水中写真家・中村卓哉氏も登壇 JPSフォトフォーラム「自然と命を撮るということ」11/12開催

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自然と命に向き合って撮影を続ける写真家たちが登壇し、撮るという行為と写真表現につい存分に語り合うJPSフォトフォーラム「自然と命を撮るということ」が11月12日(土)に東京都写真美術館1階ホールにて開催される。第16回を迎える今回のイベントは、2019年の第13回以降3年ぶりのリアル開催になるという。一体どんな話を聞けるのだろうか。

講演、パネルディスカッションの2部構成でじっくり写真家の話が聞ける

「JPSフォトフォーラム」とは、公益社団法人 日本写真家協会(JPS)が主催するイベントで、毎回第一線で活躍する写真家たちが、さまざまなテーマで講演やディスカッションを行っている。今回は「自然と命を撮るということ」をテーマに、自然写真家・大竹英洋氏と水中写真家・中村卓哉氏がそれぞれ講演を行う。その後、JPS会長の野町和嘉氏が加わりパネルディスカッションが行われる。

大竹(おおたけ)英洋(ひでひろ)

(講師、パネリスト)

1975年京都府生まれ。一橋大学社会学部卒業。北米ノースウッズにて旅、野生動物、人間の暮らしを撮影。『そして、ぼくは旅に出た。』で梅棹忠夫・山と探検文学賞。『ノースウッズ 生命を与える大地』で土門拳賞。日経ナショナル ジオグラフィック写真賞第7回ネイチャー部門最優秀賞、第9回ピープル部門最優秀賞。両部門での受賞は初。JPS会員

1975年京都府生まれ。一橋大学社会学部卒業。北米ノースウッズにて旅、野生動物、人間の暮らしを撮影。『そして、ぼくは旅に出た。』で梅棹忠夫・山と探検文学賞。『ノースウッズ 生命を与える大地』で土門拳賞。日経ナショナル ジオグラフィック写真賞第7回ネイチャー部門最優秀賞、第9回ピープル部門最優秀賞。両部門での受賞は初。JPS会員

中村(なかむら)卓哉(たくや)氏(講師・パネリスト)

1975年東京都生まれ。10歳の時に沖縄でダイビングと出会い海中世界の虜となる。ライフワークとする辺野古の海へは20年以上通い続けている。海の環境問題や命のドラマをテーマに、新聞や雑誌に多数の連載をもち、講演活動なども精力的におこなっている。主な写真集は、『海の辞典』、『パプアニューギニア 海の起源をめぐる旅』、『辺野古-海と森がつなぐ命』など。第2回日本写真絵本大賞 優秀賞。JPS会員

1975年東京都生まれ。10歳の時に沖縄でダイビングと出会い海中世界の虜となる。ライフワークとする辺野古の海へは20年以上通い続けている。海の環境問題や命のドラマをテーマに、新聞や雑誌に多数の連載をもち、講演活動なども精力的におこなっている。主な写真集は、『海の辞典』、『パプアニューギニア 海の起源をめぐる旅』、『辺野古-海と森がつなぐ命』など。第2回日本写真絵本大賞 優秀賞。JPS会員

野町(のまち)和嘉(かずよし)氏(パネリスト)

1946年高知県生まれ。写真家・杵島隆氏に師事し、1971年に独立。1972 年、20代半ばでサハラ砂漠に旅したことを契機に、極限の風土を生きる人々の精神世界、信仰をテーマに地球規模で取材を続ける。2000年代以降は、アンデス、インド,イラン等を中心に取材。『サハラ』『ナイル』『地球巡礼』など多くの写真集が国際共同出版される。東京、ローマ、ミラノほかで「聖地巡礼」展を開催。土門拳賞、芸術選奨文部大臣新人賞など受賞。2009年、紫綬褒章受章。JPS会長

1946年高知県生まれ。写真家・杵島隆氏に師事し、1971年に独立。1972 年、20代半ばでサハラ砂漠に旅したことを契機に、極限の風土を生きる人々の精神世界、信仰をテーマに地球規模で取材を続ける。2000年代以降は、アンデス、インド,イラン等を中心に取材。『サハラ』『ナイル』『地球巡礼』など多くの写真集が国際共同出版される。東京、ローマ、ミラノほかで「聖地巡礼」展を開催。土門拳賞、芸術選奨文部大臣新人賞など受賞。2009年、紫綬褒章受章。JPS会長

大塚(おおつか)茂夫(しげお)氏(司会進行)

1969年、静岡県生まれ。大学で比較文化を学んだ後、放送局で報道番組の制作、航空会社で貨物営業を経験し、2004年2月から『ナショナル ジオグラフィック日本版』の編集に携わる。2011年1月に編集長に就任、日経ナショナル ジオグラフィック写真賞の審査員も務める。

1969年、静岡県生まれ。大学で比較文化を学んだ後、放送局で報道番組の制作、航空会社で貨物営業を経験し、2004年2月から『ナショナル ジオグラフィック日本版』の編集に携わる。2011年1月に編集長に就任、日経ナショナル ジオグラフィック写真賞の審査員も務める。

大型スクリーンで写真家の作品を多数楽しめるのも見どころのひとつ

このイベントでは写真家の方たちの話が聞けることはもちろんだが、フォトフォーラムということで講師の大竹氏、中村氏、そして野町氏の作品も、大型スクリーンに高画質で多数上映される。
会場の東京都写真美術館のホールは定員200名弱だが、一般の映画館に負けない映像と音声を再生でき、座席も広くて快適。参加費無料で、この環境で写真とトークを楽しめる機会はめったにない。

また同館では普段からハイクオリティな写真展も開催されているので、写真作品鑑賞の場としておすすめの場所。

※写真展の内容や料金は東京都写真美術館のホームページでチェック

写真家にとって不変のテーマである「自然と命」。写真家たちがどのように被写体となる自然に向き合い、撮影し、作品として表現しているのか。じっくりと話を聞けて、作品も堪能できる絶好のチャンスなので、ぜひ参加してみてはいかがだろうか。

開催に向けて、中村卓哉氏からコメントをいただいたので紹介しよう。

水中写真家・中村卓哉氏 コメント

「JPSフォトフォーラム」は毎年写真のジャンルを変えて、テーマを決めて行われています。過去には自然写真家の高砂淳二さんも登壇されたことがあります。今回は自然写真がテーマですが、講演では私が海で撮影をする際の生き物への向き合い方などをお話ししようと思います。最近撮った水中写真も、作例としてお見せします。

私は撮影をするとき、いつも「海にお邪魔している」という感覚を大事にしたいと思っています。この思いの原点となったのが、ザトウクジラの親子を素潜りで撮影していた時の体験です。撮りたいという気持ちが強く、夢中になり、子クジラに近づきすぎてしまったんです。このとき母クジラが子どもを守るようにしながら、こちらをギロッと睨んできて。ああ、近づきすぎてしまったんだ、自分のアプロ―チの仕方が悪かったなと大いに反省しました。

この時の体験から、生き物たちのテリトリーを侵すようなことはしてはいけない。海の生き物と心を通わせるような撮影の仕方をしていこうと心に決めました。ほかにも日頃撮影するときに、自分が大切にしていることなどをお話しできればと考えています。来場者はダイバーでない方も多いでしょうから、水中写真の魅力をより多くの方に知っていただくきっかけになればと思っています。

パネルディスカッションでは大竹英洋さんや野町和嘉さんの胸をお借りして、ジャンルを超えたクロストークを展開できればと考えています。海と森、撮影フィールドが違う写真家の方と、その場で出てくるいろいろな話が面白いと思いますので、ぜひ聞きに来てください。

世界遺産・宗像沖ノ島の海中に乱舞するキンギョハナダイ 撮影:中村卓哉氏

世界遺産・宗像沖ノ島の海中に乱舞するキンギョハナダイ 撮影:中村卓哉氏


第16回JPSフォトフォーラム「自然と命を撮るということ」

■開催日時:11月12日(土)2回入れ替え制
午前の部:10:30~13:00、午後の部:14:00~16:30
(※開場は各回20分前)
■場所:東京都写真美術館 1 階ホール  
東京都目黒区三田 1- 13- 3 (恵比寿ガーデンプレイス内)

■参加費:無料
■定員:各回190名(先着順・要申込)
【申し込み方法】
JPSホームページの申込フォームよりお申し込みください。
※応募者の個人情報は今回のフォトフォーラムの範囲とし慎重に管理いたします。
【主催】
公益社団法人 日本写真家協会
【協賛】
エプソン販売(株)/OMデジタルソリューションズ(株)/キヤノンマーケティングジャパン(株)/(株)シグマ/(株)タムロン/(株)ニコンイメージングジャパン/富士フイルムイメージングシステムズ(株)

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PROFILE
大学時代に慶良間諸島でキャンプを行い、沖縄の海に魅せられる。卒業後、(株)水中造形センター入社。『マリンダイビング』、『海と島の旅』、『マリンフォト』編集部所属。モルディブ、タヒチ、セイシェル、ニューカレドニア、メキシコ、タイ、インドネシア、フィリピン、マレーシア、オーストラリアなどの海と島を取材。独立後はフリーランスの編集者・ライターとして、幅広いジャンルで活動を続けている。
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