マリンダイビングフェア2020に行ってきた!気になる感染症対策は?総レポート
先日、国内最大級のダイビングフェアと名高い「マリンダイビングフェア」に行ってきた。今年はコロナの影響で、世の中が少々閉塞感漂う中でのフェア開催となっていた。どんなブースが出展されていたか?感染症対策としてどんな工夫がされていたのか?例年との違いは?かいつまみながらで恐縮だが、ブースをひと通り回ってみた感想も含めてレポートする。
マリンダイビングフェアとは?
マリンダイビングフェアとは、ダイバーの間でよく知られた雑誌「マリンダイビング」を発刊している株式会社水中造形センターが、毎年、池袋サンシャインシティで開催しているダイビングフェアのこと。
国内外のダイビングショップやスクール、リゾート、器材メーカー、観光局、PADIをはじめとした指導団体など、ダイビングに関わる様々な事業者がこのフェアで沢山のブースを出展。ダイビングに関する様々な情報を得られるということから、多くの来場者が集まるフェアである。
マリンダイビングフェア2020開催の経緯
毎年4月に開催されているこのマリンダイビングフェアだが、今年の4月と言えば、コロナの大騒ぎ真っ只中。緊急事態宣言が発令されて外出自粛ムード一色になっていく中、3月7日の段階で4月開催から、7月に延期された。
その後緊急事態宣言は解除されたものの、大きく人を集めるイベントは開催しにくいという雰囲気の中、8月21日(金)〜23日(日)に再延期する形で開催が決定。政府が作成した方針に従いつつ、感染症対策をしっかり行う中で開催する流れとなった。この渦中でフェアで参加するか否かは、ダイバーさんの間でも賛否両論分かれるところであったと思う。
今回のフェアでは事前登録制が採用され、マリンダイビングの公式サイトより事前登録を行うことで参加者数が管理され、表示されるこの画面のスクリーンショットを当日の受付に持っていく形となっていた。
会場の様子
少しドキドキしつつ、マリンダイビングフェアの会場に向かう。どんなブースがあったか、感染症対策のためにスタッフの皆さんがどの様な努力をされていたのか、かいつまみながらだが順次ご紹介しようと思う。
会場入口
会場に到着し、入口に並んだ時点で「お、気合入ってるな〜」という印象を受けた。まず検温を行い、パスをもらう時はアルコール消毒。受付の間はぎゅう詰めにならないよう、お客さん同士が距離をとるように配置されていた。
更には対応するスタッフとお客さんの間をビニールシートで分けるなど、受付エリアが密にならないためのあらゆる工夫が為されていた。スタッフもフェイスシールドでガッツリ防御。
会場全体
通年だと2階層のフロアを駆使して開催されるマリンダイビングフェア。今年はブースがいつもより少ないこともあり、ワンフロアを広く使った会場づくりとなっていた。1日目の開会式の時は結構混んでいたようなのだが、お昼時のこのタイミングだとちょうど良いくらいの人の入り具合。
真っ先に思ったのが「広いっ。気持ち良いっ。」ということ。
ソーシャルディスタンスを意識してこれまでより通路が広く取られていることも勿論あるのだが、何より密になることを避けてビラ配りがほぼ無くなっていることで印象が随分変わっていた。
正直に言ってしまうと、大学の新歓シーズンかとも思うあのビラ配り攻勢と比べて、この形式の方が気持ち良く、好きな時に好きなブースを気兼ねなく回れる印象を持った。フロアを回っていて気が付いたら両手がビラでパンパンだった、なんて事態にもならないので尚更である。
国内ダイビングショップ
今回出展していた国内ダイビングショップは、スクールも含めて9店舗。場所としては東京都内のスクール、千葉各所の都市型スクールや現地ショップ、岩手県大船渡市や西伊豆の田子、沖縄県那覇市にある2ショップ、といったところ。
正直に言うと、当然と言えば当然なのだが、例年と比べて少ないという印象が強かった。渡航しにくいこの時期に加えてダイビング業界としては一番忙しい時期だから致し方ないのだが、この時期だからこそ色んなエリアのショップの話を直接聞きたいな、という思いはあった。
報道だけでは現地の実状は分からないし、例えば沖縄にしてもダイビングしに行くのは控えた方がいいのか、むしろ行った方が良いのか、現地の温度感が分からないところがある。そうした話をこの場で聞けるのは貴重で、だからこそ色んなエリアから出展して欲しかったという希望を抱いた。
ちなみに出展されてたダイビングショップの皆さんは、ここ最近の営業の様子や、感染症対策として気を付けていること(ボート内での距離感、送迎など)についても丁寧に説明されていた。こうした話が聞けるのは本当にありがたい。
海外ダイビングショップ&政府観光局
一方の海外エリア。当然、航行しにくい現状では現地のスタッフ出展することは出来ない中、一部日本に拠点がある観光局やダイビングショップが参加していたり、工夫をして現地スタッフが参加しているブースがあった。
ブースにはビニールカーテンが敷かれ、訪れた人とスタッフの間である程度の距離が敷かれるようになっていた。
エリアも広くとり、比較的立派なタイ政府観光庁のブース。タイの観光地やお勧めダイビングポイントなど、スタッフの説明がなくてもゆっくりチェックできるような形になっていた。広めにとってあるので見に来た方同士での距離感も保てる。
一方、フィリピンのブースではズラッとタブレットが並んでいたので、なぜ?と思ったら、現地のダイブリゾートのスタッフに直接Zoomで質問したりやり取りが出来るとのこと!
例えばフィリピンのお勧めのダイビングポイント、ツアーのスケジュール感や価格帯、現状のコロナに対する状況、いつ日本から行けそうか?など、ざっくばらんに聞くことが出来た(英語での会話になるが、厳しければ通訳も付けてくれたそう)。後日連絡先を交換し、ツアーの詳細などの資料を送ってくれた。
この形式は非常に良いな、と思った。先程の国内にしてもそうだが、今だからこそ聞きたい現地の状況というものはあるし、それを現地で実際に働いているスタッフの方に聞けたら万々歳だ。その形式はオンラインであれオフラインであれ聞けさえすれば良いという点なので、スマートだと感じた。
ダイビング器材・カメラ機材
続いてはダイビング関連器材やカメラ機材のメーカー。
ダイビング関連器材ではGARMINのダイコンやZeagleのBCDを販売しているFLコーポレーションさん、カメラ機材では一眼のハウジングやレンズなどのギアで有名なフィッシュアイさん、また水中スクーターやドローンを販売しているSEKIDOさんが出展されていた。
こちらもご時勢もあり、軽器材や重器材、スーツなどの「これぞダイビング器材!」という器材のメーカーがほとんど不在という面はあったものの、やはり、新しいギアというのは気分が上がる。今まで無かった新しいギアはダイビングの新しい可能性を示すようなものなので、こちらとしても気分がウキウキしてくる。
その他ダイビング関連
ダイビングに関して集めたい情報って、基本的には先述した国内外のダイビングエリア、ダイビング器材などがメインとなる。が、それ以外にも、知っておくとダイビングライフがもっと楽しめる!というものがまだまだある。
例えばこちら。フィンアーティストゆりえさんのブース。
その名の通り、フィンにイルカやウミガメなどのアートをカラフルに施してくれるアーティストさん。作品は非常にカラフルでスタイリッシュ。あなたのフィンも世界に1つだけのオリジナルデザインになるかも!?
他にもマスクストラップカバーや器材に使えるデコプリシートなどを取り扱ってるSeaCanaryさんのブースや、オーバーホールの相談を受け付けているブースが幾つかあった。
番外編としては船舶免許。1級・2級の小型船舶免許の講習が通常より割安で受講できるブースがあった。僕が訪れた日はどうやら人気があったようで、午前中だけでなかなかの予約申し込みを受けられていたよう。ダイビングフェアなこのエリアで船舶免許??と思ったりもしたが、考えてみたら相性は良いのかもしれない。
ステージイベント
マリンダイビングフェアで恒例のステージプログラム。オープニングセレモニーに始まり、水中写真家さんによるフォトセミナーから、「マリンダイビング」が主催する地球の海フォトコンテストの授賞式など、様々な講演・イベントが開催されていた。
やはりここでも、これまでの会場と比べると、広くエリアを取ってパイプ椅子同士の間隔をあけ、参加している人同士の距離感が保たれるような設置となっていた。
そしてステージイベントの1コマが終わる度に椅子の消毒作業を行うなど、ここでも感染症対策を徹底する努力を垣間見ることが出来た。
写真展
マリンダイビングフェアのメインの1つでもある、「地球の海フォトコンテスト」の写真展。様々な部門から、水中写真を中心により優れた写真が表彰されていた。
例年から写真展は全体的に広いエリアが割り当てられていたが、今年は更に縦に並べる写真を少なくして、横いっぱいにエリアを使って写真が展示されていた。これなら、周りとの距離をあまり気にせず写真を楽しめる。
相変わらずではあるが、マクロからワイドの写真含め、グランプリを受賞した作品から入賞作品も含め、「どうしたらこんな美しい写真が撮れるんだ」とばかりに、クオリティの高い写真ばかりでため息が出てしまう。素晴らしい作品ばかりだった。
器材販売エリア
例年のマリンダイビングフェアでは、器材販売の量販店でもあるmic21とAQROSによってダイビング器材や周辺機器のセール大会が行われており、破格の器材群、エリアの中はすし詰め、レジの前は行列、という光景が風物詩だった。
今年はAQROSは出店しておらず、mic21による販売エリアが設置されていた。
印象としてはやはり例年よりエリアを広く使い、通路間のスペースも広くなっている感じ。オープニングセレモニー直後は少し行列が出来ていたようだが、筆者が行った時間帯は割と落ち着いており、すし詰めにならずにゆっくり器材の値段をチェックできるような感じになっていた。
にしても安い。
これは確かTUSAの「SF24 SOLLA J SPEC」という型番のmic21限定色モデルで、確か定価で2万円ほどしたような記憶が…。1/4近くの値段という破格。飛びついた人も多そう。
おまけ
おまけと言うには少々失礼かもしれないが、「これダイビングに関係あったっけ?」というブースも数個出展されていた。
その中でも印象的だったのがこのブース。リゾート旅とかけて、世界中のワインの試飲が出来るピーロート・ジャパンさん。ここ、昨年も出展されていたが、今年も結構な数の方が試飲に参加されていた。ダイビングフェアに限らず、このようなブースはワインフェアでない限り意外に見当たらないので、参加者にとっても興味を引くのかもしれない。ちなみにここもスタッフとお客さんの間を透明の仕切り板で分けるなど、感染症対策がされていた。
会場を回ってみて
色々と賛否両論があったと思われる中での開催になった今回のマリンダイビングフェアだが、全体的に出来る限りの感染症対策を主催者・出展者が皆さんで工夫なさってることがとてもよく分かる形になっていた。それが伝わる分、参加するこちら側も密状態にならないようにするなど自然と気を付ける空気感が出ていた。大規模イベントをどのタイミングで開催するのかは、今日においては本当に悩ましい問題ではあるが、これだけ対策が為されるのであれば開催自体には問題ないのではないか、と個人的には思った。もっとも、ここから万が一感染が発生するか否かは全く分からないので、様子見という感じですが。
あと、やはりこういう時期だからこそ現地の声はもっと聞いてみたいと思った。フィリピンのブースで現地とZoomで繋いで話せたように、報道では分からない各地のリアルな状況という名の情報は貴重だし、正直そうした情報が全国区、海外エリアで聞けたら尚良かったな、と思う。ピークなサマーシーズンには難しい話ではあるが・・・
まだまだ試行錯誤は続いていくかもしれないが、少しずつでもこうしたフェア、情報収集のチャンスが開かれていくことを勝手ながら期待したい。
オンラインでまだまだ楽しめるマリンダイビングフェア
さて、このマリンダイビングフェア、リアルなイベントとしては8月23日(日)をもって終了したが、実はオンラインでまだまだ(〜12月25日)楽しむことが出来る!
このサイトでは池袋で出展されていたブースに加え、いくつかの国内ダイビングショップとダイビング器材メーカーなどが更に追加され、それぞれの情報や資料、リンク先をチェックすることが出来る。更には素敵なプレゼントが当たるアンケートもあり!?
当日来場された方は勿論、来場できなかった人も追っかけて情報をチェック出来るようになっている。マリンダイビングの公式サイトからアクセスできるので、是非チェックしてみよう。
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筆者紹介:ダイバーラウンジ
一般ダイバー。ダイビングの楽しみ方を広く発信するためのブログ「ダイバーラウンジ」や、ダイビングに関する情報交換や相談ができるLINEトークルーム「ダイビング相談室」を運営している。
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