生きている姿が見られるのは超レア! 深海魚・ワヌケフウリュウウオの撮影に成功

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美しいブルーの目に独特のフォルムをしたワヌケフウリュウウオ。水深150mくらいにすむ魚だが、水中写真家の堀口和重氏が佐賀県・唐津の海でなんと撮影に成功したという。堀口氏からのレポートをご紹介!

青い目が印象的なワヌケフウリュウウオ(撮影/堀口和重 以下同)

深海に生息するワヌケフウリュウウオが水深20m付近に登場!!

5月中旬に唐津マリンスポーツクラブのガイド・浪口知記さんから「すごく珍しい魚が現れた」と連絡がきた。登場したのはなんと深海に生息する、ワヌケフウリュウウオとのこと。

場所は佐賀の日本海側の島、松島。ダイビングポイント「ツインロック」の水深20m付近だという。

ひょうたんのような形をした玄界灘にある松島

発見したのは、唐津マリンスポーツクラブのゲストの方だった。最初は何かわからなかったようだったが、偶然にも別の被写体の撮影に来ていた水中写真家・阿部秀樹さんが確認したところ、ワヌケフウリュウウオだとわかったそうだ。

その頃、偶然にも私は佐賀県内でムツゴロウを撮影していたので、翌々日に唐津を訪れることができた。まだいるのかハラハラしたが、「ツインロック」に入ると砂地に枯葉のような姿をした、ワヌケフウリュウウオを浪口さんが発見。深海魚はかなり力を入れて撮影してきたが、水中で出会えたことに感動した。

ワヌケフウリュウウオは砂地に生息している

上から見たワヌケフウリュウウオ

生きている姿を水中撮影することはほぼ不可能な魚

実は伊豆の深海底引き網漁の船へ乗った時に、水揚げされた死んでしまっているフウリュウウオの仲間を数個体見かけたことはある。その時は、水深300〜400mとかなり深い場所に網を引いていた。深海に生息するフウリュウウオの仲間の生きている姿を水中撮影することはほぼ不可能なので、とてもうれしいことなのだ。

アカグツ科であるフウリュウウオ属の仲間の特徴とも言える不思議なフォルム。特に印象的だったのは美しいブルーの目だった。全長は約6㎝と小柄で、砂地で動くこともなくその場に留まっていた。

正面から撮影したワヌケフウウリュウウオ

稚魚の時に流されてきたのか、深い場所から上がってきたのか、どうして現れたのかは不明だが、撮影できたこと、そして教えてくださった方々に感謝したい。

撮影協力:唐津マリンスポーツクラブ

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PROFILE
日本を拠点に活動している⽔中カメラマン。カメラマンになる以前はダイビングガイドをしながら数々のフォトコンテストで⼊賞。現在はダイビング・アウトドア・アクアリストなどに関連する雑誌やウェブサイト、新聞などに記事や写真を掲載、水中生物の図鑑や教書にも写真提供している。2019年に日本政府観光局(JNTO)主催の“「⽇本の海」⽔中フォトコンテスト 2019”にて審査委員、2020年には“第28回 大瀬崎カレンダーフォトコンテスト”の特別審査員も務める。近年は訪⽇ダイビングツーリズム促進を⽬的として“NPO 法⼈ Japan Diving Experience”としての活動も⾏っている。
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