リサイクルPET原料を使用した、PETボトルの製品化プロジェクトを始動!

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コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社は、世界最大級のPET樹脂・ポリエステル繊維メーカーである台湾の遠東新世紀株式会社とともに、「再生PET原料を使用したPETボトル」の製品化に向けた共同プロジェクトを開始した。

年内を目途に、一部販売エリアで同製品の試験販売を目指し、数年後の商業化を視野に入れている。

Text:Nodoka Sekido

■ケミカルリサイクル手法
「トップグリーンゲムサイクル」

このプロジェクトで使用する再生PET樹脂の原料の一部は、遠東新世紀が新たに開発したケミカルリサイクル手法(※)である「TopGreen® ChemCycle(トップグリーンケムサイクル)」により製造する世界初の試みだ。

「TopGreen® ChemCycle」では、使用済みPETボトルを化学的にPET樹脂の主原料の一つであるrPTA(再生高純度テレフタル酸)に変換。

そのrPTA を原料とし、これまでのPETボトルに使用されていた樹脂と同等品質のPET樹脂である「ChemCycle Resin (ケムサイクルレジン)」を製造する。

※ケミカルリサイクル:回収された使用済みPETボトルを選別、粉砕、洗浄して異物を取り除いた後に解重合を行うことで、PET樹脂の原料または中間原料まで分解、精製。それらを重合し、新たなPET樹脂となる。
解重合にはエチレングリコール(EG)を加え、樹脂製造過程の中間原料であるビス-2-ヒドロキシエチルテレフタレート(BHET)にまで戻すことができる。これを精製した後、PETに再重合するというもの。
解重合・再重合の間に異物、異種材質が取り除かれ、バージン樹脂と同等に品質の高いPET樹脂に再生できるのが特徴。
(出典:PETボトルリサイクル推進協議会)

■これまでのケミカルリサイクルとの違い

これまで実施されてきた一般的なケミカルリサイクルでは、使用済みPETボトルをPET樹脂製造時の中間原料に戻し、精製したあと、PETに再重合するという手法だった。

今回、遠東新世紀が新たに開発した「TopGreen® ChemCycle」では、PET樹脂の原料であるPTA(高純度テレフタル酸)にまで変換。PTAにまで変換することで、従来から使用しているPETボトル用原料と同等の品質・安全性を実現できるという。

■PETボトルリサイクル啓発デザイン
オリジナルラッピング自動販売機

さらに、コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社では、6月1日にオープンした四国水族館にて「PETボトルリサイクル啓発デザインオリジナルラッピング自動販売機」を設置している。

この取り組みは、ウミガメを専門で研究している松沢館長が、海洋生物のプラスチック製ビニールによる被害を減らしたいという想いのもと生まれた。来館する人の心に「リサイクルボックスへ空容器を入れる行為によって、リサイクル活動に参加している」という意識が生まれるよう表現したストーリー仕立てのイラストがデザインされている。

■コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社の
目指す未来

「持続可能な水資源の保護を推進する」「持続可能な社会づくりに貢献する」「飲用後の空容器や自動販売機の再資源化を進める」という3つのテーマを掲げるコカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社では、廃棄物ゼロ社会に向け、2030年を区切りとした以下の目標を設定している。

設計
・50% by 2022:リサイクルPET樹脂の使用率
・90% by 2030:リサイクルPET樹脂の使用率
・100% by 2030:化石燃料を使わないサステナブルPET樹脂の使用率
・100% by 2025:リサイクル可能な容器の採用
・35% by 2030:さらなるペットボトルの軽量化(2004年比)

回収
・100% by 2030:販売量と同等の回収量

パートナー
・by 2030:環境保護団体や業界団体との幅広い連携

(出典:https://www.ccbji.co.jp/csv/environment/?id=tab3

モノが溢れる時代だからこそ、環境保護を目指す商品を選ぶことでサステナブルな取り組みに参加できる。
まずは日々愛用している商品のバックグラウンドを知り、意識改革への第一歩をスタートしてみてはいかがだろうか。

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