【屋久島】シリテンスズメダイ(仮称)の群れ by 原崎森

【ポイント】 元浦
【水温】 24.0℃
【透明度】 10m
【海況】 ややウネリあり
【天候】 くもり
【潜水時間帯】 10:16-12:20
【潮まわり】 08:05 79cm 干潮 / 14:35 193cm 満潮 / 中潮(月齢:24.3)
【日の出・日の入】 日出06:47 日没17:19

kobu222 300x199 シリテンスズメダイ(仮称)の群れ

白の世界に迷い込んだ。。。

何かいよいよ冬っぽい天気。
昨晩から風向きが北西に変わり、一湊湾内は大時化!!
凪ぎているのは北部では体験ダイビングなどで使う元浦くらいで、器材セッティング中も冷たい北西の風に晒され寒い。。。(・_・;
まさに典型的な冬の1日。。。

一湊湾内に比べたら凪ぎているように見える元浦も、時折、波が打ち寄せ、案の定、水中は砂が舞っていて透明度は悪い。
こんな時はベラなんかは厳しいので、最短で撮れるネタ探しをする事に。。。

しかし、いつものポイントでは見られないようなベラやブダイがいろいろいるので、ついついガンガン泳ぐものにカメラを向けてしまう。。。(笑)
しかし、砂の舞う中でこの手の魚の撮影は厳しかった。。。(^_^;)

今年は伊豆の方でもムナテンベラが産卵しているそうなのだが、オスはどうやら屋久島で言うところのメスと同じ色彩らしい。
つまり、濃紺の子だ。
サイズに至っては、オスでも屋久島のメスよりも小さいくらいのサイズであるようだ。
ちなみに八丈島でも濃紺のオスが放精していた。

ちなみにムナテンベラの本当の(?)のオスの色彩はこんな感じ。(右写真)
基本的に茶色くて地味、そして大きい。
顔にもクッキリとベラらしい模様が入る。

多分、このムナテンベラという種類は若くして性成熟しやすいベラなのではないだろうか?
もともと伊豆のような温帯域では少ない種類なので、立派なオスになる前に性成熟を強いられる、もしくは立派なオスがいないからこそ堂々と若くても産卵が可能になる。。。そんなところではないだろうか?
屋久島ではある一定の間隔で立派なオスを中心とするハレムが形成されているので、若いオスはテリトリーを構えることすら不可能だ。
せいぜい間男として暗躍するしかない。(笑)
実際、オスが間男を追い掛け回すシーンはよく見られる。

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カザリキュウセンの立派なオス!

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ムナテンベラの立派なオス



最初はこんな感じでベラばかり追いかけていたのだが、ある群れを見て一瞬でそちらに興味が移った。
何と元浦にはシリテンスズメダイ(仮称)だけの群がりがあったのだ!!
ざっと見て十数匹の群れ全部がシリテン!!!

参考:
11月6日 まさか全部、シリテンスズメダイ(仮称)なのか?(・_・;).
11月8日 オオヒレテンスモドキの産卵.
11月9日 シリテンスズメダイ(仮称)の生息状況と考察.

DSC0202 300x199 シリテンスズメダイ(仮称)の群れ

元浦ではシリテンが群れになってた。。。

しかも驚くことに、み〜んな尾柄部に2つの黒点はなく、ほとんどが1本目の横帯が胸ビレの手前で止まってる!!
ではナゼにシリテンかと思ったのかというと、やっぱり体全体が淡いクリーム色のスズメダイだったのだ。
その後、オヤビッチャの群がりもあったのだが、比べると一目瞭然。
実際に写真を撮って、側線上の鱗の数を数えると2枚だった。(微妙な個体もあったけど。。。)
群れるとやっぱり別種かな。。。って思う。(^^;)

いずれにしても、こちらもガンガン泳いで逃げるので、まともに写真が撮れない。。。
もう一度、明日はシリテンだけに絞って元浦に行ってみようかな。。。

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PROFILE
世界遺産の島・屋久島の海をほぼ毎日潜っているショップ「森と海」のブログ。そのオーナーガイド原崎森(しげる)さんは水中写真とフィッシュウォッチング(生態観察)において日本でも有数の、まさにスーパーガイド。また、的確な思考力・文章力にも定評がある。
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