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筑波大学の若手研究者が語る、“100年後の海”はどうなっているのか?(第3回)

【3】ダイバーの持っている情報を未来予測に使いたい!〜過去の履歴を知ることで海洋酸性化を正確に分析する〜閲覧無制限

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連載第3回目は
今後の研究の展開について

筑波大学生命環境系助教(下田臨海実験センター)の和田茂樹先生と筑波大学芸術系准教授(人間総合科学研究科)の武正憲先生の研究に迫る「筑波大学の若手研究者が語る、“100年後の海”はどうなっているのか?」連載第三回。

▶︎研究について/「筑波大学の若手研究者が語る、“100年後の海”はどうなっているのか?」連載TOP

左:和田先生、右:武先生

左:和田先生、右:武先生

第一回目、第二回目では、海洋酸性化の基本と式根島CO2シープを使った100年後の海の景観予測、そして、生態系サービスを視点にした自然を守るための仕組みづくりについて聞きました。

▶︎【第一回】海洋酸性化が進んだ未来の海が式根島にあった!〜筑波大学下田臨海実験センターの研究〜
▶︎【第二回】自然の価値をお金に換算すると、その重要さが理解しやすくなるのでは?〜酸性化への社会科学的アプローチ〜

さて、研究に際して、和田先生と武先生が“求めているもの”があります。
ダイビングを楽しむ私たちだからこそ、力になれることがありそうです。

聞き手:山本晴美(オーシャナ編集長)
構成:村上隆保(湘南BBQクラブ

過去の分岐点から
“未来の分岐点”を予測したい

武正憲(以下、武)

一番お願いしたいのはみなさんが持っている海の写真のデータの提供です。私たちは“現在の海”と“未来の海”はわかるけれども、“過去の海”がわからない
例えば過去25年間の海の写真があれば、どれくらい海の景観が変化したかを知ることができます。

ダイビングショップの方だったり、長くダイビングをされている方は、そのデータを持っているかもしれない。私たちにはそのデータがとても重要なんです。

陸に比べて、海の中は写真自体を持っている人が貴重です。
そして、陸にいる人は、海の中の変化に触れることがないので、ほとんど関心を持つことができず、変化を理解することさえ難しい側面があります。
だからこそ、長期の水中写真が集まると、海の環境変化を直感的に理解するための素材が集まるのではないかと思っています。

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――確かに25年前の海の様子がわかれば、この25年間にどれくらい海の環境が変化したかがわかりますね。

これを「シチズンサイエンス(市民科学)」というんですが、市民と研究者が一緒になって海洋環境を研究していく。そういうことを我々は目指しています。

和田茂樹(以下、和田)

環境省の昔の報告書などをみると、式根島にはアントクメという海藻がたくさんいると書かれているんですよ。
また、漁師さんや地元の人に話を聞くと「子供の頃、台風などで海が荒れた後に海岸に行くと、アントクメが山のように落ちていた」といいます。

しかし、私たちが調査を始めた2014年から現在まで、式根島でアントクメを見たことが一度もありません。数十年前と比べて式根島の海の環境はかなり変わっているはずなんです。

ですから、どう変わってきたのか、その履歴を知りたい。
例えば、ある水温の時期に生態系が変化したということがわかると、他の海域がその水温に達した時に変化が起こるのではないかなどという未来予測ができます。

過去の分岐点から未来の分岐点を探りたい

過去の分岐点から未来の分岐点を探りたい

――なるほど。

和田

昔、撮った写真を大事に保管している人はいると思うんです。
例えば、ダイビングガイドさんとか、ダイバーで写真好きな人とか……。

――ダイバーの中でも、カメラ派といわれる人は、大切に保管していると思います。

和田

カメラ派というのがあるんですね。

――水中カメラ撮影を趣味に楽しんでいる方々ですね。
またカメラ派の中にも、ダイナミックな瞬間を狙う人がいたり、マクロ系というんですけどウミウシやハゼなどの小さい生物を撮る人もいますよ。

Scuba diver doing underwater photography in Anilao Philippines

ダイバーにはいろいろなタイプの方がいるんですね(笑)。

和田

私たちの研究には、そのダイバーのみなさんの協力が、絶対的に必要なんです。
海洋酸性化に関する情報をたくさん集めて、研究につなげたいと思っています。

地球温暖化による海洋環境の悪化を進めないためにも、どうかよろしくお願いいたします。

――100年後の海を守るために、私たちもできる限りの協力をさせていただきたいです!
本日はありがとうございました。

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▶︎【第一回】海洋酸性化が進んだ未来の海が式根島にあった!〜筑波大学下田臨海実験センターの研究〜
▶︎【第二回】自然の価値をお金に換算すると、その重要さが理解しやすくなるのでは?〜酸性化への社会科学的アプローチ〜

Profile

左:和田先生、右:武先生

左:和田先生、右:武先生

和田茂樹(Shigeki Wada)

1980年生まれ。香川県出身。博士(理学)。
筑波大学生命環境系下田臨海実験センター助教。
専門は生物海洋学。

武正憲(Masanori Take)

1979年生まれ。新潟県出身。博士(環境学)。
筑波大学芸術系准教授。
人間総合科学研究科世界遺産専攻および自然保護寄付講座を担当。
専門はエコツーリズム。

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