フロッグ・キック ~最も効率よく“泳ぐ”ことができる “フィンキック”~
最も効率よく推進力を得られる
基本のフィンキック
水中で最も効率よく“泳ぐ”ことを追求した基本フィンキックが“フロッグ・キック(FROG KICK)”。
バタ足(フラッター)と比較して、空気消費が抑えられ、シリンダー(タンク)内のガスの節約はもちろん、ガスが身体に取り込まれる量も少なくなるので、減圧症やガス中毒の予防にもなる。
レジャーダイビングでも活かせるフィンキックだが、水中の基本姿勢“ホリゾンタル・トリム(Horizontal trim=水平姿勢)”と両輪。
ボートとオールのような関係で、いくら良いオールを使ってもボートが安定していないと進まないのと同じで、基本となる水中姿勢とキックを同時にマスターすると相乗効果が生まれる。
水中で疲れない!?
トリムとキックの相乗効果を活かすコツ
フロッグキックは、いわば、このホリゾンタル・トリムを維持したままできるフィンキック。
進行方向に対して最も面積が小さい範囲でキックし、抵抗が少ない流線形(ストリームライン)を維持して、効率よく推進力を得るためのキックなのだ。
基本姿勢、フィンキック直前、フィンキック直後のポジションを意識してトライしてみよう。
- 基本姿勢からキックまでの一連の流れを最小範囲内で行う
- フィンキック直前に抵抗が生まれるので、素早くキックする
- フィンキック後は、流線形を活かして惰性で進む
手順とチェックポイント
■デモンストレーション動画
1.開脚しながらフィンをスライド
ヒザを肩幅まで開きつつ、フィンの面を水平のままスライドさせる。
結果として、フィンを引き上げることになるが、引き上げ動作は意識せず、膝から下だけを使ったフィンキックのつもりでトライ。
「ヒザを肩幅まで開きつつ、フィンを“横に切る”」イメージだ
2.フィンを返して、面で水を押す
足首を使ってフィンを返し、フィンの面を後方へ向けると同時にキック。
フィンの面はブレーキングの役目も果たすので、足首を返してからキックまでの一連の流れは、ほぼ同時に行う。
キックは、蹴るというより、屈伸運動を利用して「フィンの面で水を押し出す」イメージ。
また、キックした後は、フィンが開かないこと意識しよう(開くと抵抗になるので)。
【一連の流れを横から】
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【パメラ・初体験レポート】
目からウロコMEMO
■陸上で練習したらできるようになった!(かも)
「膝から下のキックがイメージできなくて、モモや股関節を使った大きなキックになってしまうことを指摘されました。連動するように、全身が動いてしまったりも。やっぱり普段のキックの癖がでちゃってすぐには直せなかったけど、加藤さんにプールサイドで足を動きを教えてもらったら、イメージできるようになりました!」
水平姿勢が基本のフロッグキックでは、陸で寝そべりながら練習ができるのがメリット。
ここで足の動きを覚えると上達も早い。
■“水を押し出す”感覚が大事
「プールサイドの練習で大事だなと思ったのが、フィンの面を使って水を押し出すイメージ。加藤さんが、足の裏を押してくれて、なるほど、フィンにこうやって力を伝えればいいんだとわかりました」
■泳ぐことが楽しくなる!
「水平姿勢とキックがうまくいったときは、水中で“バビューン”と進む感覚がある。まだまだ完全にはできないけど、楽しい!」
トレッキングやランニング、ウォーキングは、コツをつかむと疲れにくく爽快で、それ自体が手軽に景観を楽しめるフィットネスとなる。
同じように、ホリゾンタルトリムとフロッグキックをマスターすると、水中を最も効率よく泳ぐことができるので、魚を見なくて、写真を撮らなくても、それ自体が楽しくなるなんて声は実際に多いのだ。
■はじめてのフロッグキック
★エクストリーム・スキル体験をしたいダイバーはこちから
(構成・文/寺山英樹)
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- ホリゾンタル・トリム ~最も効率よく“泳ぐ”ことができる “水平姿勢”~
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