H.I.S.が独自に打ち出した安全クオリティー~80項目を超えるチェックリストの中身とは?~

この記事は約3分で読めます。

2012年、H.I.S.は、その主催するダイビングツアーに対して、独自の品質管理基準を作りました。
安全や快適に関わる80を超えるチェック項目を設定し、提携ダイビングサービスと共により安全に楽しく潜ってもらおうとする画期的な試みです。

H.I.S.ダイビングツアーウェブマガジン

なぜ、そうした基準を作ることになったのか、作らねばならなかったかについては、こちらをご覧ください。

オーシャナも協力させていただき作った80の項目の内容を抜粋してご紹介します。

■ダイビングセンター
・団体、資格、更新の確認
・体験ダイビング、ファンダイビングを担当するイントラ、ガイドの資格

■設備、器材、ボート
・呼吸ガスの純度検査
・タンクの耐圧、視認検査
・レンタル器材のオーバーホール
・ダイブコンピュータのレンタル
・ゲージの残圧・水深計
・オクトパスの完備

■安全対策
・緊急連絡設備
・酸素
・救急キット

■ボートスタッフ
・見張り専任スタッフ
・CPRトレーニング

■カスタマー適性
・カードとログブック
・健康フォーム
・体調の申告
・チェックダイビング

■環境の難易度
・環境による技量チェック
・環境に応じたブリーフィング、参加者の制限

■ブリーフィング
・ツアー全体、1日の流れ
・ボートの使い方、注意点、緊急手順、リスクの提示
・ダイバー本人による、残圧、水深、時間の管理の確認、注意喚起
・ダイバー本人による、減圧不要時間の管理の確認、注意喚起
・ダイバー本人による、器材チェックの確認、注意喚起
・離反時の手順の確認

■保険
・傷害保険
・賠償責任保険
・ダイビングボートの保険

■ダイビングのオペレーションと緊急時
・緊急時の対応プランと対応チーム
・医療施設への搬送プラン

■ガイドとダイバーの比率
・ガイド一人につき4人まで

以上のようなチェック項目が果たされるために、さらに以下のような書類の提出が求められています。

・ガイドの名簿(名前、資格、そのエリアでのガイド歴)
・オーバーホールの日付と業者名
・ゲストに渡している書面
・事故時の補償がわかるもの
・緊急時の対応プラン
など

H.I.S.が作成した基準は、全体としてかなり厳しく見えますが、ダイビングのサービス提供の安全と現在の訴訟社会の現状を考えれば、現実的なチェックポイントかもしれません。

こうしたチェック項目が作られ、公開されることにより、チェック機能が働くことになります。
また、こうした基準の順守を表明したダイビングサービスを応援することによって、より事故なく、安心して快適に潜れる環境が整い、広がっていくのでしょう。

\メルマガ会員募集中/

週に2回、今読んで欲しいオーシャナの記事をピックアップしてお届けします♪
メールアドレスを入力して簡単登録はこちらから↓↓

writer
PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
  • facebook
  • twitter
FOLLOW