時には1ダイブで3~4個体発見できるくらい、なぜか五島根には多く生息している。

五島根のソウシカエルアンコウ

探すコツは、彼らが隠れやすそうな岩陰や岩の亀裂をよく見つめること。時には目を凝らしながら見るのが効果的。特に、ソウシカエルアンコウの仲間であるゼブラ柄のソウシカエルアンコウは数年に一回くらいの頻度でしか見つからない超レア種なので、見つけたら強運かも!?

五島根のゼブラ柄のソウシカエルアンコウ

超レア種!ゼブラ柄のソウシカエルアンコウ

川坂さんがガイドをしているこの10年間では、北の根で発見されることが圧倒的に多いようだが、もっと昔から五島根を知るガイドさんに聞いた話によれば、以前は南の根に生息していた模様。

この10数年で南エリアから北エリアへ移動したことについて川坂さんは

「南の根より、北の根のほうが、地形が平たんではなく、水路や亀裂が多いのですが、ソウシカエルアンコウたちも、ようやっとそのことに気づいたのでは。“あっ、北の根の方が隠れるところがあるや”って」と笑って話す。

この気づきによって、ソウシカエルアンコウたちはようやく安住の地を手に入れたのかもしれない。ただ、自然界のことなので、今後どのように移動していくのかも、いつまで北の根で確実に見られるのかは予測できない。今年は見られたけれど、来年は見られないなんてことも十分に起こりえるので、いまから積極的に足を運んでおきたい。

また、ソウシカエルアンコウもソフトコーラルたちと同様、いつでも見られるというわけではない。特に産卵の直後は不安定だと川坂さんは話す。

「カエルアンコウは、中層まで泳いで交接、放卵を行うんですが、時間帯が夜なので、着地点が見えないのでしょうか?今まで隠れていた岩陰に戻れない個体が多いように思います。でも、その数日後には、また同じ住処に戻っていたり。よちよちと戻ってきているんでしょうね。このように魚にはそれぞれ物語があるわけで、そんなことを考えながら探すのも楽しみの一つです」。

たとえ見つからなくても魚に思いを馳せながら探すという工程そのものが楽しそう。しかしながら、やっと見つけたソウシカエルアンコウ、ゲストからは「可愛くない」と言われてしまうことも多々あるとか(笑)。

その3、キンギョハナダイ乱舞

五島根のキンギョハナダイ

意外(!?)とノーマークなのが、水温がさらに上昇する7月下旬~8月にかけて見られる、キンギョハナダイの乱舞。あたり一面、美しいオレンジ色の花吹雪に包まれるというからぜひともお目にかかりたい。

この時期のキンギョハナダイは産卵のために浅瀬で群れているため、五島根ビギナーでも、比較的チャレンジしやすい。また、他ポイントでは、産卵シーズンが終わると深場に移動してしまうが、ここでは、比較的水深の浅いところで観察できるため、実は絶好のハナダイ観察ポイントなのだ。

五島根

ソフトコーラルを埋めつくすような景色は海外の海を彷彿とさせる。海外メインのダイバーも唸らせる光景。

また、キンギョハナダイにも、ソウシカエルアンコウ同様、生き物としての物語があると川坂さん。

「一日の中でどんな行動をして、どのタイミングで産卵に至るのかといった生態の部分をご案内することも。1つの生き物に注目し、ストーリーを知りながらのダイビングも楽しいです」。

五島根

オスは尾びれが紫色。

「また、キンギョハナダイは水中写真の被写体として非常に難しい生き物のひとつ。キンギョハナダイ乱舞の機会にスキルアップを図るのも面白いかもしれません」。

五島根

縄張り争い中のオス。背びれの第三棘が糸状に伸びる。

生き物のセオリーを利用して、ビギナーでも乱舞が見られるというからには、チャレンジあるのみだ。

一か月ごとに変わる五島根の見どころについてはこちら▼
伊東のダイビングポイント「五島根」はこう楽しむ!一か月ごとの見どころ

最新情報は川坂さんからのブログからチェック!

川坂さんは、五島根の近況を随時ブログに掲載中なので、足を運ぶ際の参考に、今後の計画立てに、旬な情報をチェックしてみては。

川坂さんからメッセージ:「今年も予定通りソフトコーラルは条件下で満開を迎えており、多くの方に楽しんでもらっています。詳細は多くの写真を用いてブログにて発信しておりますので、ぜひご覧になってみてください」。

川坂さんのブログはこちら:https://www.divefamilyyellow.com/blog

協力:Dive Family Yellow

Dive Family Yellow
Dive Family Yellowの川坂秀和さん

Dive Family Yellowの川坂秀和さん

日本有数のダイビングエリア「伊豆半島」の東の玄関口「宇佐美」に店舗を構えるダイビングショップ。ホームグランドにしている「伊東」の海まで近く、天候が悪く潜れない場合は西伊豆へ移動するにあたってもとても便利な位置づけにあり、ホームグランド以外の海でもお客様のリクエストに可能な限りお答えしています。

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PROFILE
アウトドアレジャー予約サイトの取材ライター出身。いままでに取材した日本全国のアウトドアカンパニーは130社ほど。ネットワークを活かした記事作りが得意!?かもしれない。一番好きなアクティビティはダイビング!とは言い切れないかもしれない。