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ダイビング時に酔い止めを飲んでもよいの?~専門医に聞く!効く薬~閲覧無制限

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潜水医学
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先日、「吐き気に酔い止めが効くのか?」という記事をご紹介しましたが、関連して、「ダイビング時に酔い止めを飲んでよいのか?」「どんな薬なら飲んでよいのか?」といったご質問をいただきました。

ダイビング時に酔い止めを飲んでよいのか?

とても多い質問です。
引き続き、三保耳鼻咽喉科院長、三保仁先生に聞いてみましょう。

スリランカ、マッコウクジラリサーチ(撮影:越智隆治)

Q.船酔いと酔い止めの仕組みを教えてください。

船酔いとか波良いは、内耳から脳へ「揺れている」という電気信号が送られ、脳がそれに反応して、長時間その電気信号を受け取り続けていると、自律神経のバランスが悪くなって、自律神経の混乱が起こり、胃がむかむしたり吐いたり、冷や汗、動機、のぼせなどの症状を起こすのがそのメカニズムなんです。

酔い止めは、軽く脳を麻痺させて、揺れの信号を感じにくくさせている薬というわけ。

Q.ダイビング時に飲んでもよいものでしょうか?

量や個人差にもよりますが、効き過ぎていると浅い深度でべろべろの窒素酔いを起こして適正な判断ができずに、危険!ということもありますね。

それに、脳が麻痺しているので感動が薄れてしまい、ダイビングがあまり楽しく感じなくなってしまうことも。
一面のサンゴを見て、「わぁ、すごーい!」が、「サンゴがだくさんあるな」になったり、きらめく太陽光をみて、「きれい!」が、「まぶしい」になっちゃうんですよね。
黙々と感動もなく潜る作業のようなダイビングが、楽しい趣味とは思えませんよね。

また、潜水事故を起こしたダイバーの60%が何らかのお薬を服用していて、そのうちの実に80%が酔い止めなんです。

酔い止めがどれだけ潜水事故に関与しているかというデータはまだ取れておらず、因果関係ははっきりしていないのが現状。
今後の研究が待たれるところですね。

Q.あまりオススメできないように聞こえますが……。

だからといって、ひどい吐き気を我慢してダイビングをするのもつまらないし、水中で嘔吐したら誤嚥から溺れ、肺破裂の原因にもなりうるので、必要最低限に、状況に応じて酔い止めは上手に使うのが良いと一般的に言われているんです。

酔うのが嫌だからと、毎回必ず酔い止めを飲んでいる人を見かけますが、そういう使い方はどうかなと思いますね。

Q.オススメの薬はあるのでしょうか?

脳の麻痺が強い一般的な酔い止めよりも、耳鼻科医師がめまいの患者さんに使う「めまい」治療のお薬の方が、マイルドで副反応があまりありません。

商品名で言えば、セファドール、メリスロンです。

市販薬は、例えば、「アネロン」などの強く酔いを止めるスコポラミン製剤は、口がものすごく渇くので、ダイビングではなお乾いてつらいし、内服した場合には運転や機械操作は禁止されているほどです。

それに、市販薬の酔い止めは、眠気を抑えるためにかなりの量のカフェインが入っていることが多いんですが、カフェインは血管収集作用があることから、窒素の体への吸収や排泄速度が変わって、無減圧潜水だったはずなのに減圧症になってしまう!ということもあり得るんですね。

ですから、リスクを承知でほどほどに市販薬を使うか、医療用のめまい止めを医師から処方してもらった方がいいと思いますよ。

アネロンはよく飲んでいる方を見かけますが、リスクを知っておく必要がありますね。
医師の処方薬がよいようです。

船酔いするとダイビングの楽しみは半減。

以前、薬に頼らない船酔いの対処法や、陸上でできる船酔いしない練習法を三保先生にお聞きしていますので、そちらも参考にしてみてください。

■船酔いしなくなる練習法
ボートダイビングで船酔いしない方法はありますか? | オーシャナ

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