偏見ダイバー③ 

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変態的体育会系ダイビングクラブで育ってしまったテラ青年。
器材の趣向も完全にクラブに刷り込まれてしまった。

BCはもちろんSプロのスタビ。

僕がよちよち歩きをしている70年代ごろに開発されたBCで、
首かけが主流だった60年代から革命を起こす。

クラブができたのがまさに60年代だから、
スタビに感動し、その後歴史を共にしていたのだろう。
僕はまったくこの衝撃は知らないわけだが、
すっかり洗脳されSプロ以外ありえないマインドに。

同期のヘソ曲がりの女主将はそういった流れに反抗し、
買ったのはジーグルのバックマウントBC(だったよね?)。

それでもやっぱり、元々はパラシュート製造の会社が作ったBCで、
マインドは「硬派&本物」志向。
あくまで志向であり、本当に本物かどうかはあまり関係ない。
当時の僕も「パラシュートの会社が作ったのか……。かっこいいぜ」とパラシュートに反応。なんかパラシュートって硬派っぽいってだけ(笑)。

そして、フィンはフルフットで、バックルタイプはなんとなく軟弱。
これは、泳ぐことの機能を追及しているかどうかの志向の問題だと思われる。

入部するとフィンは基本的にはミューだが、
脚力がついてくるとクレッシーのロンディンとかはくようになり、
憧れの的だったクレッシーのXラバーのフィンが
先輩から代々受け継がれていたりしていた。

ラッキーなんことに僕はXラバーを受け継ぎ、
最初の印象は堅くて「泳ぎづらっ!」だったが、
一応、「やっぱり履き心地が違う」と言っていた(笑)。
クレッシーはダイビング発祥の地・イタリアと
間違いなくジャックマイヨールへの憧憬。

今でもあのツバメのマークを見るとテンションが上がって、
買おうかどうか悩むが、やっぱり堅いんだよな〜。

そんな「硬派&本物」志向のクラブの敵はもちろんSAS(笑)。

80年代の「彼女が水着にきがえたら」で原田知世さんが身に付けたことで注目を浴び、
バブル最中だったこともあり「知世ちゃんと同じセットで」なんて
注文もよくあったそうな。

「グランブルー」に影響を受けるようなクラブ員が多い中、
「彼女が水着にきがえたら」はよっぽど先輩たちは許せなかった
と見えて(一色さん、褒め言葉です・笑)、
僕らにもしっかり反サス教育がほどこされた。

うっかり「SAS」のロゴマークが入ったウエットバックを
持っていようなものなら「サザンかよっ」と言われ、
SAS一式を身に付けているダイバーはスキルがヘタ、
だまされている人のような気すらした。

恐るべき偏見(笑)。

念のため、もう一度言っておきますが、
これはテラ青年の間違った偏見そのものですからね。

しかし、よく刷り込まれたもので、
今でもSASのロゴを体に入れることに抵抗がある。

以前、ピンク好きな僕はSASのかわいいウインドブレーカーに手が伸びそうになったが、
ロゴが入っているのでやめてしまい、結局サーフブランドのものに。

しかし、食わず嫌いはいけないし、
ダイビング業界の人間がサーフブランドを着るってのもどうかと思い、
器材は高いのでSASのパーカー辺りから着てリハビリしてみようと思う。

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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