南三陸町の海へ 1日目

■とりあえず被災地へ
当サイトで連載中の小説「シューボコ」の作者の一色さんと2泊3日で被災地、宮城県へ。

当初の目的は、以前「水中ご遺体捜索ドキュメント」で取材させていただいた
水中捜索救難協会」の活動に同行する予定だった。

しかし、台風の影響で日程の都合が合わなくなり、「とにかく行ってみよう」と
念のためダイビング器材を積み込んで東北道を北上し一路宮城を目指す。

今回は3度目ということもあり、
過去2回のような「自分が行ったところで何なんだ?」という自問自答はない。

初期のような、情動にかられた行動が迷惑になるというようなことは何もなく、
自分が思う範囲でできることをやればよいのだろう。
そうした行動を通じて、被災地のことを忘れないのが大事。
被災地に無関心で無関係より、好奇心でも単発でも細く長く関係を保ちたい。

なので、僕も一色さんも取材が主な目的だったが、僕は、
「水中はどうなっているのだろう?」、「前回、出会った人々は元気だろうか?」
という動機が一番大きかった。

「とにかく」3割、「とりあえず」7割での宮城旅の始まり。

■仙台の夜
6月にダイバーの皆さんに協力いただいて支援物資を届けたレポートでお世話になった、
TSUNAGARI」代表でダイバーのかっつん(勝又三成)と今回も行動を共にすることに。

東京からおよそ5時間。夕方、かっつんの住む仙台に到着。

まずは、楽しみにしていた牛タンを食べに、かっつんイチオシの「司・本店」へ。
とんでもなくうまい牛タンを食べているとき、
時計の代わりにダイコンをしている男性グループが目に止まる。

帰りに声をかけてみると、読売新聞の水中取材班で、
延期した水中捜索取材も一緒の予定だったことが判明。
さらに、Dコミュもよく読んでいただいており、
お一人は一色さんの作品のファンであったこともあって、
情報交換がてら、牛たん屋を出てバーの個室へ移動。

大震災はメディアにとってリトマス試験紙。
他メディアとせめぎ合い、組織の理屈と個人の信念を戦わせる、答えのない赤と青の攻防。
大マスコミがぶったたかれる昨今、この夜は心の底からご苦労さまです。

その後、キャバクラへ行ってキャバ嬢さんやかっつんに話を聞くと、
今、仙台は、建築関係者やボランティア、メディアなど、
多くの人々で賑わい被災地バブルとのこと。
実際、僕がホテルを予約する際、満室でいくつか断られたりもした。

現地へ行くならお金を落とすことも大事だが、落とし先も考えようだ。

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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