【オーストラリア】ファーストエイド、更新していますか? by 大河平隆人
先日、駐車場を出たところで、いきなり人が倒れていました。
40代の女性が全身を硬直させて倒れているそばで男性がパニクっている。
僕は近づいて助けが必要か聞きましたが、大丈夫だと拒むゼスチャー。
もしかしたら癲癇発作で慣れているのかと思い、しばらく様子を見ることにしました。
が、突然、男性が慌ただしく人工呼吸を始めたんです。
気道が全く開いていない…。
僕は走り寄り、気道の確保を手伝いました。
女性の顔に血の気は全くなく、呼吸や脈も確認できない…。
別の通行人も手伝って3人でCPRを続けました。
しばらくして自発呼吸を開始、幸運にも一命を取りとめることができました。
写真はDコミュスタッフで先日EFR講習を受けたときのものです
現場では自分でも不思議なぐらい落ち着いていた
つもりだったのですが、
車に戻ってエンジンをかけようとした時、
手が異常に震えていることに気がついたのです。
運転中もじわぁーっと恐怖が襲ってきました。
そして、あとから冷静に考えた時、
あの時はこうするべきだった。
彼にはこう指示するべきだった。
などと、反省することも結構あったのです。
こんな状況がもし、自分の愛する人たちの身の起こった時、
果たして僕は同じように動けるのだろうか?
彼同様、おそらくパニクるに違いない。
パニクった時でも、体が動くように、
ファーストエイドのトレーニングは頻繁に受けたほうがいいと身にしみました。
資格を持っている=実践できる、ものでもないと思います。
特に倒れている人が自分に近ければ近いほどに…。
ファーストエイド、EFR、どちらも昨今は「レスキューコースの前条件」
としか思われていない現実もあります。つまり、レスキューダイバーになったら
もうそのあとは全く無関心になってしまうパターンって結構多いと思うんです。
僕は、ダイビングをするしないにかかわらず、世界中の人々が持つべき資格だと思っています。
あなたはファーストエイドの心得がありますか?
いつでも自分の最愛の人を守れるように、資格を取得してください。
こまめにトレーニングをして、心と体の準備をしておきましょう。
いつ、どこで、何があるかわからない…、のですから。
PROFILE
大河平隆人
Takato Okohira
「オコ」さんの愛称で知られるおこひらさん。
東京生まれ、いろんなトコ育ち。
24歳の時にワーホリで渡豪。
オーストラリア東海岸ガイド暦15年。
ツサダイブ→ダイバーズネットを経て
現在はオーストラリアダイビング完全攻略本
「ダイバーズネットマガジン」編集長。
水中映像と水中ガイドが専門です。
E-mail to info@diversnet.info
ブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/okoblog69