東海大学海洋学部博物館3月末閉館、惜しみの声で一部の展示のみ公開

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静岡市清水区で「三保の水族館」として親しまれた東海大学海洋科学博物館と、迫力ある恐竜化石骨格が見られる東海大学自然史博物館。この2つの博物館は、2023年3月で有料入館を終了すると発表していたが、東海大学海洋科学博物館の一部のみ2023年4月以降も見学できることが決定した

海を知り、学ぶことができる東海大学海洋科学博物館

東海大学海洋科学博物館は1階が水族館部門で、海洋生物の育成、繁殖とその展示活動に力を入れている。世界で初めてカクレクマノミの繁殖に成功したのがここ東海大海洋学部博物館である。(1977年)世界中のクマノミ約26種を展示しているだけでなく、予備水槽など水族館の舞台裏も見ることができる。

海洋科学博物館1階 クマノミ水槽

さらに全長2mを超えるシロワニを始め、約50種1000個体以上の生きものたちの生態を観察できる、迫力満点の大水槽もある。ほかにも駿河湾の深海魚や津波実験水槽など、学びながら楽しめる展示が多い。このエリアは2023年4月以降も引き続き見学することができる。

海洋科学博物館1階 大水槽

海の科学的な分野の展示を行う2階には、全長が約18.6mもある巨大なピグミーシロナガスクジラの全身骨格標本をはじめ、ミンククジラの頭骨や脊椎骨などを間近で観察することができる。

「海を調べて海を知ろう 私たちがするべきこと」というコーナーでは海洋における再生可能エネルギーの開発や海洋プラスチック問題や、東海大学海洋学部における調査・研究についても紹介している。実物資料、模型などを豊富に展示しているので実感がわきやすい。このエリアは残念ながら、2023年3月で有料入館を終了。

科学博物館2階 ピグミーシロナガスクジラ

海洋科学博物館2階 サンゴ展示

また、東海大学海洋科学博物館に隣接する3階建の東海大学自然史博物館には、氷期の恐竜から、中生代の海の生き物や脊椎動物、迫力満点の恐竜骨格や、実際に触れることができる化石としてカマラサウルスの化石の一部やアンモナイトなども展示している。このエリアも2023年3月で有料入館を終了。

自然博物館3階 全長26メートルの骨格を持つ大型植物食恐竜のディプロドクス

東海大学海洋博物館のこれから

本博物館の有料入館終了後は、静岡市が清水区日の出町に新しい海洋文化施設「海洋・地球総合ミュージアム(仮称)」が2025年度中に整備される計画。本施設設立にあたり、東海大学は海洋研究開発機構(JAMSTEC)と共に市と展示物監修などで連携。また、引き続き、研究教育活動は続けられる方向で、市の海洋文化施設に対し学術面でのアドバイスを行っていく。

2つの博物館の来館者数は延べ1,900万人にのぼり、1970年からおよそ50年間多くの来館者や近隣の売店業者や地元市民に愛されてきた。それと同時に本学海洋学部の研究活動の一端を担うと共に、我が国の科学技術や文化の発展に寄与してきた。
2023年4月以降は海洋科学博物館1階のみの展示となり、全ての館内見学できるのは2023年3月末までなのでこの春休みぜひ足を運んでほしい。

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