Project AWAREとは? 〜Vol.2 SP(スペシャルティ)コース〜

前回に引き続き、ダイバーだからこそできるproject AWARE(プロジェクトアウェア)関連のSP(スペシャルティ)コースについて紹介していく。

環境に配慮したダイビングの知識や技術を楽しみながら学習することができる各コースは、環境問題について積極的に取り組むProject AWAREならではの内容だ。
このSPを受けることで自分自身のダイビングスタイルを見直し、地球に優しいダイバーへの一歩を踏み出して欲しい。

ダイバーなら知っておきたいProject AWAREのSPについて

ダイビングは、基本的に自分の経験の範囲内で楽しむレジャー。このSP(スペシャルティ)では、インストラクターと共に特定の分野のダイビングを身につけ、楽しみの幅を増やすことができるコースだ。ボートSPやドライスーツSPなどを例に挙げると分かりやすいだろうか。
エントリーの仕方や、リスク、マナーなど、よりその分野に特化した知識やスキルを身につけることができ、ダイビングを楽しむことができるようになることを目的としている。
Project AWAREにも以下の3つのSPが存在する。
参考URL:https://www.padi.co.jp/visitors/aware/
参考URL:https://www.padi.co.jp/scuba-diving/padi-courses/course-catalog/specialty-diver-courses/

ダイビングの経験がなくても受講可能なProject AWARE SPコース

世界の水中環境がどのような危機に陥っているのかを知り、私たちに何ができるのかを学ぶ「Project AWARE・SPコース」。
現在、地球上では年間約1000種類もの生物が絶滅していると言われている。海という自然と身近に関わっている私たちだからこそ、その環境を守ることの重要さ、実践すべきマナーを学び、人類が協力し合うことの大切を再認識できるだろう。もちろん、ダイビングを経験がない方の受講も可能となっている。

実は繊細な生き物。AWAREサメの保護SPコース

ダイビングをした事がない人でも受講が可能で、絶滅危惧種であるサメの保護活動に、積極的に参加するよう働きかける
「AWAREサメの保護SPコース」。
海外映画やサーファーが襲われたニュースなどを見ると、サメに対して凶暴な印象を抱きがちだが、実際には警戒心が非常に高く、繊細な生き物。ダイビングであっても自然界で生きる彼らに近づくことは、まず難しいだろう。
海の生態系にとって必要不可欠な存在であるサメに対しての誤解を解消し、日常生活でも取り入れることのできる保護活
動を学習する。

みんなでレッツクリーンアップ!AWARE Dive Against Debris SPコース

水中の海洋ゴミを回収するための知識とスキルを身につける「AWARE Dive Against Debris SPコース」。海に流れ込ん
でいる廃棄物の約70%が海底に沈んでいると推定され、世界中で問題視されている。
水中でのゴミの拾い方、そして安全に持ち帰る技術と判断力を学習することで、ダイバーとしてのお手本になり、環境活動としても大きな役割を果たすことになる。
また、回収したデータをProject AWAREで集計することで、世界の環境活動にも活かされていく。

ダイビングが楽しくなる魚の見分け方SPコース

魚の基本的な分類方法を学ぶことで、自分自身で種別するコツを学ぶ「魚の見分け方SPコース」。魚には、口の位置、体の模様や形、生息環境など、彼らが今の姿に進化した理由が必ずある。
これらを学ぶことで、普段見られない場所での生物との遭遇や不自然な行動から、環境の変化にも敏感に感じることができるようになるだろう。
出会った生き物をいつも以上に観察し、種を特定できるようになると、水中世界が一段と広がり、日々のダイビングが有意義な時間になるはずだ。

海のオアシス、サンゴ礁の保護スペシャルティ・コース

サンゴ礁を守ることをテーマにした「サンゴ礁の保護SPコース」。
海洋生物の約4/1が生息していると言われているほど、海で暮らす生物たちにとっては必要不可欠な存在であるサンゴ礁。近年では、海水温の上昇やオニヒトデの大量発生、海洋汚染などの問題により、生物多様性が脅かされている。
本コースでは、なぜこのようなことになってしまったのか原因を把握し、生き物たちの「海のオアシス」を守って行くべき指南を行う。

まずは、一人一人が海の環境について関心を持つことが大切だ。技術や経験に不安があったとしても、海が直面してい
る危機に興味を持ち、正しく理解することは地球に優しいダイビングへのはじめの一歩だ。
私たちにしか守れない景色があり、私たちだからこそ出来る活動があることを知り、心を動かして欲しい。
ダイバーである我々は誰よりも自然の豊かさ、生物たちの生命力、水中の美しさを知っているはずなのだから。

Text:Natsuki Matsuda

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