原点
とてもタイムリーだ。びっくり。
最近ちょくちょく日記にしていた法政アクアから、
思いがけず封筒が届いた。
開封してみると、中には冊子が。
そう、法政アクアがマジメな執行部のときに限り発行している「水平線」だ。
この冊子は、現役の法政アクアの活動や彼らの思いを中心に綴った一冊。
OBのページもある。
68㌻にも渡る力作
読んでいるうちに、胸に熱いものがこみ上げる。
ヤバイ、泣きそう。
今年で何と43期。しばらくクラブから離れていたが、
読んでいて根本がまったく変わっていないクラブがおかしいやら嬉しいやら。
というか、心の底から驚いている。
昨日、書いた法政アクアの夏合宿。現役生の感想文を読んでみる。
皆、小さいことに真剣に悩み、取り組んでいる。
遅刻してきた後輩に甘く接してしまい後悔する先輩。
“タイムテーブル係”という係になり、
お風呂の時間が遅れないように神経を減らす青年。
あまり泳いだこともないのに、いきなり400㍍ノンストップで泳がされ、
最終的に4㌔も泳いでぐったりする女の子。
素晴らしい。
そして、昨日の日記で書いた“兄弟の杯”。何とまだ続いていた!
主将の言葉がふるっている。
「自分は酒に弱く飲めるか自信はなかったが、同期たちの頑張りで最後の自分のまで残りを減らしてくれた。残りはまだ多かったが、アクア魂で全て飲み干し、大役を終えることができた。共にがんばってきた仲間たちと飲めた人生で一番おいしいお酒であった」
あぁ、かわいい。チューしたい。男だけど。
水平線を読んで、いくつかの衝撃的な事実も知った。
とある代が全員脱走して辞めてしまっているし。
わははははは。笑い事じゃないがおもしろい。
しかし、その後の代が盛り返しているからクラブの底力は恐ろしい。
もうひとつの衝撃。
学連初の女委員長が法政アクアから誕生していたとは!
カッコイイな〜。男前だな〜。間違いなく素敵な女性に違いない。
事実、この子の学連活動報告を読んだらすっかり惚れてしまった。
企業の人事の方は絶対に採用したほうがいい。
存在意義が希薄になってきた学連を立ち直すために、
「行事や組織運営についての真意や意義を毎回説明し、
理解を得られるように」心血を注いだ彼女。
さらに、次はダイビング面に関する規約を作成し、
学連の加盟することの意義を生み出そうとしている。
そして、僕らの時代と共通の思いを持っている。
「執行部になる前の段階での部員の流出を防ぎ、
自分の財産になるものを作ってもらえたらと願っています」。
そのほか、この一冊には彼らの輝く言葉が詰まっている。
「今のところ人生ですべてにおいて一番の時期でした」
「勉強する時間を作るためにアクアを辞めるか悩んだが、仲間に支えられ……」
「この経験はきっと私の今後の人生の基盤になると思っています」
この一冊をいただき本当に感謝している。
OBが顔を出すのはよろしくないことだと思っていたが、
今年は卒業後初の納会に行ってみようと思う。
襟をただして現役生の方たちからお話を聞いてみたい。
特に何百人も加盟する組織を初の女性委員長で運営した彼女。
僕が得るもの、思い出すものも少なくないだろう。
問題は、和尚とかいってダイビング業界でヘラヘラしている僕が、
ちょっとすごい人だと思われているフシがあることだ(笑)。
すいません、こんなんでました〜。
法政アクアをさんざん茶化してきたが、
もちろん、ここが僕の愛すべき原点。まだまだ茶化すけど。
すっかり忘れていたが、OBページに寄稿していた。
読み返すと、字数制限のおかげで、
僕のクラブに対する思いが簡潔にまとまっているので最後に紹介しておく。
題名:すべては法政アクアから
「法政大学アクアダイビングクラブ第32期、寺山英樹と申します!」
と大声で言わされ始まったアクア人生。何だか建設的じゃないなぁと感じていたクラブ活動は、基本、嫌で嫌で(笑)。しかし、そんな僕が、なぜか今でもダイビングの世界で飯を食っている。我ながら驚きだ。
就職活動のとき、ふと自分の能力はと考えると、ダイビングしかしていないことに気がついた。それならと取得したインストラクターの資格、そして、入社した雑誌『マリンダイビング』。驚いたことに、トレーナーだった僕が法政アクアで考え、実践してきたノウハウはそのまま雑誌の商品として通用した。そして、仕事をする上で、法政アクアでやってきたという誇りをよりどころにしていることにも気が付いた。
今年、自分で会社を立ち上げた。会社はやはりダイビング関係の会社だが、すべては法政アクアから始まっている。いや、もっと厳密に言うと、きれいな先輩の勧誘にひっかかってしまった、自分のスケベ心から始まっているのかな(笑)。それはさておき、人生をおもしろくしてくれたクラブに心から感謝。