グレートバリアリーフ「ここがグレート!トップ10」

ウェブマガジンGBRTOP10

Australia / オーストラリア

GBRはここがグレート!

Photo
越智 隆治
Text
寺山 英樹
Special Thanks
クイーンズランド州政府観光局、DEEP SEA DIVERS DEN、SPIRIT OF Freedom(TUSA DIVE)、DIVE7SEAS、H.I.S.、ケアンズトロピカルズー、どきどきツアーズ
Design
中村 孝子
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Australia / オーストラリア

GBRはここがグレート!

Photo
越智 隆治
Text
寺山 英樹
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クイーンズランド州政府観光局、DEEP SEA DIVERS DEN、SPIRIT OF Freedom(TUSA DIVE)、DIVE7SEAS、H.I.S.、ケアンズトロピカルズー、どきどきツアーズ
Design
中村 孝子
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1.憧れの生き物が目の前に!
大・大・大接近

近い!
ニラメッコできる人気者たち

オーストラリア・GBRのジャイアントポテトコッド(撮影:越智隆治)

ジャイアントポテトコッドとニラメッコ

グレートバリアリーフ(以下:GBR)のダイビングは、魚との距離が近い。近すぎる!

クルーズでいくリボンリーフへエントリーすると、根の周辺を数匹のジャイアントポテトコッド(カスリハタ)がウロウロ。
体長に比例して警戒心が薄いのか、1.5mはあろうかという、ひと際大きな個体が、こちらに気が付くとシッポをふりふり一目散(イメージ)。ワンコみたい(笑)。

オーストラリア・GBRのジャイアントポテトコッド(撮影:越智隆治)

ニラメッコしよ!

デイトリップでも行けるノーマンリーフへエントリー。
このポイントのアイドル・ナポレオン(メガネモチノウオ)のウォーリー君を探せ!と意気込むも3秒で登場!
探す必要もない。

サンゴの美しいエイジンコートリーフにエントリー。
ここは何も出ないのか…と油断していると、何やら気配を感じるので振り返ると、ヌッと登場するのはヤイトハタ。
砂地の上にちょこんと休憩したり、ニラメッコできたり。

オーストラリア・GBRのヤイトハタ(撮影:越智隆治)

まるでワンコみたい…

緊張感のない彼ら。もうちょっと魚として自覚を持ってはいかがと…。

GBRの魚たちはとてもフレンドリー。
要するにフィーディング(餌付け)ではあるが、やっぱり巨大魚にこれだけ近づけるのは単純に嬉しい。

フィーディングは量や方法で管理されているとのことだが、環境保護やダイビングに厳しいGBRのこうしたアンビバレントさもおもしろい。

魚と目と目が見つめ合う。
サメが目の前で狂喜乱舞。
GBRならではの、この魚との距離感。グレート!

自分撮りにチャレンジ!?

記念撮影の一番人気といえばナポレオンのウォーリー君。
一緒に写ったスナップ写真はダイバーにとても人気でよく売れるらしく「僕たちより稼ぐんだよ」とは現地スタッフ。

写真の越智カメラマン&ウォーリー君のように、うまくタイミングが合えば、自分撮りもできるかも!?

オーストラリア・GBRのナポレオンフィッシュと自分撮り(撮影:越智隆治)

It’s a Show Time!
シャーク・フィーディングショー

クルーズ船で、リボンリーフからひと晩かけていくオスプレイリーフで人気なのがシャークフィーディング。

円柱状の根を囲むようにドロップオフでダイバーたちがスタンバイすると、ボートからマグロの頭の入った鉄柵が降ろされ、It’s Show Time!

オーストラリア・GBRのサメ、シャークフィーディング(撮影:越智隆治)

鉄柵めがけてホワイトチップシャーク、グレイリーフシャーク、シルバーチップ、ときにはタイガーシャークの狂乱の宴が目の前で始まる。

2.世界遺産のグレートバリアリーフ
サンゴ・ビューティー

地球のダイナミズムを感じよう!

オーストラリア、GBRのサンゴ礁(撮影:越智隆治)

GBRのリーフエッジを潜るスタイル

グレートバリアリーフといえば、世界遺産にも指定されている、その名の通りのグレートなサンゴ礁のリーフ。

ケアンズのあるクイーンズランド州の沿岸一帯に広がるグレートバリアリーフは、長さ2,600キロ、総面積344,400平方km…と数字で言われてもピンとこない方には、“宇宙からも見える”、“生物が作り出した単一構造物では世界最大”といえばそのスケール感が伝わるだろうか。
俯瞰した視点で、地球のダイナミズムを感じてほしい。

オーストラリア、GBRのサンゴとデバスズメダイ(撮影:越智隆治)

「エイジンコートリーフ」の美しいサンゴとデバスズメダイ

“沿岸”といっても地球規模の話で、ケアンズを出港して1時間を沖にボートを走らせることになる。
ビーチに寝そべっていてもグレートなリーフ体験はできず、グレートバリアリーフを最も体感できるのはダイバーというわけだ。

グレートバリアリーフ全体で見れば、元気で美しいサンゴ礁はたくさんあるが、潜れるエリアは決まっている。
元気なサンゴは一部に集中しているので、自分だけのフォトジェニックなサンゴを探してみよう!

オーストラリア、GBRのサンゴ(撮影:越智隆治)

サンゴは形状がフォトジェニック

また、意外だったのはドロップオフに咲く、密度が濃く美しいソフトコーラル。
ハードコーラルのイメージがあったが、新たなGBRの顔を見たような気がした。

オーストラリア、GBRのソフトコーラル(撮影:越智隆治)

「オスプレイリーフ」のドロップオフには手つかずのソフトコーラルが咲き乱れている

神秘! 世界最大のサンゴの産卵

世界遺産のサンゴ礁。
その神秘の産卵が見られるのは、およそ10月の満月の後。
リーフ外では11~12月に見られることも。

夜になると、水中は白くもやがかかったようになり、卵と精子の入ったバンドルが水面に向かって一斉に放出。
神秘的な瞬間に立ち会えたダイバーはラッキーだ。

サンゴの産卵

3.サメとロウニンアジが眼前を行き交う!
衝撃の夜

ナイトダイビングの常識を覆す大物狙い!

オーストラリア、GBRの魚の群れ(撮影:越智隆治)

船の下に集結!

ビールの誘惑に負けて、ナイトダイビングはパス。
そんなまったりスタイルもありだけど、GBRでは絶対にもったいない!断言。

通常、ナイトダイビングというと小物探し、マクロ撮影というのが定番だが、GBRのナイトダイビングでは大物狙いも可能。

エントリーすると、ボートの発する光に集まったプランクトンを狙うロウニンアジやギンガメアジが渦を巻き、ポイントによってはサメが行き交う(ちょっと怖いけど大迫力)、他にはちょっとない光景だ。

オーストラリア、GBRのナイトダイビング(撮影:越智隆治)

特に、ブラックバックの中、ライトに浮かび上がるサメの姿はクール。

オーストラリア、GBRのナイトダイビングのサメ(撮影:越智隆治)

ロープを伝って潜降すると、闇夜にまぎれる忍者にように、編隊を組みながら水底を這う無数の影。ロウニンアジだ。

水底ですでに始まっているのは、圧巻の捕食ショー。
真っ黒で1m近い個体から、ギンガメアジくらいの若い個体まで、そこらじゅうを猛スピードで行き交い、急ブレーキをかけたかと思うと目の前でガシガシと音を立てて捕食を始める。

日中はなかなか寄らせてくれないが、食事に夢中のロウニンアジは手が届きそうなほど近い。

オーストラリア、GBRのナイトダイビングのロウニンアジ(撮影:越智隆治)

ナイトダイビング=“静かにマクロ探し”というイメージを覆す、エキサイティングな夜。
こんなナイトダイビング初めてだ。

ライトをたくさん持って潜るわけ

大物狙いのナイトダイビング。「マニュアルフォーカスギアがないんだよな…」と越智カメラマンが言うように、オートフォーカスだとなかなか被写体にピントが合いません。
猛スピードで動く回遊魚だとなおさら。
結果、助手はライトをいっぱい持ってこんなスタイルに…。

ナイトダイビングのライト(撮影:越智隆治)

4.カラフルなスピードスターが集結
群れ、群れ、群れ!

群れに包まれる幸せのダイバー時間

オーストラリア、GBRの魚の群れ(撮影:越智隆治)

GBRの海はにぎやかだ。

光合成をすることによって栄養分を生みだす浅瀬のサンゴの周りには、小魚たちがいっぱい。
フワッとサンゴに寄り添うように群れ、ダイバーが近づくとさっとサンゴの中に身を隠す。
食事も住処もサンゴが与えてくれる。

根の周辺にも魚たちは群れを成し、壁、あるいは川のようにうねっている。
さらにその周囲を回遊魚と呼ばれるスピードスターがビュンビュン行き交う。

オーストラリア、GBRの魚の群れ(撮影:越智隆治) オーストラリア、GBRの魚の群れ(撮影:越智隆治)

大海原で所在無さそうにしていた回遊魚はボートを見つけると船底にいつも群れ、ボミー(別記参照)ではカラフルな魚が大爆発。

魚群のカオスに酔うのもGBRスタイル。

オーストラリア、GBRの魚の群れ(撮影:越智隆治)

ボミーを狙え!

“ボミー”と呼ばれる、とんがりコーンのような形をした根を潜るのもGBRスタイル。魚が寄り添うまさにオアシスで、潮当たりのよい場所ではハナダイが大爆発! 頂上付近にはサンゴもあって、華やかな雰囲気。根を回るだけなので、ナビも簡単でバディ潜水にもオススメだ

オーストラリア、GBRの魚の群れ(撮影:越智隆治)

5.固有種がおもしろい!
カラフル・フィッシュ

コーラルシーとバリアリーフの固有種たち

イエローデビルフィッシュ(撮影:越智隆治) ブルーデビルフィッシュ(撮影:越智隆治)

バディ潜水が盛んなGBRでは、じっくり固有種(そのエリアでしか見られない種)探しもおもしろい。
世界中の海を潜る越智カメラマンだが、グレートバリアリートとその外洋のコーラルシーに15年ぶりに潜り、すっかり固有種の虜になってしまったよう。
それだけ、他では見られない珍しい魚が多いのだろう。

レモンスズメダイ(撮影:越智隆治) イエローフィンダムゼル(撮影:越智隆治)

図鑑と写真を見比べて、GBRやコーラルシーの固有種だとわかると、宝探しで宝を見つけたように嬉しい。
また、「フィリピンで見たことがあるけど、体色が微妙に違う。地域差かな」と他の海の個体と見比べたり、普段見られない魚が多いGBRでは、いつも以上にフィッシュトークに花が咲く。

○越智カメラマンの気になる魚たち(記事後半部)
バディ潜水とガイド付きダイビングを使い分けられるグレートバリアリーフ | オーシャナ

夫婦で子育てする珍しい海水魚

とても珍しい生態を観察できるのが、スズメダイの仲間、スパイニークロミス。
何が珍しいかといえば、夫婦で子育てをする魚。

孵化するまで卵を守る魚は結構いるが、孵化した幼魚が他の魚たちに食べられないように、親が守る海水魚は希。
GBRで潜ったら、スパイニークロミスの親子愛は必見!

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