オーストラリア・グレートバリアリーフでダイビング!(第15回)

バディ潜水とガイド付きダイビングを使い分けられるグレートバリアリーフ

イースタンクラウンアネモネフィッシュ(撮影:越智隆治)

グレートバリアリーフの洋上なう、です。

ディープシーダイバーズデン(以下、DSDD)の宿泊船のウリは、気ままにバディ潜水。

バディ潜水しやすいポイントばかりなので、エントリー前にコンパスでリーフと船の方向を確認しておけば、アンカーロープと地形のナチュラルナビゲーションで問題なく楽しめます。

ディープシーダイバーズデンのブリーフィング(撮影:越智隆治)

わかりやすい地形なのでナビがしやすく、迷ったら浮上して確認すれば問題ない

 

探検気分で出会いを楽しむダイビングもいいですが、バディ潜水のよいところはテーマを追求したり、じっくり撮影できること。

クマノミ5種類見れるかな♪

「寺山君、なに撮ろっか?」と越智カメラマンに聞かれたので、「本場のニモが見たいです」とリクエスト。
すると、ガイドのマサさんが「せっかくだったら、GBRで見られる5種全部撮影してみてください」

ということで、ブリーフィングで「ロープを降りると水深○mにオオシャコガイがいるので、その左上の……」とそれぞれのクマノミが見られる場所を聞いてエントリー。

(※以下、英名)

1.スパインチークアネモネフィッシュ

スパインチークアネモネフィッシュ(撮影:越智隆治)

2.ピンクアネモネフィッシュ

ピンクアネモネフィッシュ(撮影:越智隆治)

すぐに2種ゲット。宝探しみたいでおもしろい。
“自分で魚を探したい”。
これ、意外と多いダイバーさんの願望ですが、バディ潜水なら心行くまで魚探しを楽しめます。

3.イースタンクラウンアネモネフィッシュ

イースタンクラウンアネモネフィッシュ(撮影:越智隆治)

4.バリアリーフアネモネフィッシュ

バリアリーフアネモネフィッシュ(撮影:越智隆治)

4種までは順調に探せたものの、結局レッドアンドブラックアネモネフィッシュが見つからず……。

どうしても見たいので、次のダイビングではマサさんにガイドについてもらい、速攻で5種コンプリート!

5.レットアンドブラックアネモネフィッシュ

レットアンドブラックアネモネフィッシュ(撮影:越智隆治)

DSDDでは、10年目のマサさんのような、生物に詳しくポイントを熟知している日本人ガイドが数人いるので、バディ潜水の時はダイブマスターとしてブリーフィングでじっくり情報を教えてくれ、もっとつっこんだ撮影をしたいときはガイドとして水中をエスコートしてくれます。

バディ潜水の方がリーズナブルですが、ときにガイド付きダイビングをしてみると違った世界が見えてくるのでおススメです。

DSDD10年目のMASAこと野村正人さん(撮影:越智隆治)

DSDD10年目でGBRの魚に詳しいいMASAこと野村正人さん

マクロに開眼⁉ 越智カメラマンの気になる魚たち

15年ぶりにGBRを潜る越智カメラマンが、積極的に小さな魚たちも撮影しているのは記事で紹介した通り。
地味でも美しい、グレートバリアリーフの小さな魚たち | オーシャナ

その後も、いろいろなマクロ生物を撮影するうちにドティーバック(メギス)が気になり始めた様子で、「ダスキーとかロイヤルもきれいだけど、他でも見るから、GBRならではのドティーバックを見たいな」。

ダスキードティーバック

ダスキードティーバック(撮影:越智隆治)

ロイヤルドティーバック

ロイヤルドティーバック(撮影:越智隆治)

すると、マサさんが図鑑で見られる可能性のあるドティーバックを紹介していると、越智カメラマンの目がキラーン。

「これ撮りたい」と指さしたのは、GBRの固有種らしきセイルフィンドティーバック。
「あまり数が多くないですが、明日探してみましょう」とマサさん。

日も暮れ始めたころ、聞きたいことがありマサさんを探すと「マサはダイビング中だよ」とスタッフ。
聞けば、セイルフィンドティーバックを探しに調査ダイビングをしてくれていたのでした。

翌日、「1個体だけいました」という根の場所を聞いて探してみると、いました、セイルフィンドティーバック!

セイルフィンドティーバック(Ogilbyina velifera)

セイルフィンドティーバック(撮影:越智隆治)

SAILFIN DOTTYBACK。「REEF FISH」によれば、グレートバリアリーフの固有種

こうした、マクロ撮影やマニアックなリクエストにも対応してくれるガイドさんがいると心強いですね。

さらに、燃えたマサさんと越智カメラマンは、やはり固有種のイエローテイルドティーバックや美しいオブリックラインドティーバックを見つけて萌えていました(笑)。

イエローテイルドティーバック(Pseudochromis flammicauda)

イエローテイルドティーバック(撮影:越智隆治)

YELLOWTAIL DOTTYBACK「REEF FISH」によればグレートバリアリーフの固有種

オブリックラインドドティーバック(Cypho purpurascens)

オブリックラインドドティーバック(撮影:越智隆治)

OBLIQUE-LINED DOTTYBACK「REEF FISH」によると、生息域はパプアニューギニアからグレートバリアリーフ、コーラルシー、バヌアツまで

「バディ潜水をやってみたかった」「自由に潜りたい」「メギスだけ撮りたい」などなど、目的に合わせて、バディ潜水とガイド付きダイビングを上手にセレクトして自分スタイルで楽しむ。

ひとつのダイビングの理想形です。

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writer
PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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