サイドマウントのダイビングのデメリットとその解消法

ホワイトデーも平穏無事に過ごす事ができました。
ええ、ものの見事に何もありません。
何もありません。
大事な事なので2回言いました。

サイドマウントでのダイビング

さて、今回から数回に渡りサイドマウントのデメリットについて説明させていただきます。

例えば40超えたおっさんが、突然20代の可愛い子に愛を告白されてその気になっちゃって、そんでもってHな事をしようとすると怖いお兄さんが出てきて、お金がらみで説教される事ってよくありますよね。

そう、うまい話には必ず裏があります。
サイドマウントダイビングもおいしい話ばかりではありません。

ただ、否定的な事ばかり述べるのでなく、解決策も併せてご紹介させていただきます。
是非、皆様でご判断していただければと思います。

サイドマウント専用の器材が必要

サイドマウントダイビングを始める上で必要不可欠なのがサイドマウント専用BCです。

前にも少しお話しましたが、別に専用器材でないとサイドマウントができない、という訳ではありません。
レクリエーション用BCの中にも、サイドマウントに使用できるモデルもあります。

ただ、専用BCに比べると色々不具合があり、それをダイバー自身が改善しなければなりません。
自分で器材の改造が出来る方であれば問題はありませんが、そうでない場合はあまりお勧め出来ません。

サイドマウントの専用器材

サイドマウントダイビングで一番大切なのは姿勢です。
「トリム」って言葉聞いた事ありますか?
(今年からPADIのOW講習でも取り入れられました)
簡単にいうと、水中での水平姿勢です。

これ、レクリエーションダイビングで意識して潜られている方いらっしゃいますか?

トリムが簡単にとれるようになると、中性浮力もとり易く、泳ぎも快適になると思います→結果空気の使用量が改善されます。

サイドマウントではこのトリムが絶対条件となります。

何故か?
それはBCのつくりに要因があります。

サイドマウントダイビングはレギュレーターホースを首に巻き付けます。
(2本のタンクを使用する場合、2つのレギュレーターを首に廻します)

その為、首周辺はちょっと混雑しますね。
そこに肩口からインフレーターホースが出ていると、さらにごちゃごちゃになります。

また、胸元に装着したタンクからインフレーター用の中圧ホースが出てきますので、中圧ホースだけでしっちゃかめっちゃかになります。

そこで、サイドマウント用BCは腰からインフレーターホースが出ているモデルが多いです。
そうすると、首回りはすっきりしますよね。

サイドマウントでのダイビング

もともとケーブダイビング主体で考えられてましたので、上半身はスッキリさせる必要もあるからです。
ケーブ等狭い所を入るのに、肩口からインフレーターホースが出ていると邪魔になるし、ホースが破損する可能性もあります。

ん?腰からインフレーターホースが出ていると、どうやって排気するの?
はい、通常はインフレーターホースの反対側、もしくはおしり付近に排気の為のダンプバルブがあります。
(サイドマウントでは、インフレーターホースを使っての排気はあまりしません)

つまり、多くのレクリエーションダイバーにみられるように、排気の度に体を起こすのではなく、水平姿勢のまま気持ちダンプバルブの位置が上にくるようにして排気します。
これがサイドマウントダイビングにとってトリムは絶対条件の一つの理由です。

レクリエーション用サイドマウント用BCには肩口からインフレーターホースが出ているモデルもあります。
ただ、それでも水平姿勢を重視してデザインされています。

サイドマウントでのダイビング
サイドマウントでのダイビング

サイドマウントでの排気

さて、ここで一度整理しましょう。

  • サイドマウント専用BCが必要
  • サイドマウントダイビングの必須スキルはトリム

いかがですか?

専用BCを新たに購入(または作成)する為の費用、それと水平姿勢を維持する為のスキル。
これが最初のデメリットといえるでしょう。

でも、デメリットと言っても新しい事を始めるのに、初期投資は必要になると思います。
(水中カメラとかそうですよね?)

また、水平姿勢も、実はサイドマウントではそんなに難しくありません。

通常、レクリエーション用BCは空気袋が体を覆うようにデザインされています。
これは垂直姿勢(水面も含む)をとるには大変便利ですが、モデルによっては慣れないと水平姿勢が取りにくいのもあります。

ところが、サイドマウント用BCは空気袋が背中、又は腰にきます。
また、ダイビングでの一番の重量物「タンク」が体の側面から下にきます。

その為、タンクが体にぶらさがる形になり、重心も下方向に働きます。

つまり、空気の浮力体が背面にくることと重量物がぶら下がることにより、何もしなくても水中ではお腹は下、背中が上に向きます。
お腹が下で背中が上、これ水平姿勢ですよね(笑)

サイドマウントでのダイビング

ただ、それでも水平姿勢が取り易いBCだからといって、スキルはまったくなくても良い訳ではありません。
最低限、中性浮力スキルは出来ている必要があります。
中性浮力がとれていないと、水平姿勢は無理ですからね。

まだまだ専用BCのデメリット(?)について、お話したい事があるのですが、今回はここまでにさせていただきます。

次回はレクリエーション用BCと専用BCの違い、人によってはデメリットに感じる「コンフィグレーション」についてお話しさせて頂きたいと思います。

テラさんはホワイトデー、引きこもりをして逃げてたそうです。
テラさんにチョコを渡した淑女の皆さん、来年はご注意ください。

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PROFILE
40近くになり、家族で行ったグアム旅行、そこで嫁さんに体験ダイビングを勧められ初ダイビング。
その時の担当インストラクターに「ダイビングうまいねぇ。始めてみれば?」と言われてその気になる。

帰国後、地元のダイビングショップの門を叩き、ダイバーとなる。
この時40歳。

その後、調子に乗ってインストラクターまで一気に取得、

大手ダイビングショップで非常勤インストラクターとして勤務するも、もっとダイビングは自由で良いのでは?と考え始め、そんな中テクニカルダイビングに出会う。

自分の求めていたのはこれかもしれないと勘違いし、IANTDの小さな巨人・豊田聡氏(現PADIテクニカルダイビングアドバイザー)からテクニカルダイビングを教わる。

近年、サイドマウントダイビングを知り、その自由なスタイルに魅了され、ドンドン妄想はエスカレート。

終いにはサイドマウントを極めたいと、これまた大きな勘違いをし、オーシャナ執筆でおなじみの夜の帝王・田原浩一氏に「サイドマウントがうまくなりたいから教えてください!」と無茶な要求でケーブ系のトレーニングを始め、現在に至る。

 そんな訳でダイビング経験年数は6年(2013年11月現在)、経験本数は1500本(2013年12月現在)のお調子者若輩ダイバーです。

私は他のオーシャナ執筆者の方々のような著名人ではありません。
一人のダイバーの目線でサイドマウントの魅力をお伝えできればと思っています。

より安全に、より自由に、より楽しく。
レクリエーションサイドマウントダイビングはその可能性を秘めていると信じています。

是非、皆様の生暖かい目で今後もご支援いただければ幸いです。

主な資格等
■IANTD Normoxic Trimix インストラクター
■IANTD Trimix CCR Diver
■IANTD Trimix Diver
■IANTD Technical Wreck Diver
■PADI OWSIインストラクター MSDT
■PADI テックサイドマウントインストラクター
■PADI テックディープインストラクター
■日本テレビ系「いのちのいろいろ」映像提供多数
■小田原ダイビングスクール非常勤インストラクター
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