東北の元気な海を見てください。Part.1 むらいさち・夏色
Iwate / 岩手
ボランティアダイバーや地元の方々、そしてガイドたちの活躍で復活、再生した元気な東北の海をご覧ください。
Iwate / 岩手
ボランティアダイバーや地元の方々、そしてガイドたちの活躍で復活、再生した元気な東北の海をご覧ください。
- Photo
- むらいさち
- Text
- 寺山 英樹
- Special Thanks
- ダイビングショップRias、女川町竹浦ダイビング協議会、モア・プロジェクト・ジャパン
- Design
- PanariDesign
震災から1年半が過ぎた今でも、がれきだらけの海は多い。
全体でみれば、海中の復興もまだまだだけど、明るい話題もある。
かつてダイビングエリアだった岩手や宮城の海が、この夏、次々に再オープン!
ボランティアダイバーや地元の方々、そしてガイドたちの活躍で復活、再生した元気な東北の海をご覧ください。
#01 リニューアルオープン!
岩手 大船渡市・浪板海岸
岩手の海が
リニューアルオープン!
震災からおよそ1年半後の夏。
ダイビングショップRias(リアス)のくまちゃんこと佐藤寛志さんのナビゲートで、岩手県大船渡市の越来喜湾の海へ。
震災直後、かつて東北ダイバーでにぎわっていたダイビングスポット「浪板海岸」は瓦礫で埋めつくされてしまった。
しかし、くまちゃんが理事長を務める「三陸ボランティアダイバーズ」と地元漁師がタッグを組んで、海の中はすっかりきれいになり、いよいよ本格的に潜れるようになったのだ。
堤防から海をのぞきこむとクリアに抜けた水の先で、水底の砂紋が太陽光で美しくきらめいている。
ビーチからエントリーすると砂地が続き、しばらくするとアマモがポツポツ。
さらに進むと、アマモの数は爆発的に増え、やがて目の前に広がるのは海の大草原。
震災後の方がむしろアマモの数は増えたという。
アマモは、水質や底質が清らかな証。
くまちゃんによれば、「津波で水中がかき混ぜられ、栄養分豊富な水が入ってきたことや新しいアマモが流れ着いたことが原因ではないか」とのこと。
望んだ形ではないにせよ、海は復活しただけでなく、生まれ変わっているようだ。
アマモの草原は、格好の魚の隠れ家。
背が高い絶滅危惧種のタチアマモの上をアジが群れ、ダイバーが近づくとさっとアマモ林の中に身を隠す。
また、クダヤガラがアマモ林を縫うように泳いでいる様子がいかにも東北らしい。
清々しくさわやかな岩手の夏。
まだまだダイビングのほとんどが復興作業だというくまちゃん。
作業中の険しい表情のくまちゃんも、この日ばかりは水中でも嬉しそうで、ずっとさわやかな笑顔だった。