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バディ・ダイビングが普及することの懸念や不安にお答えします閲覧無制限

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バディダイビング
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オーストラリアのバディダイビング(撮影:越智隆治)

バディ・ダイビングに関して、いろいろなご意見やご要望をいただいています。
今回は、その中から、あえて懸念やネガティブな意見をピックアップしてみます。
そのことにお答えする中で意図や本質が伝わると考えるからです。

事故が起きたら誰の責任なの?

まず、昨今のダイビング事情として、「バディ・ダイビング(セルフダイビング)の機会が失われている」という問題意識がありました。

バディ・ダイビングはとても価値があるのでオススメしたいのはもちろん、本来、Cカードとは、バディ同士でダイビングができることの証明だったはずなのに、機会が失われるのもおかしなものかと。

では、なぜ、あまり普及していないかといえば、タンクを貸す側も「事故が起きないか?」という懸念があったからだと思います。

結果、バディダイビングをする条件として、「レスキュー以上」「ダイブマスター以上」「100本以上」「チェックダイブ次第」など、いろいろな基準がありました。

これは、ダイバーにとってはわかりにくい話です。

だって、エントリーレベルのCカードが「バディ・ダイビングをしてよい」という証なはずなのに、ローカルルールがたくさんある状態。

ダイビングセンター側にとっても、独自の基準を設ければ、その基準に責任を持たねばならず、例えばチェックダイビングをしてOKを出して事故が起きた場合、「何をチェックしていたの?」という話になります。
実はわざわざ責任を引き受けている、という考え方もできるのです。

なぜ、こんなローカルルールを作らざるを得ないことになるかといえば、率直に言えば、Cカードが「バディ・ダイビングができるスキルの証明」として、受け入れ側として、いささか不安なのではないでしょうか……。

そこで、このサイトは、単なる予約サイトではなく、「Cカードで得るべきスキルを習得していること」「保険に入っていること」など、自分たちのことは自分たちでできるという証明をしていただいたダイバーに、タンクのレンタルをするという仕組みです。

そして、受け入れ側は、ダイビング施設として、統一した安全レギュレーションを持つセンターのみを選定しています(AED、酸素、緊急時の対応シミュレーション、スタッフなど)。

つまり、スキー場では、リフトが落下したり、ゲレンデの整備に不備があったりしたらスキー場の責任ですが、スキーヤーのスキル不足でケガをしたり、新雪を求めてコース外で遭難したらスキーヤーの責任というのと同じです。

事故が増える?
手間が多い、面倒くさい

「自立したダイバーです!」と表明していただくため、登録する際にスキルなどひとつひとつチェックすべき項目があり、「面倒くさい」「手間が多い」というのは確かですが、それは仕方がないと考えています。

ユーザーの使い勝手を考えるなら、「上記すべてOK」と一括チェックができる方がよいのかもしれませんが、やはり、きちんとひとつひとつチェックしていただいてこそだと思います。

「保険なんて自分で入ったことがない」という方もいらっしゃいますが、年間ならDANの保険がオススメですし、今は当日のみの掛け捨て保険も数百円で入れます。

ホテルやゴルフなどの予約サイトでは、代表者がメンバーの分も予約してしまえばいいわけですが、BuddyDiveでは、バディ二人とも登録していないとできないので、これも、通常の予約サイトより手間です。

正直、いろいろ最初の手間はありますが、本来の趣旨が、「私、バディダイビングで潜る準備できてるよ!」という自立したダイバーが活用できるサイトで、そういう方にとっては、とても便利だと思います。

オーストラリアのバディダイビング(撮影:越智隆治)

ここでの自立したダイバーというのは、最終的には、スキルより意識の問題の方が大きいと思います。

Cカード取ったばかりの10本ダイバーだって、海況判断を保守的に行ない、慎重に、湾内で行って帰って来るだけのダイビングをすればそんなに危ないことはありません。

そんな行動範囲の狭いダイビングで、おっかなびっくり潜るだけでも、達成感があったり、得難い経験になったりするものです(僕もそうでした)。

経験豊富な登山家がエベレストを登るのと、初心者が整備された高尾山の登山道を登るのと、どちらがリスクが高いの? という話で、身の程を知り、その中で活動しようとするマインドの問題が大きいのかと思います。

自己申告で嘘を言われたら?

率直に言って、嘘つかれたらどうしようもありません。

嘘の申告というのは、サイトに限らず、現地での書類記入でも、口頭申告でも、防ぎようはありません。

嘘の申告をする人がエントリーできてしまう環境はリスクが増す、という意見もありますが、それはガイド付きダイビングでも何でも、前提をくつがえす嘘があれば、そのダイビングスタイルなりにリスクが増し、事故を起こせば、いろんな人が迷惑をかけてしまいます。

どこまでチェックするかは程度問題ですが、Cカードや保険の確認はできても、本当にチェックしたスキルができているのか、病歴が本当のことなのかなどをすべての登録者ひとりひとりすべてを把握することは困難で、そこはあくまで自己申告です。
嘘はやめてください……。

セルフにしては高くない?
沖縄とかならタンク代だけだけど

「沖縄なら2000円なのに!」という声もありますが、これはもう、方向性の違いとしか言えません。

沖縄などでよくある、タンクだけ借り、ポリタンクを車に乗せて、目の前の海を好きに潜るサーファー型ダイビングは、これはこれで、究極の自己責任で、最も安く潜るひとつの正解かもしれません。

ただ、個人が引き受けるには結構なリスクなので、よっぽどの安全対策が必要かなと思いますが、それもひとつの選択です。
沖縄のセルフダイバーの方たち、個性的で好きですし(笑)。

しかし、本サイトで目指すバディ・ダイビングは、セーフティーネットの中で、快適な施設を利用できる中でのバディ・ダイビング。

当然、安心や快適を得るための施設や人件費、設備など、タンク代だけでないコストも費用に乗ってくるので、同じバディ・ダイビングでも似て非なるものというわけです。
それでも、ガイド付きの半額くらいにはなります。

伊豆方面だけかよ!

これは、もうすみません。
まずは、まとまりがあって、身近な伊豆と真鶴方面から始めました。

ただ、現在も準備中の海がいくつかあり、紀伊半島や日本海、沖縄のダイビングセンターからも問い合わせがあります。
ぼちぼちと拡張していく予定ですので、ここは長い目でひとつ……。

インストラクターやガイドに喧嘩売ってんの?

こういう声もあります。
怖いんですけど(笑)。

いやいや、最初に言っておきますが、とにかく、「ダイビングの基本となるバディ・ダイビングができる環境を整える」「ダイビングの選択肢を増やす」というのが目的で、引いてはダイビングを楽しむ、続ける人が一人でも増えてほしいという思いです。

オープンしておいてこう言うのも何ですが、日本では、そんなすぐに爆発的にバディ・ダイビングが普及するとも思っていません。

Cカードのスキルチェックをあらためて見てみると、結構、難しく、いきなりバディ・ダイビングするのは不安、というのもごもっとも。

ショップで始めた方は、しばらくは信頼するインストラクターと潜る方が安心ですし、バディ・ダイビングというスタイルがあればこそステップアップ講習の価値も上がります。
それに、多くのダイバーは、海ももちろんですが、特定のお店やガイドが目的だったりもしますしね。

また、その海を熟知したガイドと潜る方が、より効率よく、安心して、自分の目的に合った、そして、自分の発想を上回るダイビングができるでしょう。

むしろ、バディ・ダイビングをすることによって、ガイドやインストラクターの存在は相対化され、価値は上がると思っています。

ダイビングの可能性はもっとあるはず

登山で山頂を目指す時、自力登山、ガイド付き登山、ゴンドラで一気に山頂、という選択肢があったとして、同じ山頂に立ったとしても見えている景色は違うでしょう。

ダイビングでも、バディ同士で、低コストで気軽に潜れる環境があり、スキルアップしたいときやツアーに参加したいならショップを利用し、その海のことを深く知りたい、ナビゲートして欲しいならガイドをつけて潜るなど、いろいろなスタイルがあっていい。

目的だって、コミュニケーション、スポーツ、レジャー、アウトドア、フィッシュウオッチング、アドベンチャーといろいろなとらえ方があります。

個人的な、ずっと先の夢物語をすれば、1本目はガイド付きで潜り、2本目はカメラを持ってソロダイビング(←ただの単独じゃないですよ。ちゃんと講習を受け、ポニーボトルを持ってのソロダイビング)、なんてダイビングができてもいいと思っています。

ダイビングの選択肢が増え、ダイビングの多様性・可能性が広がることを願っています。

また、バディ・ダイビングを応援しているダイビングショップやダイビングサービスもあって、連携もとっていきたいと思います。

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