イルカ漁

自分の立ち位置が明確でないため無視を決めこんでいたが、
少しだけ触れておく。しっかりとした主張は媒体を通じていずれしたい。
イルカ漁
熱心に反対運動に誘う方がいる。
しかし、いくら聞いてもその理屈が僕には理解できない。
嫌悪感を高らかに表明する方がいる。
まずは、その感情の根拠をしっかりと言葉にしてほしい。


反対される方に一例として紹介していただいた昨年の太地のイルカ漁騒動。
僕の知る限り日本では報道されていないが、
関心はあるのでおおよそは把握しているつもりだ。
これを例に、少しイルカ漁について考えたい。
僕の記憶ということを断っておくが騒動の概要はこうだ。
グリンピースの分派らしき「シー・シェパード」という団体が
イルカ漁を阻止しようとサーフボードで海に出て妨害。
名前は忘れたが有名なアメリカ女優を引っ張り出していた。
彼らの根拠は、
「イルカの肉は水銀などの有毒化学物質で汚染されていて人間が食べるには危険」
ということと
「イルカは地球上で最も心優しい動物のひとつ」ということだったと思う。
まず、前者の水銀云々はとってつけた感がある。こういう嘘くささがいけない。
日本にわざわざきて、我々の食の心配をしてくれるとは何とも慈悲深いことだ。
ただ、後者のイルカは心優しい云々は、僕はあってもいい立場だと思っている。
意外と大事だと思ったりもする。
海面からしか知らないただの海のギャングだったイルカが、
ダイバーが実際に海の中で接することにより、
犬と同レベルの感情を持つようになり、
動物の生存権とか高等動物保護の立場を訴えるのはありだと思う。
しかし、この立場は資源管理という客観的な立場を経由してから立たないと、
ヒステリックになりやすいので危ない感じもする。
また、イルカセラピーの本のようなスピリチャルな危うさもある。
さらに、“自分”が主役になりがちなのも危ない。
まさに、この抗議行動のように。
なかなか貴重な国政論を語っているのに、
日章マークの街宣車に乗った時点で何も伝わらない右翼と同じだ。
つまり、こういう問題に集まる人たちは、
そもそもまったく違う土俵で相撲を取っていることが多く噛み合うはずがない。
なので、せめて他の土俵を知る努力をしないと何も進まないのだと思う。
僕の立場? 正直、よくわからない。
率直に言うなら、
「別にやってもいいけど、やめといた方がい〜んじゃないの」といった感じ。
幼少のころ、肉屋の父親に屠殺場に連れていかれていた僕は
イルカが殺される場面はさほどショッキングではない。
しかし、御蔵島で一緒に泳ぎまくっているので、複雑な気持ちではある。
なので、つい感情より損得で考えてしまうのだが、
そうしたときに、イルカ漁はもはやリスクが高過ぎる気がする。
それでもやるという理由は“商売”や“文化”の理屈だろうが、
取材で会う漁師と話をしていると、これがどっちも怪しいのだ。
まず、商売については、すでにイルカは食用としては生活に根ざしていない。
それほど商売になるとはどうしても思えない。
実際に漁協のおっちゃんから「たいした儲けにならない」と聞いたことがある。
文化にしても、漁師がそんなにイルカ漁に誇りを感じていたり、
代々うけついでいくものとしてとらえているとはどうしても思えない。
つまり、直感的には、
「漁師、意地になってんじゃないの?」
ってのがイルカ漁の本質な気がしている。
意地になった漁師にヒステリックなグリンピース的な反対運動したら火に油。
もっと意地になるだけ。太地騒動の動画を見ても子供の喧嘩に見える。
もっと“イルカ漁をやめさせる”という結果を重視し、
スマートに考える必要がある気がする。
自分の立ち位置をとりあえず決めるなら、
まずは、下の動画見たときの自分の感情と
机上での資源(反対に害獣)としてのイルカを併せて考えることが大事だと思う。
【注】イルカを殺す動画です。耐え難い人はご注意を。

※見ればわかると思いますが意図的に偏った動画ですけどね。

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
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〇NPOプロジェクトセーフダイブ
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〇問い合わせ・連絡先
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■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
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