「日本の海は種の宝庫」ということがよく分かる数字
魚のアイコン一つが、約500種類として、
インド太平洋(インド洋から西部太平洋までの海域)……約3,000種
西部大西洋……約1,200種
東部太平洋……約1,000種
東部大西洋……約500種
地中海……約500種
北極、南極……それぞれ約250種
日本……約3,700種
これだけの種類の海水魚がそれぞれの海域で確認されています。
(出典:『The Diversity of Fishes Second Edition』、環境省|海洋生物多様性保全戦略公式サイト
この数字をまとめたのが、上図です。
そして、日本付近の赤い魚のアイコン。
こちらが、日本固有種の海水魚の種類数を表しています。
その数は、約1900種。
そう、大西洋全体で見られる海水魚の種類数と、この広い世界で日本にしかいない海水魚の数が、そんなに変わらないんです。
実は日本って海水魚の楽園なんですよ。
外国人のダイバーさんの中には日本の海に憧れを抱く人もいるそうです。
ついでに、今回はぼくが独断と偏見で選んだ日本固有の海水魚を少し紹介します!
1. ユウゼン
世界中で、伊豆諸島や小笠原諸島などにのみ生息するチョウチョウウオ科の魚です。
一見地味な色にも見えますが、実際に見ると黒と白のグラデーションがとっても素敵なんですよ。
この絶妙な色合いが友禅染のように美しい、ということから、ユウゼンと名づけられたそうです
2. シシャモ
ご存知、シシャモです。
皆さん、生きている姿よりこの姿の方が馴染みがあるんじゃないでしょうか。
漢字で「柳葉魚」と書くこの魚、実は北海道の太平洋岸でしかとれないのです。
似た魚で、キュウリウオやカラフトシシャモ、という魚が食卓に並ぶこともありますが、分類学上、違う魚だそうです。
3. タカベ
本州~九州の太平洋側に広く分布するタカベは、ダイバーにとってもお馴染みの魚なんではないでしょうか。
伊豆なんかでも見られるタカベの大群が渦巻く姿は、パワフル&ビューティフル!
塩焼きが最高に美味しいので、見てもよし食べてもよしの、日本の宝です。
4. アカメ
引用元 アカメ – Wikipedia
日本国内の中でもかなり限られた場所、高知県と宮崎県が主な生息地とされています。
成魚は体長1mにも及ぶ巨魚で、四万十川の汽水域にもよく出没することから「四万十川の主」と呼ばれることも。
暗いところで光を当てると目が赤く光るのでこの名前がついているそうです。
5. ミズタマヤッコ
最後は「日本のガラパゴス」との呼び声高い、小笠原諸島の固有種ミズタマヤッコです!
広い広い世界中で、小笠原諸島にしか生息していないという、まさに固有種中の固有種。
「世界中で小笠原諸島にしかいない」と言われると、一度でいいからこのオシャレな姿を見てみたくなりませんか?
※
今回紹介した魚5種以外にも、たくさんの、それはそれはたくさんの固有種が日本の海にはいます。
南北に伸びた熱帯から亜寒帯までを含む国土や、親潮、黒潮などの海流が流れ込む海など、さまざまな要素が相まって、多様な海水魚が暮らす日本の海が形成されているそうです。
日本の海は、世界でも貴重な魚の居場所。
次回海に行く時はそのことを頭の片隅に置いておくと、いつもより海が少し違って見えるかもしれませんね。