エクストリーム・スキル(第1回)

ホリゾンタル・トリム ~最も効率よく“泳ぐ”ことができる “水平姿勢”~

この記事は約3分で読めます。

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最も効率よく進めて、
ピタッと止まれる水中姿勢

水中で最も効率よく“泳ぐ”ことを追求した基本姿勢が、ホリゾンタル・トリム(Horizontal trim=水平姿勢)だ。

進行方向に対して最も面積が小さく、抵抗を少なくする流線形(ストリームライン)を保つことが可能。
また、体勢を変えることなく、そのまま水中でピタッと止まることもできる。

手順とチェックポイント

■デモンストレーション動画

ウエイト・バランスが命!
自分スタイルのコンフィグレーション

水平姿勢を保つためは、装備の構成(コンフィグレーション)が重要。
個人に合わせた、ウエイト・バランスとフィッティングの調整が必要となる。

BCはバックマウントタイプが基本で、サイズはもちろん、ベルト類を調整してフィッティング。

そして、水中でピタッと水平を保てるよう、ウエイトの位置はもちろん、フィンなどの各装備の重さを調整してウエイト・バランスを調整する。

水中でウエイトバランスを確認し、バランスが悪ければ微調整する。レジャーダイビングではここまでバランスにこだわることがないので手間にも思えるが、逆に、一度自分に合わせたバランスを調整しておくと、その後の水中活動が快適になる

水中でウエイトバランスを確認し、バランスが悪ければ微調整する。レジャーダイビングではここまでバランスにこだわることがないので手間にも思えるが、逆に、一度自分に合わせたバランスを調整しておくと、その後の水中活動が快適になる

基本となる水平姿勢のイメージは、
“肩甲骨をひきつけて、手を前に”

水中で最も効率よく泳ぐには、進行方向から受ける水の抵抗を「最も小さい範囲にできる」水平姿勢が基本だが、正確には完全なフラットより、やや体を起こした姿勢がオススメだ。

ホリゾンタルトリムの基本姿勢

ホリゾンタルトリムの基本姿勢

水平姿勢での体勢は、陸上で考えると空を見上げているようなもの。完全なフラットな体勢だと、首が窮屈になり、「進行方向上方の視界が狭い(首の可動域が限界)」、「体の関節を効率よく動かせない」などのデメリットがある。

また、フィンを引き上げた際、かかとの部分が抵抗になってブレーキの役割を果たしてしまうのだ。

やや体を起こした方が無理なく行動ができ、抵抗を受ける範囲もさほど変わらないだろう。
関節も無理なく使えて流線形の動きもしやすい。

上/フラット姿勢 下/オススメの姿勢

上/フラット姿勢 下/オススメの姿勢

姿勢をあまり意識することのないレジャーダイビングでは、ダイバーたちは“猫背”の場合が多く、ホリゾンタルトリムをとるには、力を入れるポイントを意識する必要がある。

「手を前に伸ばして、肩甲骨を引きつける」イメージで、トライしてみよう!

【パメラ・初体験レポート】
目からウロコMEMO

■自分流のフィット感

「自分流にカスタマイズするだけで、フィット感が全然違いますね! ピタッと固定されている感じです」

快適な水中活動の基本は、器材を“セッティング”するのではなく、自分に合わせた“コンフィグレーション(構成)”。

ベルトの長さや位置を細かく調整したり、股がけをするなど、個人に合わせたフィッティングは、機能も快適さもアップする。

自分の筋力やフィット感に合わせたクラブでするゴルフとレンタルクラブとではまったく結果が異なるのと同じだろう。

バックルの位置やベルトの長さも個人の体型に合わせて調整する

バックルの位置やベルトの長さも個人の体型に合わせて調整する

■クールなファッション性

「テックダイビングの装備はスタイリッシュ。男性的ってイメージがあったけど、女性ダイバーも可愛いだけじゃなく、こういうクールなテイストもいいですね」

無駄を省く装備は、機能美が生む。可愛いだけではなく、クールに潜りたい女性ダイバーもいるはず

無駄を省く装備は、機能美が生む。可愛いだけではなく、クールに潜りたい女性ダイバーもいるはず

■力を入れるポイントを意識する

「水平姿勢をここまで意識して潜ったことがなかったので、最初はバランスをとるのにてこずったけど、力を入れるポイントを意識したら、感覚がつかめるようになりました!」

水平姿勢は、シーソーのごとく、前後のバランスが大事。ウエイトの位置やフィンの重さなどを調整するだけで、水平が取りやすくなる

水平姿勢は、シーソーのごとく、前後のバランスが大事。ウエイトの位置やフィンの重さなどを調整するだけで、水平が取りやすくなる

レジャーダイビングは意識しない姿勢だが、一度、理想フォームをイメージし、力をいれるポイントがわかるとできるようになる

レジャーダイビングは意識しない姿勢だが、一度、理想フォームをイメージし、力をいれるポイントがわかるとできるようになる

■泳ぐと感じる、水平姿勢のメリット

「ピタッと止まろうと思うとまだ難しいですが、この姿勢で泳ぐとすごく進む感じがします! 加藤さんのように、水平姿勢のまま休憩できるようになりたいな」

■はじめてのホリゾンタル・トリム

★エクストリーム・スキル体験をしたいダイバーはこちから

(構成・文/寺山英樹)

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