安全の意識が高い、寒がり、生物を触る…、外国人に聞く日本人ダイバーの印象・後編

先週に引き続き、今週も、外国人ダイバーから見た日本人ダイバーの印象をまとめました。

外国人ダイバーに聞いた、日本人ダイバーの印象とは？ ｜ オーシャナ

とにかく物が多い

「1980年代から日本のダイビングにすごく興味を持っていた。台湾で2年間ダイブマスターとして活躍し、何回か日本人ダイバーと潜った事があるけど、日本人の器材やカメラ、水中へ持っていく物にいつも驚く。定期的に潜っていた日本人バディはカメラ、ビデオカメラ等すべてを用意していて、もちろんコンパスやSMB（フロート）、とにかく“物”が多かった。また、 日本人ダイバーはいつも写真を撮っている。あまりにも写真に集中していて、水中でゆっくり泳げる気持ちや周りの風景等他のものも楽しんでいるのかなと疑問に思うけど、まあ、写真を撮るのが好きだったら楽しんでいるよね！笑」
台湾出身観光客、50代

ファッション性が高い

「日本人ダイバーの半分が女性だと聞いたけど、本当？？びっくりした。他の国と比べるとかなり高い割合だと思う。それから水中でもファッションや“見た目”って大事だね。日本人ダイバーは男性でも女性でも、自分のイメージをすごく気にしていると思う。でもお店には色んな色のウェットスーツ、マスク、フィンがあって、こんな可愛い、かっこいい器材ばかりだったらそりゃもちろん女性も潜りたくなるよ」
東京駐在イギリス人、30代

安全への意識が高い

「日本人ダイバーは安全に潜っていると思う。ガイドさんの後を泳ぐのは大事だと思うし、ブリーフィングも真剣にきちんとやるし、とてもいいシステムだと思う。ガイドさんは地上でもレストラン等を案内してくれるし、お土産だってくれるんだよ！日本で潜るのはマジカルな、魔法のような、特別な経験だった」
インド駐在インド人、30代

日本のやり方は安全

「日本人はガイドにくっついて冒険好きではないという人もいるけど、その方が安全じゃない？外国人ダイバーは、ブリーフィングが長くて最大水深等をきっちり確認して、地上では真剣なのに水中ではほったらかしの人が多いよ。日本のやり方は、かえって必要なんじゃないかな。海外では、 セッティングが分からない人や水中でちゃんと器材を使っていない人がいるのにガイドは何もしない、そんな様子を何回か見たことがある。」
オーストラリア駐在オーストラリア人、40代

もっと海を楽しんでほしい

「日本人ダイバーはガイドさんからの指示やルール等あれこれ気にしていると思う。もう少し落ち着いて潜ってほしいな。スキルとか経験は関係なく、良い意味で海を楽しんでほしい。日本人ダイバーは水中で何かが起こるのを恐れているようだけど、皆ダイビングの資格もっているし、何かあったらどう対応するか分かっているはずじゃない？」
東京駐在アメリカ人、40代

日本人は寒がり

「日本人ダイバーはどうしていつも寒いの？水温25度、26度って何ともないと思うけど、日本人はフードやベストをいっぱい用意するんだね。25度や26度は何ともないよ。日本人ダイバーは体が小さいから寒さを感じるかもね。船の上でもタオルや帽子、色々持っているし。」
カナダ人観光客、20代

ログブックにサインするのが不思議

「日本人ダイバーはログ付けをする時、どうしていつも他のダイバーに自分のログブックを回してサインしているの？同じグループで潜っていたから皆と情報をシェアしなきゃいけないの？それは分かるけど、どうしてサインして、メッセージを残しているのがすごく不思議。日本人ダイバーに聞いてもいつもやっている、それが普通って言われるだけなので、他の理由があったらぜひ知りたい！」
エクアドル駐在エクアドル人、30代

海中生物を触っちゃう

「日本人ダイバーの特徴と言ったら、海中生物を平気で触ることかな。伊豆で潜っていた時タコを必死に追いかけてグループに見せようとしていたガイドさんがいた。一本の脚を捕まえたけど今度は墨だらけに。そりゃタコに勝てないよ。タコも怖がっていたし、すごく違和感があったな。海外では考えられないことだと思う。ウミウシを触ったり、ヒトデとかを手に撮って違う場所に置いて写真撮ったりするダイバーもいるし、ちょっと心配」
ドイツ人観光客、30代

バディ意識が高い

「日本人ダイバーとバディペアを組んで潜った事がある。その日本人はなぜかずっと自分の後をついてきた。私は、ガイドさんの後ろで泳ぎながら自由に写真を撮って周りの風景を楽しんでいたけど、私が止まると彼も止まった。私が写真を撮ると彼は隣で待ってくれた。ちょっと不思議だったけど、気持ち悪いとかそんな感じではなかった。逆に、この人バディ認識がすごいなと感動したよ！　楽しんでいるのかな〜と心配したけど、上がった時は楽しかったって喜んでいた。日本人ダイバーはガイド認識やバディ認識が非常に高くて、外国人ダイバーはそうではないと、そんな印象がある」
東京駐在ドイツ人、50代

イギリス生まれ、8歳から13歳まで日本で育ったイギリス人と日本人のハーフ。

2006年に再度来日し、ナレーター、翻訳者、ライターとしてNHKテレビ、ラジオ、日本駐在外国人向けのウェブサイトなどで活躍。
2010年ニューカレドニアで体験ダイビングをしたのを機にライセンスを取り、2011年以降定期的に日本で潜っている。

日本の海の魅力、多様な生物や地形等に感動し、海外であまり知られていない日本のダイビングを紹介する目的で、2011年にブログ（Rising Bubbles）を立ち上げた。

外国人向けのサイトや海外のダイビングサイトで日本のダイビングスポットを定期的に紹介しており、スコットランドのセントアンドリューズ大学で水産養殖も勉強中。

「ダイビングをきっかけに、日本の海がどれだけ魅力的なのかをすごく実感しました。この連載では、たくさんの情報を届けていきながら、海外からのトピックを取り上げ、日本と海外の違いや海外の視点等をシェアするのを楽しみにしております」