ホリゾンタル・トリム ~最も効率よく“泳ぐ”ことができる “水平姿勢”~
最も効率よく進めて、
ピタッと止まれる水中姿勢
水中で最も効率よく“泳ぐ”ことを追求した基本姿勢が、ホリゾンタル・トリム(Horizontal trim=水平姿勢)だ。
進行方向に対して最も面積が小さく、抵抗を少なくする流線形(ストリームライン)を保つことが可能。
また、体勢を変えることなく、そのまま水中でピタッと止まることもできる。
手順とチェックポイント
■デモンストレーション動画
ウエイト・バランスが命!
自分スタイルのコンフィグレーション
水平姿勢を保つためは、装備の構成(コンフィグレーション)が重要。
個人に合わせた、ウエイト・バランスとフィッティングの調整が必要となる。
BCはバックマウントタイプが基本で、サイズはもちろん、ベルト類を調整してフィッティング。
そして、水中でピタッと水平を保てるよう、ウエイトの位置はもちろん、フィンなどの各装備の重さを調整してウエイト・バランスを調整する。
基本となる水平姿勢のイメージは、
“肩甲骨をひきつけて、手を前に”
水中で最も効率よく泳ぐには、進行方向から受ける水の抵抗を「最も小さい範囲にできる」水平姿勢が基本だが、正確には完全なフラットより、やや体を起こした姿勢がオススメだ。
水平姿勢での体勢は、陸上で考えると空を見上げているようなもの。完全なフラットな体勢だと、首が窮屈になり、「進行方向上方の視界が狭い(首の可動域が限界)」、「体の関節を効率よく動かせない」などのデメリットがある。
また、フィンを引き上げた際、かかとの部分が抵抗になってブレーキの役割を果たしてしまうのだ。
やや体を起こした方が無理なく行動ができ、抵抗を受ける範囲もさほど変わらないだろう。
関節も無理なく使えて流線形の動きもしやすい。
姿勢をあまり意識することのないレジャーダイビングでは、ダイバーたちは“猫背”の場合が多く、ホリゾンタルトリムをとるには、力を入れるポイントを意識する必要がある。
「手を前に伸ばして、肩甲骨を引きつける」イメージで、トライしてみよう!
【パメラ・初体験レポート】
目からウロコMEMO
■自分流のフィット感
「自分流にカスタマイズするだけで、フィット感が全然違いますね! ピタッと固定されている感じです」
快適な水中活動の基本は、器材を“セッティング”するのではなく、自分に合わせた“コンフィグレーション(構成)”。
ベルトの長さや位置を細かく調整したり、股がけをするなど、個人に合わせたフィッティングは、機能も快適さもアップする。
自分の筋力やフィット感に合わせたクラブでするゴルフとレンタルクラブとではまったく結果が異なるのと同じだろう。
■クールなファッション性
「テックダイビングの装備はスタイリッシュ。男性的ってイメージがあったけど、女性ダイバーも可愛いだけじゃなく、こういうクールなテイストもいいですね」
■力を入れるポイントを意識する
「水平姿勢をここまで意識して潜ったことがなかったので、最初はバランスをとるのにてこずったけど、力を入れるポイントを意識したら、感覚がつかめるようになりました!」
■泳ぐと感じる、水平姿勢のメリット
「ピタッと止まろうと思うとまだ難しいですが、この姿勢で泳ぐとすごく進む感じがします! 加藤さんのように、水平姿勢のまま休憩できるようになりたいな」
■はじめてのホリゾンタル・トリム
★エクストリーム・スキル体験をしたいダイバーはこちから
(構成・文/寺山英樹)
エクストリーム・スキル(連載トップページへ)
- ホリゾンタル・トリム ~最も効率よく“泳ぐ”ことができる “水平姿勢”~
- フロッグ・キック ~最も効率よく“泳ぐ”ことができる “フィンキック”~
- バックワーズ・キック ~後ろに進むフィンキック~
- スキルアップしたいダイバーにオススメ! イントロテックダイバーコース
- ヘリコプターターン ~水中で180度の方向転換できるフィンキック~