【GULL連載】知らなきゃ損!器材を変えるだけで、誰でもダイビングがもっと楽しくなる!マスク編

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世界中から高評価の日本を代表するダイビングギアブランド「GULL(ガル)」。GULLは企画から製造まで全工程を日本で行い、50年という歴史の中で進化し続けてきた。そんなGULLがいま伝えたいのは、“器材次第で、ダイビングが大きく変わる”ということ。そこで本企画では全3回にわたって、自分に本当に合った器材とは何なのか?、GULLにはどんな製品があるのか?、といった内容で器材別に紹介していく。第1回目の今回は、GULLを代表する製品のひとつ、「マスク」について、営業の池田和生氏に伺っていく。

まずは、自分の顔に合うマスクを選ぶことはなぜ必要なのか、そしてそのマスクを選ぶ方法について伺った。

マスクでダイビングの楽しさが大きく変わる、その理由とは

製品を開発するうえで長年大切にしているのは「海を愛する人すべてに海を楽しんでほしい、そこにはストレスを感じない器材が必要」という想いだという。

「特にマスクは、ダイビングの最大の楽しみである水中景観の観察をする上で最も重要な器材です。マスクが自分の顔の形状に合っていないと、浸水してきたり、痛くなったりと大きなストレスを感じます。このストレスが原因でエア消費が早くなることもあります。せっかくのダイビングなのにマスクが気になって楽しめないなんてこともあるのです。だからぜひ、自分の顔に合うマスクを選んで欲しいと思います」。

自分の顔に合うマスクを選ぶ5つのポイント

▶︎顔とマスクのサイズを合わせる

人によって異なる顔の大きさに合わせてマスクを選ぶことで、“浸水を防ぐこと”と“快適なフィット感を得ること”ができる。GULLのマスクにも種類によって異なるサイズがラインナップされている。“マスクを顔に当てて、鼻から軽く息を吸ったときに、顔から落ちない”というのが、顔の大きさに合っているかどうかを判断する一つの基準だ。また、レギュレーターやシュノーケルを咥えることをふまえて、口を動かしてもずれないか確認しておくのもポイント。

▶︎シリコンの形状と厚さの違いでちょうどいいフィット感を手に入れる

シリコンの形状や厚さもマスクの種類によって異なる。顔を広く覆うような形状かつレンズに近づくにつれシリコンが厚くなっていて、しっかりとしたホールド感のあるものもあれば、顔に触れる部分のシリコンの厚みを薄くし、付けていないかのような感覚を得られるものもある。これは好みによって分かれるが、ぜひ購入前に水中でも試着してフィッティングの違いを感じてほしい。GULLが海で定期的に開催しているモニター会や、一部のダイビングショップでも貸し出し可能な場合があるので、ダイビングショップスタッフに相談してみよう。

▶︎レンズの種類で紫外線カット機能や度入りを選ぶ

水面でマスクに差し込む太陽光に含まれる紫外線などは目にダメージを与える。この紫外線をカットできるレンズであるかどうかも選ぶポイントのひとつ。また、近視・遠視・遠近両用タイプのレンズに変更できたり、視界全体を明るくするアクアレンズやスーパークリアレンズ、物の輪郭を見やすくするアンバーレンズなど色の違いがあったりするので、自分の目にベストなレンズを選ぼう。

▶︎ダイビングスタイルに合わせて選ぶことも大切

たとえば、カメラ撮影を楽しみたいときは、上下左右の視界が広く、レンズ面も目に近い二眼レンズ。自分自身が被写体になるときは、目元が明るく見えるようにシリコンのカラーは白色。スキンダイビングではマスクスクイズを減らすために内容量の少ないもの。といった具合に用途別に選ぶこともダイビングを最大限楽しむためには大切。

▶︎ダイビングするたび気分上がる、デザイン

上記4項目を考慮したら、やっぱりデザインも重視したい。GULLのマスクは、多彩なカラーバリエーションも特長のひとつで、製品によっては最大13種類もあるほど。その時々の流行に合わせて、既存カラーと新規カラーを毎年半分ほど入れ替えているという。今年はGULLの若手社員のアイデアで「クジャクグリーン」「アマイロブルー」「ナデシコピンク」「コハクオレンジ」など日本の伝統色を新たに追加。「海外渡航ができない中で、日本を今一度見直してみよう。日本人の肌色に馴染むし、コーディネイトしやすいのではないか」という理由で採用されたそうだ。

自分の顔に合うマスクを選ぶことの大切さ、マスクを選ぶポイントを知ることができた。一言でマスクと言っても、メーカーや製品によってさまざまな工夫がされているのだ。ここまで聞いたら早くマスクを選びたくてウズウズしてくる。

ここからは池田氏に、皆さまお待ちかねのGULLの一押しマスクを紹介してもらう。

品質を自負する、ユーザー目線で開発されてきたマスクとは

「GULLのマスクが追求するのは、“ストレスを極限まで無くし、どうやったら楽しめるか”です。その最低条件に壊れないことがあげられますが、この“壊れない”という部分に私たちはかなりの自信を持っています。マスクは、他の器材と同じく消耗品なので、100%壊れないということはありませんが、GULLのマスクは、ダイビング中にどこか一箇所が壊れても、そのダイビングは安全に帰ってこられるように設計されています。

具体的には、もしフレームが割れても、シリコンがレンズを咥え込んでいるので浸水を防げたり、フレームのセンターがネジで固定されていたりするのでレンズが外れてしまうことはありません。どこか一箇所が壊れても、そのバックアップを考えて設計されています。万が一壊れてしまったときのために、ベテランスタッフが対応するお客様相談室も用意しています。これこそ、多くのベテランダイバーさんが弊社のマスクを使ってくださっている理由かもしれません」。

▶︎初購入におすすめ!リーズナブルだけどハイスペックな「LANZE」

安全性を追求して内側と外側から二重にレンズを抑える構造で、万が一の際にもガラスが外れづらい設計となっている。ローボリュームでスキューバダイビングでもスキンダイビングにも使用可能。視界はGULLの中でもトップクラス。クリアシリコンにすることでさらに視界が明るくなり、安心感もアップ。リーズナブルだがハイスペックで、初購入には最適なマスク。
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「LANZE(コウバイピンク×クリアコウバイピンク)」

「LANZE(コウバイピンク×クリアコウバイピンク)」

▶︎究極のスタンダードモデル、50年間進化し続けてきた「MANTIS」

「日本人の顔にジャストフィットする、ダイビングマスクをつくろう」。そう開発が始まった「MANTIS」は、時代とともに改良を重ね、50周年を迎えた今もなお絶大な信頼と人気を得ている。シリコンや内容量を改良した今年新発売の「50th Anniversary MANTIS 5」は、MANTISシリーズで初めて塗装フレームを採用した。各色300個の数量限定。
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「MANTIS 5(アサギブルー)」

「MANTIS 5(アサギブルー)」

▶︎GULL最高峰の一眼レンズマスクを小型化した「VADER fanette」

GULLのテクノロジーをすべて結集させた最高峰モデル「Gシリーズ」の、曲線により描かれた美しいフレームが特長的な一眼マスク「VADER」を小型化した製品。小顔の男性にはもちろん、女性の顔に対して収まりの良い大きさを意識したサイズ感に仕上げられている。
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「VADER fanette(ミラーナデシコピンク)」

「VADER fanette(ミラーナデシコピンク)」

【新製品】究極のフィット感を実現した「MANTIS LVR」をご紹介

最高峰モデルのGシリーズから、小顔の男性や女性にも嬉しい二眼レンズの小型サイズが新登場。若手社員の意見が取り入れられた本製品は、付けていることを忘れるようなソフトなつけ心地なのに、しっかりとしたホールド感も損なわない、究極のフィット感を実現。さらに、左右上下の視界は広いまま、内容積は小さくなっているので、マスクスクイズも軽減。ちなみに、名前のLVRは、L=low、V=volume、R=reloadedであり、50年の歴史をもつMANTISをより洗練し改良したことが由来とのこと。

「MANTIS LVR(ミラーコハクオレンジ)」

「MANTIS LVR(ミラーコハクオレンジ)」

▶︎究極のフィット感を実現する独自形状。「Comfort Fit Technology」と名付けた4つの特長

1、笑っても浸水しづらい「補強ダンパー」
笑うなどして頬の筋肉を動かした際に、付近のリップ(シリコンのへり)が浮きあがり浸水する可能性があるが、頬付近に補強ダンパーを設置したことにより、浮き上がりにくく浸水しづらい設計に。

左が「MANTIS LVR」、右が「MANTIS LV」

左が「MANTIS LVR」、右が「MANTIS LV」

2、ほうれい線の隙間に立体的にアプローチ「3Dリークガード」
レギュレーター・シュノーケルなどを咥えた際に出来る鼻脇のシワ(ほうれい線)に対して、今までにない“立体的に当たる”シリコン形状で、浸水しづらい設計に。

左が「MANTIS LVR」、右が「MANTIS LV」

左が「MANTIS LVR」、右が「MANTIS LV」

3、眉毛と髪の毛の生え際を避ける「テンプルライン」
こめかみ部のリップラインを変更し眉毛と髪の毛の生え際を避け、浸水しづらい設計に。

左が「MANTIS LVR」、右が「MANTIS LV」

左が「MANTIS LVR」、右が「MANTIS LV」

4、鼻をつまみやすい「イージーピンチノーズポケット」
鼻をつまむポケットのアングルが広く、指がしっかり入り鼻を摘まみ易くなるため、耳抜きの成功率が向上。厚手のグローブを付けていても問題なくつまめる。

左が「MANTIS LVR」、右が「MANTIS LV」

左が「MANTIS LVR」、右が「MANTIS LV」

▶︎チタン製高級マスクから踏襲したデザイン

フレームの可愛らしい水玉デザインは、既存の「MANTIS LV」のチタン製マスクから踏襲されている。チタン製マスクは3箇所ネジ止めされており、フレーム両端にあるネジ穴をカモフラージュするように水玉のデザインが施されている。このデザインを新製品にも採用した。

左が「MANTIS LVR」、右が「MANTIS LV」のチタン製マスク

左が「MANTIS LVR」、右が「MANTIS LV」のチタン製マスク

▶︎最高の装着感を実現するスカートの厚み

付けていることを忘れるようなソフトな装着感を実現するために、シリコンを薄く柔らかくしている。これは既存の女性向けを意識した一眼レンズ「VADER fanette」から踏襲した。

▶︎本製品が初採用のレンズ「UV420 CUT AR アンバー」

UV420CUT ARレンズ
酸化ストレス(※1)やルテイン(※2)劣化に影響を与える高エネルギー可視光線(400〜420nm)をカットする機能を持っているUV420CUTレンズに、反射防止(AR)機能を付与し透過率が向上、外部からも明るくはっきりとした見え方に。
※1酸化ストレス:酸素が体の中の細胞や組織などに結びつき、ダメージが蓄積していくこと。
※2ルテイン:目の中の水晶体や横斑部などにもともと存在している成分で、強力な抗酸化作用を持つ黄色の天然色素。

アンバーカラーレンズ
黄色味がかったアンバーカラーは、物の陰影(コントラスト)をくっきりさせる効果があり、水中でも景色や魚の輪郭がハッキリと見える。

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【検証実験】顔の形状によって、人それぞれ合うマスクが違うのか!?

ここまで、顔の形状に合わせたマスク選びの必要性を唱えてきたが、本当に人それぞれ合うマスクが違うのか。それを証明するためにシンプルな3種類の検証実験を行ってみた。実験参加者は、オーシャナ編集部・神宮司、GULLから池田氏とデジタルプロモーション室の安藤瞳氏にご協力いただきチャレンジ。

▶︎その1、同じ種類のマスクを一斉に付けて外れるタイミングを比較する

仮説:顔に合わないマスクだと、スカートと肌の間のわずかな隙間から空気が入り込み、外れてしまうだろう。

手順:マスク(MANTIS LVRを使用)を顔に当て鼻から息を吸い、顔に密着させる。3人同時に手を離す。落ちるタイミングを比較。

結果:神宮司のマスクがダントツの速さ(約5秒)で落ちてしまった。池田氏と安藤氏は、「落ちる気がしない」というほど、いつまでも顔にフィットしていた。

考察:神宮司は、池田氏と安藤氏と比べたら顔のサイズが大きい。本実験で使用したマスクは小型サイズだったので合わなかったのではないか。

▶︎その2、目をつぶって、デザインは見ずにフィット感のみで好みのマスクを選ぶ

仮説:人それぞれ顔の形状が違うのだから、自分にフィットする製品は違う。

手順:装着する人は目をつぶる。マスクの形状が手でわからないように、ストラップ部分を掴んでもらうように手渡す。顔に装着する。これを5種類のマスクで繰り返す。装着した人は、何番目に装着したものがよかったかを発表する。

結果:神宮司、池田氏、安藤氏でそれぞれが違うものを選ぶ結果に。神宮司はバンドと一体型のスカートで顔にフィットする「LANZE」、池田氏は小型の一眼レンズ「VADER fanette」、安藤氏は小型の二眼レンズ「MANTIS LVR」だった。「種類によってフィット感が全然違う!」と安藤氏。

考察:人それぞれの顔の形状によって、好みのマスク形状は異なる。この実験は顔にフィットする最適なマスクを選ぶことに役立ちそうだ。

▶︎その3、顔の形状をスマートフォンで3Dデータ化し、その計測サイズで合うマスクを選ぶ

仮説:顔のサイズは人それぞれ異なり、その数値をもとに選んだマスクは検証実験「その2」で行ったマスクと一致する。

手順:対象者の周りをスマートフォンで撮影しながら一周する。対象者はその間動かないようにする。3Dデータ化した、こめかみの長さをスマートフォン内で計測。12.8cm、13.0cm、13.2cmの大中小のマスクの中から、測定結果に近いものを選ぶ。

結果:神宮司は約14cm、池田氏は約13cm、安藤氏は約12cmだった。この数値を考慮すると、神宮司の場合、検証実験「その2」で選んだ「LANZE」はGULLの中でも小型の12.8cmの製品だったので、測定結果と一致しなかった。池田氏と安藤氏は検証実験「その2」で小型の12.8cmのマスクを選んでいたので、測定結果に近いものだったと言える。

考察:数値はあくまでも参考程度に、実際に付けてみたサイズ感やフィット感を重視して選ぶのが良さそうだ。

▶︎検証実験+α、マスク美人、マスクイケメンの製品を選んでみた

マスクを選ぶポイントの一つである、デザイン。ウェットスーツやフィンの色にも合わせて、選びたいところだ。正直なところ、写真でものを見るだけではイメージが湧きづらいので、我々で実際に付けて写真撮影をしてみた。イメージづくりに役立てば幸いだ。

「こっちのほうがいいんじゃない?」「これが似合うよ」とおしゃべりしながら選ぶこと10分…。

じゃじゃーん!

じゃじゃーん!

左:神宮司は「MANTIS LV(サテンラバーエドヴァイオレット)」。紫&黒コーデでカッコよく。
真ん中:池田氏は「LANZE(ソラネズグレー×クリアアサギブルー)」。鮮やかカラーで爽やかに。
右:安藤氏は「VADER fanette(ラバースイレンクリーム)」。太陽と海のような明るく可愛らしい感じに。

海を楽しむために必要なマスクを追い求めて50年。ユーザーの声に寄り添い、時代とともに変化し続けてきたGULLのマスクは、これからも進化していくに違いない。相棒となる、とっておきのマスクと出会えますように。

お試しできる場所

ダイビング器材販売店での試着はもちろん、実際に水中で試着してフィッティングの違いを感じたい場合はGULLが定期的に開催している海でのモニター会がおすすめ(日程は後日GULLホームページにて掲載予定)。また一部のダイビングショップでも貸し出し可能な場合があるので、ダイビングショップスタッフに相談してみよう。2022年4月1日〜4月3日に都内で開催されるマリンダイビングフェアでも一部製品を展示予定。

購入できる場所

ダイビングショップやダイビング器材販売店にて購入可(下記一覧参照)。
取扱店舗一覧

Sponsored by GULL(株式会社キヌガワ)

1983年にキヌガワグループのスタッフ数名によって立ち上げられたGULL 。シンプルで無駄のないデザインをポリシーとし、長い歴史に裏打ちされたテクノロジーとアイデアで、日本のダイビングシーンを牽引する商品を世の中に送り出しています。
GULLホームページ

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PROFILE
0歳~22歳まで水泳に没頭し、日本選手権入賞や国際大会出場。新卒で電子部品メーカー(広報室)に入社。同時にダイビングも始める。次第に海やダイビングに対しての想いが強くなりすぎたため、2021年にオーシャナに転職。ライターとして、全国各地の海へ取材に行く傍ら、フリーダイビングにゼロから挑戦。1年で日本代表となり世界選手権に出場。現在はスキンダイビングインストラクターとしてマリンアクティビティツアーやスキンダイビングレッスンを開催。
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