知っておきたい循環器知識~第21回安全潜水を考える会 研究集会より PART1~

知っておきたい循環器知識

加齢とともに気になる生活習慣病や体力の低下。それらは、心血管疾患や冠動脈疾患などの循環器疾患を引き起こす可能性があるので注意が必要です。ダイバーとしての健康維持のためには、どんなことに気をつければいいのか?健康を維持するために覚えておくべき循環器にまつわる注意点を、第21回 安全潜水を考える会 研究集会にて、日本医科大学循環器内科准教授の高木先生にご講演いただきました。

【Profile】
高木元先生
高木元先生の画像
総合内科専門医、循環器専門医、脈管専門医として、生活習慣病より循環器難病治療までを幅広く診療し、特に血管病を専門としている。現在、日本医科大学にて血管再生治療や高気圧酸素治療室を担当。水上スポーツである日本ボート協会のスポーツドクターとしても活動中

※本記事はDAN JAPANが発行する会報誌「Alert Diver」2019年12月号からの転載です。

COLUMN:第21回 安全潜水を考える会 研究集会

「ダイビングの事故を未然に防ぐことを目的として、1998年より毎年開催されている「安全潜水を考える会 研究集会」。 2019年も、11月9日(土)に、東京海洋大学にて「第21回 安全潜水を考える会 研究集会」が開催されました。本誌「Alert Diver Monthly」では、3名の講師による「安全潜水」に関連する講演を2号(vol.30~31)にわたって誌上特集します。

第21回 安全潜水を考える会 研究集会の画像

CHAPTER01 日常運動の重要性

日常的な運動で筋力と心肺機能を維持

年齢を重ねると、生活習慣病が多く見られるようになってきます。生活習慣病のみなさんにダイビングを長く続けていただきたい、安全に楽しんでいただきたいと思い、そのために知っておくべき健康管理についてのヒントをお伝えできればと思います。

ダイバーの中には日常的に運動されている方もいるかと思いますが、健康管理において「日常運動」はとても大切です。全身を使った運動、中でも有酸素運動が良いということは広く知られていると思います。
 
特に病気をした後は、リハビリのために運動療法が必要になります。「病気で入院して10kg体重が減ってしまった」という話を、ご家族や知り合いなどから聞くことがあると思います。病気が原因で体重が落ちてしまったこともあるかもしれませんが、その多くは動かなかったことで筋肉が減ってしまったことが原因です。
 
よって、健康な方も日頃から適切な運動を心がけ、筋力や心肺機能を維持することがとても大事です。運動方法も、急激な高負荷運動と、それ以外は安静のみというのでは、かえってリスクが高くなり健康を害する危険性があります。日常的にこまめに運動することが大事です。

肥満で心血管疾患のリスクが高まる要因

日常運動の重要性を示す理由の1つである「肥満」というキーワードに注目してみましょう。「糖尿病及び高コレステロール血症がなく代謝的に健康であっても、肥満の女性は健康で肥満がない女性に比べて、心血管疾患(CVD)発症リスクが39%高い」という論文が発表されています。肥満の目安は「BMIが30以上」ですが、体格のいい欧米人ではBMI30を上回る方は当たり前のようにいます。日本人ではBMI30を上回る方はそれほど多くないかもしれませんが、BMI25以上だと「肥満傾向」となり、当てはまる方はご注意いただきたいと思います。

また、この論文は「女性は」という条件になっていますが、肥満傾向にある方は、男性も心血管疾患のリスクは高まりますので、注意が必要です。さらに、「代謝的に健康」というのはどういう状況で、維持するためには何が大事なのでしょうか。これについては、「心肺の持久力がより重要」という研究報告があります。健康と代謝の維持には、運動によって心肺機能を維持することがとても重要なのです。運動することで肥満が解消され、健康が維持できることがよくわかっていただけると思います。

サルコペニアにならないための減量法とは?

さて、肥満の改善には減量が必要となりますが、どのように実施すれば良いのでしょうか?最近話題の「低炭水化物ダイエット」ですが、これは危険を伴います。炭水化物を人の何倍も食べている人であれば、食べる量を減らせば健康な人に近づくことができます。しかし、普段から炭水化物を正常に食べる人が、極端に炭水化物を減らすことは勧められません。

糖尿病学会では、食事摂取カロリーの半分を炭水化物で補うことが推奨されています。ご高齢の方では、半分でも多いという場合もあり、40%程度が目安になりますが、少なくともこの程度は炭水化物を摂った方が良いのです。

また食事を極端に制限するダイエットをすると、脂肪だけでなく筋肉も減ってしまう「サルコペニア」と呼ばれるガリガリの状態になってしまいます。ダイエットをするときはむしろしっかり食べないといけないのです。何を食べれば良いのかというと、やはりタンパク質を重視します。腎臓が悪く、タンパク制限を言われている方は「タンパク質を摂ってはいけないのではないか」と思うかもしれませんが、腎臓学会でも運動に合わせタンパク制限を緩めようという動きがあります。
 
こういった食事による適切な体重管理に加え、有酸素運動とレジスタンス運動(※1)を組み合わせた運動療法を行うことで、筋肉量を増やして、健康的に痩せることができます。

ダイエットをするときはむしろしっかり食べないといけないことを表現する画像
(※1) レジスタンス運動=筋肉に繰り返し負荷をかける筋力トレーニング

生活習慣病の方には運動療法が特に大事

私の患者さんには冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞など)の方が多いのですが、この病気の原因となるのが糖尿病や高血圧などです。グラフ(図1)を見ていただくとわかりますが、「非糖尿病患者では運動療法効果は少ないが、糖尿病患者では運動療法を継続すれば死亡率、再入院率が低下する」という結果が報告されています。糖尿病のない方は、運動療法をしてもしなくても、死亡率や再入院率などのデータに大差はありません。しかし、糖尿病患者では、運動療法を行うことで大幅に予後が良くなります。糖尿病患者はものを食べると血糖値が極端に上がるため、「血糖値を下げるために運動をしましょう」と我々医師は頻繁に言っていますが、それがこのデータにも表れているのです。

次に「どういった病気に、運動が有効か?」というデータを紹介します。脳卒中や心不全はリハビリによって死亡リスクが減少します。また前糖尿病(糖尿病予備群)の方にも、運動療法は効果があります。このように疾患によっては、「運動療法が薬剤に勝るものも存在する」ということをご理解いただけると思います。

■図1 糖尿病合併冠動脈疾患患者による心臓リハビリテーション後の改善値
 糖尿病合併冠動脈疾患患者による心臓リハビリテーション後の改善値を示す図

CHAPTER02 ダイビングの運動レベル

ダイビングにおける体にまつわる4つのリスク

ダイビングと他のスポーツを運動レベルで比較した内容が、日本循環器学会のガイドラインに掲載されています。こちらを紹介する前に、私が考える「体にまつわるダイビング特有の4つのリスク」をご紹介したいと思います。

1、途中で止められない
ダイビングを開始して泳ぎ始めたら、終了するまで休むことはできません。しかし、水中では、思わぬトラブルが起きることがあります。こむら返りなどの筋痙攣が起きた場合や、喘息がある方は発作が起きるかもしれません。こむら返りを起こさないためには、潜る前にしっかりストレッチをし、水分を摂ってから潜ること、喘息などの持病を持っている方は担当の医師に相談するなどの事前対処をしっかりしておきましょう。

なお、高齢の方は、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクも考えられます。もし水中で発作が起きた場合には、一命を取り留めることが難しい場合もあるかもしれません。

2、水が飲めない
真夏の炎天下でダイビングする場合などは、特に注意が必要です。海水は高浸透圧なので、体の中の水分はどんどん出ていきます。さらにウエットスーツを着たままの状態でいると、脱水や熱中症のリスクを高めます。これを助長してしまうのが、飲酒。ダイビング前日はお酒を控えることが大事です。

3、パニックの可能性
器材にトラブルが起きるなど予測不能の事態が起きることでで、パニックになる可能性があります。水中でパニックを回避する手立ては限られていると思いますが、冷静に対処することが肝心です。

4、自然による影響
高波・潮流、水温低下などの自然による影響は、自己管理ができない現象です。また、もともと海の中は呼吸ができない場所。「器材がなければ呼吸できない場所にいる」ということを意識しておくことは大事かと思います。万が一、何かが起きても、すぐに救急車が助けに来てくれる場所ではないことも、当然ですが忘れないようにしましょう。

海水は高浸透圧なので、体の中の水分はどんどん出ていくので水分補給を促す画像

他のスポーツと比較するダイビングの運動レベル

では、次に、他のスポーツと比較したダイビングの運動レベルを見てみましょう(表1)。横軸は「動的な要素(最大酸素摂取量)」、縦軸は「静的な要素(最大随意収縮力)」を表しています。ダイビングはどこに位置するかというと、酸素消費量はそれほど多くないので左端の「A. 軽度」、筋肉を使う度合いを示す最大随意収縮力は「Ⅱ.中等度」に位置します。ダイビングがレジャーと言われる所以は、酸素消費量をそれほど要せず楽しめるからと考えます。

■表1 スポーツ別運動強度(競技中の静的要素と動的要素に基づくもの)
スポーツ別運動強度(競技中の静的要素と動的要素に基づくもの)を表す画像

CHAPTER03 健康を維持していくために

運動前のスクリーニング 家族歴にも要注意

運動する際に、スクリーニング(※2)が必要なケースがあります。スクリーニングについて、私たち医療従事者がどのような基準を設けているのか、一般の方にも知っておいていただきたいと思います。ダイビングをする際に、問診票に既往歴を書く欄があると思いますが、こちらと同じような基準になっています(表2)。

中でも特に注意したいのが、家族歴です。ご家族の中に「若年者の突然死」をされた方がいる場合は、何らかの心疾患を持っている可能性があります。激しい運動をしてはいけない方が含まれているケースもあります。また「心臓病患者」がご家族にいる方も、遺伝的に心臓病になりやすい傾向があります。

また「心雑音」や「高血圧」などの既往歴がある方は、健康診断で指摘されると思います。健康診断の結果を放置せず、診察を受けることが重要です。ダイビングを行うことを担当の医師に相談しましょう。きちんと症状を管理できていれば、ダイビングができる場合も多くあります。

なお、「最近とても疲れやすい」「意識を失って倒れてしまった」などの症状がある場合は、すぐに診察を受けましょう。「階段を上っていると、周りの人が追い抜いていくような気がする」「歩いたときに胸が痛い」などの症状がある方も要注意です。こういった方は、心音に雑音があるかないか? 超音波で診断する必要があるか? 血圧が高いか低いか? 足の血流が悪くないか? 等を医師が診察します。また、中には「マルファン症候群」という血管が割れやすい病気もあるので、注意して診察を行います。

「心臓病患者」がご家族にいる方も、遺伝子的に心臓病になりやすい傾向があることを示した画像
(※2) スクリーニング=無症状の患者を対象に、特定の疾患の罹患を疑われる対象者、あるいは発症が予測される対象者を選別すること

■表2 運動前のスクリーニングが必要なとき
運動前のスクリーニングが必要なときについて示す画像

運動強度を標準化したMETs(メッツ)とは?

患者さんが受診し、「運動をしても大丈夫か?」を診断するときや、みなさん自身が「自分の年齢だったら、どれくらいの運動ができるのか?」を確認するときには、心拍数が1つの判断基準になります。そして、もう1つは、最大酸素消費量が基準になります。スポーツ選手がマスクをつけて、自転車を漕いでいる姿を見ることがありますが、これは酸素消費量を計測しているのです。

とは言っても、一般に酸素消費量を計測する機会はあまりないでしょうし、自分がどれくらいの運動ができるかはわかりにくいと思います。これをわかりやすく数値化したのが「METs(メッツ)」です。METsとは、身体活動の強度を表す単位で、運動によるエネルギー消費量が安静時の何倍に当たるかを示しています。椅子に静かに座っているときは「1METs」です。そして、3階まで階段を上ればおよそ「4METs」になります。この4METsという数値は、一般的に手術をしても大丈夫かどうかを判断するときの基準にもなります。このことから、何らかの既往があっても、ある程度までなら運動しても大丈夫だということがわかると思います。

■表3 各運動強度のMETs表示
各運動強度のMETs表示画像

ダイビングにおける運動強度は「7METs」

スクーバダイビングの運動強度は「7METs 程度」とされています。DANメディカルガイドラインでは「ダイビングの危険性を回避するために、また、他人を救助するためには13METsであることが理想です」ということになっています。大体ほかの運動でも、7METs程度が基準となっていますが、非常に速く泳いだ場合は、酸素消費量が一気に上がり、13METsにもなり得ます。自分がどれくらいの強度の運動ができるかを知っておくことはとても大事です。

また、指示された基準を上回る運動をすると、突然死のリスクが上がることがあります。「学校生活管理指導表による指導と死亡(一般人の死亡との比)」のデータを見てみると、既往歴があり「同年齢の平均的児童生徒にとっての中等度の運動」が許可されたグループにおいても、一般人と比べ総死亡率が20倍、急死率は100倍も高くなっています。原因はもともとの病気にもよりますが、恐らく指示された程度を超えた無理な運動をしたことが原因です。「運動中の急死の約40%は、指導より強い運動中であった」と分析されており、既往歴がある方は特に医師から「これくらいの運動までなら大丈夫」と言われた基準をしっかり覚え、守る必要があるのです。

スポーツでの突然死の原因は冠動脈疾患が最多

死亡したダイバーの統計を見てみると、40歳以上の方が圧倒的に多くなっています。また死亡したダイバーの21%に高血圧、心血管疾患、糖尿病があるというデータ(※3)があります。やはり既往歴がある方はしっかり申告していただきたいのですが、既往歴があるからといってダイビングをしてはいけないということではありません。きちんと担当の医師に相談して、管理することが大切なのです。

また、突然死に関連したデータ(※4)を見てみると、一番多いのはコンタクトスポーツ(他人とぶつかる危険がある競技)、次いでランニングとなっています。ダイビングの場合、数は少ないですがリスクがないとはいえません。またスポーツでの突然死の原因となる病気は、冠動脈疾患が一番多いことがわかっています。

(※3)『 Annual Diving Report 2012-2015 Edition』参考 
(※4)『 循環器学会ガイドライン「心疾患患者の学校、職域、スポーツにおける運動許容条件に関するガイドライン」(2007 年度合同研究班報告)』参考

ダイビングにおける循環器のリスクとは?

血液は心臓がポンプとなり、体の各部位に送られていきます。送られた血液は静脈を通って心臓に戻ってきますが、足にいった血液は立ちっぱなしや座りっぱなしの状態だと、重力の影響で心臓に戻ってきにくくなります。これに反し歩くとふくらはぎの筋肉がポンプになって、血液が戻りやすくなります。また足を上げたり、横になったりすると、一気に心臓に血流が戻ってきてしまいます。このように急に大量の血液が心臓に戻ってくると、心臓に疾患がある場合は負担となります。

さらに、水中では10m潜るごとに1気圧ずつ圧力がかかります。手や足など全身に水圧がかかり、その結果心臓に戻ってくる血液の量は多くなると言われています。静水圧による静脈還流増加を利用した足浴や温泉、プール運動などでむくみが改善できるというプラスの効果もあります。一方、心臓弁膜症や心筋症、心筋梗塞等で心機能に障害がある方は、静脈還流が増えることで心不全を起こすリスクになるのです。

「スポーツ心臓」に隠れている心筋症

スポーツを続けていると、「スポーツ心臓(※5)」になることがありますが、この背後に心筋症(心臓の筋肉に障害をきたす疾患)が隠れていることもあり、適切にスクリーニングされない場合には突然死の危険性があります。健康診断を受診した運動選手で、心電図上スポーツ心臓の疑いのある人と正常者の予後を比較したところ、「平均23歳の心電図異常者の6%に心筋症がある」という研究報告があります。数は少ないものの致命的リスクがあるので、スポーツ心臓が疑われる人は健康診断をきちんと受けて、何か異常があったら精密検査をしましょう。
(※5) スポーツ心臓=継続的な運動トレーニングを長期間行うことで通常より大きく肥大した心臓。安静時の心拍数低下といった一過性変化を示す

CHAPTER04 40代以降のダイバーが気を付けるべきこと

冠動脈疾患のリスクを軽減しよう

40歳を超えると動脈硬化、高血圧などの症状が見られる方が増えてきます。心疾患の既往歴がない方でも動脈硬化が進行したり糖尿病や高血圧などの生活習慣病が加速因子となったりし、冠動脈の塞栓部位によっては、突然死もありえます。

また、心疾患の既往歴がある方は、既往歴がない方と比較した場合、2倍も再発しやすくなります。だからといって、ダイビングをしてはいけないというわけではありません。定期的な健康診断を参考に、循環器の専門医による正確なチェックを受けるようにしましょう。

不整脈がある場合は必ず受診する

不整脈の9割は放置しても大丈夫と言われていますが、QT延長症候群、ブルガタ症候群などの場合は突然死のリスクがあります。また、加齢とともに増えてくるのが心房細動による脳梗塞の危険性です。心不全、高血圧、高齢(75歳以上)、糖尿病、脳卒中などの既往歴があるとリスクが高まります。こういった場合、血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)などで脳梗塞が防げます。

不整脈が比較的短時間で消失し、自覚症状がないかあるいは極めて軽く、心不全を生じていないという一過性の不整脈の場合は、運動負荷により悪化がないことを確かめれば運動をすることが可能です。運動負荷で急に心拍数が増加するような場合は、適切な治療を受けてから運動をするようにしましょう。

安心してダイビングを楽しむために

最後に、40代以降のダイバーのみなさんがダイビングを楽しむために、気をつけていただきたいことを紹介しましょう。

●日頃の運動を続ける
運動の重要性は冒頭からお話ししてきました。定期的に運動を続けるようにしましょう。

●健康診断を受ける
シーズンに入る前に予定しましょう。 夏にダイビングをするなら、春には受けることをお勧めします。

●既往歴のある方はかかりつけ医と十分相談を
運動を始める前に担当医に相談をすることが大事です。

適切な運動量がわかる「運動負荷検査」

どんな運動を、どのようにすればいいかを指導するため、日本医師会には、「運動処方」というものがあります。しかしこれは、普段運動していない方や病気をした方への安全な運動内容を指示することが目的なので、ダイバーなどスポーツを楽しむ方の体力を測定する目的に対しては不十分と思います。

そこで適切な運動量を知るのに役立つのが、「運動負荷検査」です。自動走行するベルトコンベアーの上を歩く「トレッドミル負荷試験」と床に固定した自転車を漕ぐ「心肺運動負荷試験」、また、2段の階段を昇降する「マスター二段階法」という3種類の検査方法があります。「マスター二段階法」では、7METsまでしか評価できないので、ダイバーの方が自分の運動負荷レベルを確かめたい場合は、制限なく負荷がかけられる「トレッドミル負荷試験」がおすすめです。

どのようなスポーツでも、運動負荷の結果をもとに必要なトレーニングをすることが安全上大事です。ダイビングはレジャーの要素が強いかもしれませんが、スポーツとして認識していただきたいと思います。安全にダイビングを楽しむには、自己管理が欠かせませんが、具体的には「健康診断+負荷検査」を十分評価することが欠かせません。

一方運動負荷検査ができる病院は限られていますので、いつどこでどのように受けられるか、各スポーツ団体で環境整備をしていくことがこれからの課題となります。健康管理をしっかりと行い、ダイビングを長く、安全に楽しんでいただければと思います。

運動負荷レベルを確かめたい場合は「トレッドミル負荷試験」を勧める画像

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