from モルディブ ヒヤリ&ドキドキの仏人リピーター by鈴木希与子

(このコーナー担当者です)
遅くなりました!
4月1日にアップした
「ソレイユ」でのモルディブ赤道越え(られなかった)サファリのレポート後編。
今回はちょっと考えさせられる持病?の話・・・

今回の赤道越え。
この時期に赤道を越えられなかったのはもう信じられないくらい確率が低いことなのだが、
ほかにもいろいろあった2週間だった。
そのひとつが、ダイビング最終日のこと。
天気も良く海も穏やかになっていた。
私が朝起きて次女を連れてデッキに出てみると・・・



スタッフが救命用ボード(サーフボードみたいなので、人を寝かせて固定できる物)を用意しだしたのだ。
「事故??」
聞いても「用意しろ」って言われただけという。
ドキドキしながらドーニを待つ、ドーニが船の横に来ると後ろで女性が横になり、
周りをうちの旦那とDrのゲスト、他数名が囲んでいる。
しかも口には酸素、胸にはなんとAED(自動体外式除細動器)が装着されている。
(後で聞いたら万が一のためにつけたとのこと)。
エー心臓、止まっちゃったの??と見ていると、
ほかのゲストがはしごを上がってソレイユに乗り込んで来た。
どうしたの?と聞くと、「彼女はちょっと具合が悪くなっただけ」と。
もう一人に聞くと、「よくわからないけど、ドーニに上がって器材を脱いだ後倒れた」とのこと。
ダイビングは流れもほとんどなく、まったく普通に潜っていたと言う。
そのまま近くの診療所に連れて行こうかといっていたが、
ゲストのDrが大丈夫と判断し、ボードを使って本船に上げた。
私も寝ている彼女の肩をたたいて「大丈夫?」と聞くと、薄目を開けてうなずくので、
問題はなさそうだ。
実は彼女、リピーターで、2年前に来たときも水中でジンベイを追いかけて、
心臓が痛くなったのか呼吸が浅くなって、自分で浮上もできなくなり、
同じようにしばらく動けなかった経験がある。
これでもインストラクターの肩書きをもっているのだ。
2時間くらい経って、もう立てるようになった後、
うちの旦那が「前回もこういうことあったよね?」と話したら、
なんと「覚えていない」という返事だった。
でも毎回これじゃどう考えても危ない。
一応インストラクターという名前を掲げてきているので、
自分の体調の悪くなる予兆のような物が自分で分からないものなのかなぁ。
わからなければ本当に危険。
その日がダイビング最後の日だったのだが、
2本目3本目はもちろん休んでもらって、
フランスに戻ったら必ず病院にいってDrに見てもらうように言った。
でも今回持ってきた病歴書にはダイビングOKと書いてあったのだが、
もう来ないでくださいという気持ちだ。
ダイビングは人間になくてはならないものではないので、
これは思い切って止めてしまったほうが彼女のため皆のためではないかと思う。
言わなかったけどね。
夜にはまったく元気になり、みんなでお酒を飲んで最後の夜を楽しんでいた。
日本のお客さんが同じ状態だったら夜はお酒は飲まないでくださいね、責任取れないから、なんて言っていたであろう。
さすが個人主義。
それにしてもDrとか看護師さんが乗っていると頼りになるなー。

写真は嵐のために、船が続々集まってきたガーフ環礁
PROFILE
鈴木希与子
Kiyoko Suzuki

モルディブのクラブメッドでダイビングガイドとして活躍後、
1997年、日本人ダイバーのためにモルディブの海を幅広く楽しんでもらいたいと
当時はチャーターベースしかなかったダイブサファリの世界で
日本人向けに定期的な乗り合い船をスタート。
専門会社《ブルー”K”サファリ》を立ち上げ、
現在は「ブルーシャーク2」のオペレーションと
自社所有になる「ソレイユ」のオペレーションを行なっている
雨季にはソレイユでガイドもする、パワフルウーマン?
スイス人のハンサムなご主人と2人のラブリーな娘とモルディブで過ごしている。
Blue "K"Safari
http://www.bks-dive.com/

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