【屋久島】スミレナガハナダイの擬似産卵 by 原崎森

【ポイント】 お宮前
【水温】 22.3℃
【透明度】 20m
【海況】 凪ぎ
【天候】 晴れ
【潜水時間帯】14:39-16:18
【潮まわり】 09:01 103cm 干潮 / 15:12 184cm 満潮 / 若潮(月齢:9.9)
【日の出・日の入】 日出06:59 日没17:16

今日もよく晴れた。
スタッフの真由がまた風邪で倒れたので、午後から1人で海へ。。。

今日は前から撮りたいと思いつつも場所が場所なだけになかなかカメラを持って入る機会がなかったお宮前へ。
撮りたかったのはスミレナガハナダイのオスが産卵の瞬間に見せるメスへの巻きつきだ。
ハナダイの仲間は産卵の瞬間にオスがメスに絡みつき放卵放精するのだが、たまに海外の写真などでよく見かけるバックを黒く抜いたその瞬間は神秘的で美しい。
特にスミレナガハナダイのオスの婚姻色はドギツく美しいので絵になる。。。

屋久島ではスミレナガハナダイの繁殖期は基本的にすでに終わっていると思われ、通常は初夏の頃がピークだ。
しかし、どうも擬似産卵をほぼ1年中行なっているようなのだ。
先日も午前中のガイド中に産卵行動を見かけたのだが、メスのお腹はまったく膨らんでおらず、産卵時に精子による白濁もまったく見られなかった。
今日は午後の遅い時間にエントリーしたのだが、やっぱり今日も擬似産卵が見られた事から、どうもこれは1日中行なっているようだ。

今日もやっぱり、メスのお腹はまったく膨らんでいない上に、白濁も見られず、同じメスと何度も擬似産卵しているようだ。
それまで静かに摂餌していたオスが何かの拍子にいきなり何匹ものメスと産卵行動を始める。
それは5分くらい続き、ある時ピタっと止まる。
僕の約60分くらいの観察時間中、そのような産卵タイムが2回あった。

単純に考えて、多分、これは定期的に擬似産卵に誘うことにより、メスの性転換を抑制するための行動なのだろうと想像できるが、同じ仲間のケラマハナダイやキンギョハナダイ、フタイロハナゴイなどではここまで明確な産卵行動によるメスへの抑制は見られない。
通常、ハナダイ類のメスへの抑制行動というと、単に求愛を定期的に行うくらいのものだと思うのだが、スミレナガハナダイは完全に産卵と同じ行動をとり、メスもその気になって積極的に体をオスに絡みつけているのが面白い。
つまり、オスの抑制行動に逃げることもせず、メチャ協力的なのだ。(笑)

という訳で、実際の産卵ではなく、擬似ではあるけど産卵の瞬間の雌雄の絡みつきを撮影するのだが、なかなか思うような絵が撮れない。。。(^^;)
よっしゃ!!!と思ってモニターを確認すると後ろ向きだったり、全然巻き付いていなかったり、シャッターを押すのが早すぎてオスがメスに巻き付く前だったり、完璧!!と思うとピントが合っていなかったり。。。(ーー;)
う〜ん。。。明日も行こうかな。。。
でも、このポイント、メチャクチャ、エントリーが大変なんだよなぁ。。。(・_・;

DSC9145 300x199 スミレナガハナダイの擬似産卵

ショット1

DSC9107 300x199 スミレナガハナダイの擬似産卵

ショット2


DSC9112 300x199 スミレナガハナダイの擬似産卵

ショット3

DSC9126 300x199 スミレナガハナダイの擬似産卵

ショット4


DSC9128 300x199 スミレナガハナダイの擬似産卵

ショット5

DSC9152 300x199 スミレナガハナダイの擬似産卵

ショット6


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PROFILE
世界遺産の島・屋久島の海をほぼ毎日潜っているショップ「森と海」のブログ。そのオーナーガイド原崎森(しげる)さんは水中写真とフィッシュウォッチング(生態観察)において日本でも有数の、まさにスーパーガイド。また、的確な思考力・文章力にも定評がある。
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