沖縄の減圧症患者の来院が夜に多い理由とは?
ハイサイ! 沖縄からこんにちは、きょうこです。
県内各地では、1月中旬ごろから2月初旬に、日本一早い桜まつりが開催されます。
沖縄の桜は、緋寒桜(ヒカンザクラ)といわれ、本州のソメイヨシノとは異なり、北部から開花し南下していくのです。
その花は、かなり鮮やかなピンクで、少しくらいの雨には負けないように思います。
1か月くらい咲いた後、ポトリと花ごと落ちます。
豪快とも言えますが、情緒は…ないかもしれません。
また、北中城などでは、日本一早いひまわり祭りも開催されます。
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さて、前回、私の思う減圧症治療の問題点を少し書かせていただきました。
当院に減圧症疑いで来院される方は、年間50名ほど…この数は少ないのではないか? ということです。
「なぜ少ないのか」を紐解くとともに、まずは、何回かに分けて減圧症とは何を考えていきたいと思います。
そこから見えてくることもあるはずです。
減圧症とは、ダイビングなど、高気圧環境下において取り込まれた窒素が、減圧に伴って、過飽和となり、海面近くになって気泡化し体に何らかの症状が現れる病気です。
窒素との付き合い方を間違ったために起こる病気ということかもしれません。
ここで、代表的な減圧症の症状を表にしてみます。
分類 | 症状 |
---|---|
Ⅰ型 [軽度] |
皮膚の発赤、かゆみ 四肢の関節痛(違和感)、浮腫、むくみ |
Ⅱ型 [重度] |
内耳型(メニエール型):めまい、嘔吐など 肺型(チョークス):呼吸困難、胸痛など 脳型:意識障害、けいれんなど 脊髄型:運動・知覚障害、膀胱直腸障害(排尿障害) |
また、動脈ガス塞栓症(空気塞栓症)という病態もあり、減圧症と総称して減圧障害といいます。
これは、減圧時に何らかの原因で過膨張したガスにより肺胞(肺の組織)が破裂し、できた気泡が血管に入り、組織へとめぐり、塞栓症状を示すものをいいます。
意識障害やけいれん、気胸、血痰など、塞栓部位により症状が異なります。
いずれの場合も唯一の治療は再圧治療になります。
まだまだ話は尽きませんが、今回はこれくらいにして患者さんのお話を。
(編注:来週から「ゼロからわかる潜水医学Q&A」がスタートします。そちらでも減圧症をゼロから紹介していきます)
患者の来院が夜に多いわけ
減圧症の疑いとして、自ら来院される患者さん実は意外と夜が多いのです。
なんで?
通常、ダイビングを終えて宿に帰って、食事をしただけど、何かおかしい。
減圧症か? いや、そんなはずは…でも、やっぱり、やっぱり…間違いない!
と、慌てて病院探して…なんだかんだで夜中に来院ってことでしょうか。
最終ダイビング終了後、6時間ほど以内に来院されているので、もちろん悪いことではないのですが、“慌てて病院を探す”という行為を省くだけでも、安心が一つ稼げるかもしれません。
ダイビングショップはもちろん、ホテル、民宿等の宿泊施設や、空港、消防等に、ネットワークが確立されていればいいのに…と切に感じます。
まだまだ、営業努力が足りないということなのでしょう。
沖縄本島の方で減圧症の疑いを感じる方は、遠慮せずに、私共にコンタクトしてください。
次回は、治療の流れ、実際の高気圧酸素治療装置のことなどのお話をしたいと思います。