熱意より一枚の掛けタオル

職業柄、数多くのダイビングサービスを利用するので、
「比較してみて、良いお店の条件とは?」とよく聞かれる。

経営の戦略や教育の方法を見たり聞いたりして「なるほどね〜」と思うこともあるが、
もっともっと小さいところで直感的に「ここは良い店だ」と思うバロメーターがある。

それは、「タオルが1人に一枚用意してある」お店。

もちろん、そうでなくても良いお店はいっぱいあるが、
「タオル1人一枚」のお店で外れたことがない。
飲食店におけるトイレと同じで、一事が万事ということなのかもしれない。

初めてのタオル体験は、昔、紀伊半島の担当だったときに取材で行った
串本の「南紀シーマンズクラブ」。

濡れタオルほど嫌な荷物はないが、かといってセームだと味気ない。
シャワーを浴びた後にふわふわのバスタオルにくるまれる気持ちよさと、
濡れタオルをそのままポイっとできる快適さ。
そんなゲスト目線は水中でも同じだった。

そんなことを思いださせてくれたのが、先日潜った「城ケ島ダイビングセンターSHS」。
なんと、更衣室だけでなく港にまでタオルが用意してある!
ダイビング後の冷えた頭部をタオルでくるんだときに思い出した「嗚呼、この幸福感」。

アットホームな雰囲気やガイディングについて熱く語るよりタオル一枚。
一杯のかけそばならぬ、一枚の掛けタオルなのである。

 

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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