OM SYSTEM『Toughシリーズ』で撮る! 水中マクロ撮影のコツとおすすめアクセサリーを徹底解説

OM SYSTEM『Toughシリーズ』で撮る!水中マクロ撮影のコツとおすすめアクセサリーを徹底解説

OM SYSTEM(旧オリンパス)の「Tough」シリーズ(以下、TG)は、多くのダイバーが愛用するコンパクトデジカメ。先月は、このTGと防水プロテクターだけで手軽に良い写真を撮ることを目指し、水中写真家であり、オリンパスの頃から開発アドバイザーや作例撮影を担当する清水淳さんに、設定や撮り方を教えていただきました。

今回は、マクロ撮影に特化して、より良い写真を撮るためのアクセサリーやコツを聞いて、実践してきました。

それでは、今回も清水さん、よろしくお願いします〜〜〜!

水中カメラTGの使い方を一から徹底解説! プロに聞くTGでいい写真を撮る方法を完全網羅!

今回はじっくりビーチエントリーで教えていただきました!

今回はじっくりビーチエントリーで教えていただきました!

TGシリーズでマスターする!
水中マクロ写真のコツとポイント

suika

今回のテーマはTGでの水中マクロ撮影ですが、マクロにおける良い写真を撮るのに必要なことはなんでしょうか。

水中マクロ撮影には大きくわけて3つのコツがあります。1つは被写体に十分に近づく。二つ目はピントを正確に合わせる。3つ目は光をきちんと当てることです。

良い水中マクロ写真の3つのコツ

①被写体に十分に近づく
②ピントを正確に合わせる
③光をきちんと当てる

suika

ポイントが絞られていてわかりやすいです。では、1つずつ教えてください。

良い水中マクロ写真を撮るためのコツ
①被写体に十分近づく

マクロ撮影は小さい生き物を被写体に撮影することですが、こんな小さい生き物が四角い枠の中にポツンと小さく写っていても、ぱっと見、よくわかりませんよね。やっぱり人の心を打つには、ある程度の大きさを捉えて、特徴や迫力を出すことがとても大事です。

suika

前回の連載で、カンザシヤドカリを撮影した時のことを思い出しました…。

彗加が最初に撮った写真。カンザシヤドカリが真ん中の方にポツンと写っているが、よくわからない

彗加が最初に撮った写真。カンザシヤドカリが真ん中の方にポツンと写っているが、よくわからない

清水さんがお手本として撮影してくれた写真。カンザシヤドカリがアップで右下に写っており、可愛らしさが伝わる

清水さんがお手本として撮影してくれた写真。カンザシヤドカリがアップで右下に写っており、可愛らしさが伝わる

水中カメラTGの使い方を一から徹底解説! プロに聞くTGでいい写真を撮る方法を完全網羅!

良い水中マクロ写真を撮るためのコツ:被写体に近づく

①被写体に十分近づいて特徴や迫力を出す

十分に近づくと言っても、最近はどアップよりも少し引いた写真が流行りですね。

suika

その生物がいる環境も垣間見せるみたいな。

そうですね。綺麗な色をした場所にいる生き物を撮影したり、奥行きがでるように撮影したり、マクロと言ってもただ被写体をどアップで撮るだけではなくなってきていますね。

良い水中マクロ写真を撮るためのコツ:被写体に近づく

②被写体のいる場所の背景を写すのもGOOD

suika

どアップで撮るのか、背景も入れて撮るのか。どちらも素敵ですよね。

背景を入れるのであれば、被写体の配置を意識してあげてください。三分割構図では罫線の交点に被写体を置くのが基本ですが、上の二つではなく、下の二つの交点に配置するとしっくりきやすいです。TGのモニターに表示できる黄金分割の罫線を使うと配置しやすいでしょう。

黄金分割を表示。設定はMENU>カスタムメニュー>B.表示/音/接続>表示罫線選択>黄金分割

黄金分割を表示。設定はMENU>カスタムメニュー(⚙マーク)>B.表示/音/接続>表示罫線選択

良い水中マクロ写真を撮るためのコツ:被写体に近づく

③基本は被写体を黄金分割の下二つの交点に配置する

良い水中マクロ写真のコツ
②ピントを正確に合わせる

当たり前かもしれませんが、ピントを正確に合わせることが一番大事です。

suika

前回も良い写真を撮るためのお作法の1つとして、ピント合わせを挙げていただいていましたね。

ワイドはなんとなく撮影しても全体にピントが合いやすいんですが、マクロになると、ちょっとずれるとピンボケするので、よりシビアにピントを合わせる必要があるんです。

suika

なぜワイドとマクロでそんな違いがあるんですか?

被写界深度という、カメラがピントを合わせる上での決まりが関係しています。ピントは一点だけでなく、その前後にも合っているように見えるのですが、その前後の範囲が被写体が遠いと広く、近いと狭くなります。被写界深度が深いとか浅いとか言われていますね。

suika

マクロの写真を見ると、背景がぼやけているものが多いのはそのせいなんですね。

そうなんです。また、被写体全体に合わせようとすると、なんとなくボケた印象になるので、生き物であれば目にピントを合わせます。目がないウミウシなら触覚に合わせるのが良いでしょう。

良い水中マクロ写真を撮るためのコツ:ピントを正確に合わせる

①生き物の目にピントを合わせる

suika

二つの目がこっちを向いていたり、ウミウシのように触覚が2本ある場合は、どちらに合わせると良いですか?

手前の対象物に合わせます。なぜかというと、ピントを合わせた箇所から手前よりも奥の方がピントが合う距離が長いからです。

suika

これも被写界深度を利用しているわけですね。

そうです。両目を結んだ線と、カメラのセンサーが並行になっていれば、両目にピントは合いますが、斜めから撮った方がかっこいい時も多いと思いますので、手前に合わせると良いです。

良い水中マクロ写真を撮るためのコツ:ピントを正確に合わせる

②目や触覚など、2点以上ピントを合わせたい箇所がある場合は、手前にピントを合わせる

ピントの合わせ方は、ワイドとちょっと違って、AFターゲット選択機能を使います。

水中マクロモードか水中顕微鏡モードでOKボタンを長押しすると、25箇所からターゲット選択ができる

水中マクロモードか水中顕微鏡モードでOKボタンを長押しすると、25箇所からターゲット選択ができる

十字キーでピントを合わせたいところを選択して、そこに生き物の目など、ピントを合わせたい箇所に配置します。

良い水中マクロ写真を撮るためのコツ:ピントを正確に合わせる

③AFターゲット機能を使って、画面の中でピントを合わせる位置を決める

suika

で、シャッターを…

切りません。

suika

切らない!?

半押しします。半押しすると、ターゲット位置に設定したところにピントが合います。

良い水中マクロ写真を撮るためのコツ:ピントを正確に合わせる

④シャッターを半押ししてターゲット選択した位置にピントを合わせる

suika

で、シャッターを…

切りません。

suika

まだ切らない!!

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PROFILE
IT企業でSaaS営業、導入コンサル、マーケティングのキャリアを積む。その一方、趣味だったダイビングの楽しみ方を広げる仕組みが作れないかと、オーシャナに自己PR文を送り付けたところ、現社長と当時の編集長からお声がけいただき、2018年に異業種から華麗に転職。
営業として全国を飛び回り、現在は自身で執筆も行う。2020年6月より地域おこし企業人として沖縄県・恩納村役場へ駐在。環境に優しいダイビングの国際基準「Green Fins」の導入推進を担当している。休みの日もスキューバダイビングやスキンダイビングに時間を費やす海狂い。
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