アジアで最も歴史のあるダイビングショー「ASIA DIVE EXPO 2015」レポート

この記事は約5分で読めます。

 

2015年4月10日から12日まで、3日間に渡ってシンガポールで開催されたアジアダイビングエキスポ2015(ASIA DIVE EXPO2015(ADEX))に初めて行ってきました。

ADEX2015(提供:ボニー・ウェイコット)

ADEXでは、海洋生物の保全を目的として、毎年異なるテーマにフォーカスします。
2015年はイルカに焦点が当てられました。

ダイバーにとっては情報収集や新たな発見の場として最高の機会ともいえるADEX。
ここで会場の様子を一部ご紹介します!

華やかなオープニングセレモニー

ADEX2015(提供:ボニー・ウェイコット)

10日の午後3時から開催されたオープニングセレモニーでは、主催者の代表者John Thet氏をはじめとして、「本イベントがアジアにおけるダイビングと観光ビジネス等を強く結び、ダイビングを更に宣伝し、より大きな市場へと発展させるものとなってほしい」とさまざまなスピーチが行われました。

観光のさらなる活性化を目指すアジア諸国やオーストラリア

ダイビングを通じて自分の国の魅力をPRするため、フィリピンに続きマレーシアやインドネシア、パラオ、オーストラリアのダイブショップやリゾートがブース出展しました。

ブルー一色が目立ったフィリピンのブースは広々と開放的なスペース。

ADEX2015(提供:ボニー・ウェイコット)

ゆったりと美しいサンゴや熱帯魚等水中映像が流れており、 会場全体を見ても明るいブースでした。
マレーシアのブースには様々な写真があり、ダイビングのみならず自然などの美しさも伝えていました。

しかし、会場のスタッフから日本のダイビングはあまり知られていないという印象を受けました。

そういう意味では、今後ADEXの様なイベントでの日本の活躍に期待したいと思いました。

海中環境保全は常に大きな課題

ADEX2015(提供:ボニー・ウェイコット)

海の生態系や生物多様性の保全に対する意識を高める様々な動きは世界中で活発になっています。

2月にオーシャナで紹介した国連環境計画の管理手法グリーン・フィン(Green Fins)もブース出展していました。

いつか日本でも活躍したいグリーン・フィンは、プレゼンテーション、可愛いシールやポスターなどを通して海洋保護の重要性を発信していました。

ADEX2015(提供:ボニー・ウェイコット)

また、特定の生物に焦点を当てながら海洋保護活動に取組む方法もあります。

iSeahorseは、新しいスマートフォンアプリで、野生のタツノオトシゴを見かけたら、いつでも手間をかけることなく目撃記録を残せるように考案されたものです。

ダイバーをはじめ誰でも利用できて、アップロードされた写真は科学者や専門家に利用され、野生で研究が難しいタツノオトシゴの保護や調査に貢献します。

アイコンがとても可愛いiSeahorse。
ちょっと変わった、楽しい海洋保護方法です! 早速サインアップしてみました。

ADEX2015(提供:ボニー・ウェイコット)

マーメイド発見!? ロシアでダイビング?
新しい発見いろいろ

多くの水中写真家を初め、様々なゲストスピーカーが集まったADEX。
中でも、ひときわ目を引いたのがアメリカ出身のHannah Fraserさん。

ADEX2015(提供:ボニー・ウェイコット)

彼女は「マーメイド」という新しい職業を作り出し、「フリーランス・マーメイド」として水中パフォーマンスを行っています。

幼い頃からマーメイドに魅了され、自分で作った人魚の尾ひれと共に世界を旅し、テレビ番組やイベントで活躍しています。

小さな水槽で泳ぎ回っていた彼女。
ちょっと狭そうだったけど、彼女はもちろん大人気でした!

ロシアと言えば「寒さ」という印象が強いと思いますが、実はダイビングができるそうです。

ロシア初のダイビング雑誌を立ち上げたロシア人Svetlana Murashkinaさんが黒海やモスコア近くの寒い池など、自分の国のダイビングスポットを紹介してくれました。

ADEX2015(提供:ボニー・ウェイコット)

会場にあったロシア語のダイビング雑誌が気になりましたが、ロシア語が読めず、英語のパンフレットや雑誌もなく、ちょっと残念な気持ちでした(笑)。
会場の皆さんはどう思ったのでしょうか?
また、日本の雑誌「マリンダイビング」も、英語情報なしでそのまま海外のダイビングフェアに出展できるのだろうかと疑問に思いました。

水中ラグビー!?

最近、海外のダイビング情報を読んでいると、水中ホッケーなど、水の中のスポーツが話題になっているようです。

ADEXでも注目を浴びていたのが「水中ラグビー」でした。

ADEX2015(提供:ボニー・ウェイコット)

First Asian Team Underwater Rugby(通称FAT Underwater Rugby)の皆さんは毎週土曜日朝8:45分から11時まで練習する熱心なグループで、今月上旬オーストラリアのブリズベンで開催されたPan Pacific Cupという水中ラグビーイベントでシンガポールを代表したそうです。

明るいメンバーばかりのこのチーム。
今後の活動が楽しみですが、通称のFAT(日本語で「太った」という意味)がどうしても気になります(笑)

欲しくなったカラフルなBCD

ADEXの会場に入った瞬間すぐに見かけたのがこの派手なBCD!

ADEX2015(提供:ボニー・ウェイコット)

日本でも絶対人気になるだろうなあと思いながら、ショップ(Friendly Water Seasports)のインストラクターAlvin Javierさんから話を聞きました。
バックプレートを利用するこのBCDは シンガポールで唯一のモデルだそうです。

トリム(水平姿勢)と中性浮力がとりやすく、ゆっくりとした潜降浮上スピードもコントロールできると彼は熱心に話しながらいろいろ見せてくれました。
カラフルで楽しそうなBCD、やっぱり欲しくなりました!

世界の情報が集まるダイビングの祭典

ADEX2015(提供:ボニー・ウェイコット)

世界有数のダイビングサイトやショップが集まり、様々な情報を収集できるこのダイビングフェア。

器材や関連商品、ダイビング雑誌の購入、セミナーなども多く、最高のイベントだったADEXは3日間じゃ足りないと思えるくらい充実したものでした!

ADEX2015(提供:ボニー・ウェイコット) ADEX2015(提供:ボニー・ウェイコット)

年に一度のダイビングの祭典。
来年は、2016年4月15〜17日に、またシンガポールで開催予定です(イルカに続いて、タツノオトシゴにフォーカスします)。

ADEX2015(提供:ボニー・ウェイコット)
\メルマガ会員募集中/

週に2回、今読んで欲しいオーシャナの記事をピックアップしてお届けします♪
メールアドレスを入力して簡単登録はこちらから↓↓

PROFILE
イギリス生まれ、8歳から13歳まで日本で育ったイギリス人と日本人のハーフ。

2006年に再度来日し、ナレーター、翻訳者、ライターとしてNHKテレビ、ラジオ、日本駐在外国人向けのウェブサイトなどで活躍。
2010年ニューカレドニアで体験ダイビングをしたのを機にライセンスを取り、2011年以降定期的に日本で潜っている。

日本の海の魅力、多様な生物や地形等に感動し、海外であまり知られていない日本のダイビングを紹介する目的で、2011年にブログ(Rising Bubbles)を立ち上げた。

外国人向けのサイトや海外のダイビングサイトで日本のダイビングスポットを定期的に紹介しており、スコットランドのセントアンドリューズ大学で水産養殖も勉強中。

「ダイビングをきっかけに、日本の海がどれだけ魅力的なのかをすごく実感しました。この連載では、たくさんの情報を届けていきながら、海外からのトピックを取り上げ、日本と海外の違いや海外の視点等をシェアするのを楽しみにしております」
FOLLOW