地味でも美しい、グレートバリアリーフの小さな魚たち
決して魚に詳しいわけではないのだけど、取材を通して、魚に詳しいガイドと何度も潜っているうちに、どのエリアにどんな魚がいて、どんな魚が珍しいのかを何とな~く、感覚と経験から見極められるようになっているようだ。
これは、多くの海を潜る水中カメラマンだからこそ身に付いたものだと思う。
今回、SPIRIT OF FREEDOM号に乗船して、15年振りにグレートバリアリーフ(GBR)と、そして、初となるコーラル・シー(CORAL SEA)を潜った。
ガイドが付かず、寺山編集長とのバディダイブ。
船上ブリーフィングで地形やカレント、見れる魚などは聞かされるものの、普段の取材のように、その海に精通したガイドの人に魚を探してもらうのではなくて、被写体は、自分たちで見つけるスタイル。
「基本はワイドで撮影して欲しい」というリクエストだったので、あまりマクロに時間をかけることができなかったのだけど、今回、他では多分見た事の無い、気になった魚たちをなどを撮影してみた。
それが、以下に挙げる数種。
まず最初の魚は、ドロップオフやサンゴの窪みなど、暗い場所で上下逆さまになって泳いでいた、タナバタウオの一種。
英名、イエローデビルフィッシュ(学名:Assessor flavissimus)。
沖縄では、同じような場所で、体色は違うけど、ツバメタナバタウオ(学名:Assessor randalli)という似たような魚はよく見かける。
図鑑によると、棲息域は、グレートバリアリーフ北部からパプアニューギニア南西部となっている。
黄色い体色が美しくて、窪みの暗がりにいても、目立つ存在だ。
そいつと一緒に泳いでいる同じタナバタウオの一種、ブルーデビルフィッシュ(学名:Assessor macneilli)。
最初は、ツバメタナバタウオかと思っていたが、図鑑で調べてみたところ、グレートバリアリーフ、コーラルシー、ニューカレドニアに棲息する別種だった。
こちらは、ツバメタナバタウオ同様、濃紺の体色なので、ライトの光を当てても、全体的に暗くて、撮影には苦労した。
スズメダイでも2種程。
まずは、レモンスズメダイ(学名:Chrysiptera rex)と思われる種。
地域差か体色が微妙に違うけど、図鑑の写真は、顔の部分だけ青く、体側はもっと薄いピンクっぽい。
フィリピンで見るレモンと、沖縄で見るレモンの色彩も少し違うので、まあ地域差なのだろうと思うけど。
個人的に好きなスズメダイの一種なので、ちょっと気になったので、撮影してみた。
もし、違う種では?というご意見があるのであれば、ご指摘ください。
次は、最初、セナキルリスズメ(学名:Chrysiptera starcki)のGBRバージョンか?と思いながら撮影した種。
水深15m付近に多く目撃された。
図鑑では、イエローフィンダムゼル(学名:Chrysiptera flavipinnis)という英名のスズメダイらしい。
生息域は、パプアニューギニア南西部、グレートバリアリーフ、コーラルシー、ヴァヌアツとなっている。
カエルウオ系でも、「他で見た事ないかな~」と撮影したのが,以下の2種。
まずは、オーストラリアブレニー(学名:Ecsenius australianus)。
棲息域は、パプアニューギニア南西部、グレートバリアリーフ北部、コーラルシーとなっている。
あまり頻繁には見かけなかったけど、撮影しておいて良かった。
もう一種は、図鑑の写真が鮮明でないので、ちょっとはっきりしないけど、多分グレートバリアリーフブレニー(学名:Ecsenius stictus)。
こちらの棲息域は、グレートバリアリーフのみとなっている。
あるいは、スポークアイブレニー(Ecsenius schroederi)。
こちらの生息域は、オーストラリアのニューサウスウエールズ州の外洋、マルケサス諸島、インドネシア東部となっている。
このカエルウオに関しては、図鑑などの写真では、確実に確認できないので、もう少し調べる必要がある。
最後は、個人的に一番撮影するのが好きなべラ。
おそらく、ドッティドラス(学名:Cirrhilabrus punctatus)。図鑑だと、尾びれの模様が違う感じもするのだけど・・・。
コッドホールの水深15m付近で、群れていた。
生息域は、パプアニューギニア、東オーストラリアからトンガとなっている。
参考にした図鑑は、「REEF FISH identification TROPICAL PACIFIC」それに、FishBase。
もちろん、図鑑に示された棲息域以外でも、目撃されている可能性もあるし、鮮明で無い写真との比較なので、間違っている可能性もあるのだけど、たま~にマクロを持って撮影していて、気になったお魚を列記してみました。
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