【速報】今年も奄美大島瀬戸内町清水でアマミホシゾラフグが“ミステリーサークル”づくり!動画あり
オーシャナでも度々取り上げてきた、奄美大島の代表的な固有種「アマミホシゾラフグ」。一度はその名を耳にしたことのあるダイバーも多いのではないだろうか。そんなアマミホシゾラフグが、子孫繁栄のために通称「ミステリーサークル」と呼ばれる直径約2mの産卵巣を、今年もせっせとつくっているという情報が、オーシャナ編集部に入ってきた。その健気でかわいい様子を動画とともにお届け!
胸ビレと尾ビレをフリフリする姿が可愛すぎ!
アマミホシゾラフグは、体長約10〜15cm。背側は淡い褐色で、白色や銀白の斑点が細かく分布し、腹側は白色。オスは、子孫繁栄のために4月下旬から7月中旬にかけての約3ヶ月間、自分の10倍以上の大きさになる見事な幾何学模様の産卵巣を1週間ほどかけて休むことなくつくる。
オスは、巣づくりのはじめに、海底へ腹部を押し付け、両方の胸ビレと尾ビレを素早く動かし、煙のように砂を巻き上げながら海底を這うように進みサークルの中心となる部分にまず目印をつくる。目印ができると、オスはひたすら海底を掘削するようにして、内側と外側を行ったり来たりし、メスに訪れてもらえるような美しいサークルになるまでこれを繰り返す。産卵巣の出来栄え次第で、モテるかモテないかが決まるんだとか。オスにとって、子孫繁栄をかけた大仕事。さぞかし、気合を入れてつくるのだろう。
カップルが成立したサークルでは、その中央で産卵が行われる。その様子は以下の関連リンクでご紹介している。
では、実際に動画でオスが産卵巣をつくる姿を観ていこう。動画は、奄美大島群瀬戸内町清水にある、障がい者の方も安全に楽しめるバリアフリーのマリンアクティビティ施設「ゼログラヴィティ 清水ヴィラ」からご提供いただいた。発見されたのは水深17〜19mあたり。撮影したダイビングインストラクターも「何度見ても可愛い!! あんな小さなフグが自分より何倍もある産卵巣を何日もかけて一生懸命つくるなんて、すごい。海の生物は不思議で、その様子を何度でもずっと見ていられます」とのこと。動画開始37秒、産卵巣づくりに一切妥協のない様子が収められているので注目!1分2秒からはオスが卵の世話をしている様子。胸ビレと尾ビレをフリフリする姿がなんとも可愛らしい!
奄美大島の風物詩でもあるアマミホシゾラフグのミステリーサークル。なぜこんなにも美しく大きな産卵巣をつくるのだろうか。海の生き物にはまだまだ謎がいっぱい。いつかは実際に自分の目で見てみたいものだ。