OM SYSTEM『Toughシリーズ』で撮る! 水中マクロ撮影のコツとおすすめアクセサリーを徹底解説
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半押ししたまま、両手で固定したカメラを微妙に前後に動かして、本当にピントが合っているか確かめます。体全体を動かすイメージです。少しずつ押したり引いたりして、どこで両目に合うのかっていうのを確認して、「合った!」と思ったらシャッターをバシッと切る。

ここまでしてようやく「ピントを正確に合わせる」ってことになるんですね。
⑤シャッターを半押したまま、体ごとカメラを前後に1mm単位で動かし、両目に合う位置を見つけたら、シャッターを切る
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シャッターレバーがスムーズに動かせるよう、普段から洗うときにきちんと動かしておいたり、グリスアップしたりして、塩噛みをちゃんと防いでおくと良いでしょう。僕のは5年ほど使っていますが、普段からの手入れのおかげですごく繊細に動きます。ちょっと触ってみてください。

快適に動きますね…!

シャッターレバーが柔らかく快適な5年ものの清水さん愛用品
⑥シャッターレバーがスムーズに動くように、きちんと洗ってグリスアップしておく
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あとはこの背面の液晶モニターを拡大してくれる「AOI UMG-01」があればバッチリです。

拡大鏡「AOI UMG-01」
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周りの余計な光を遮ることができ、その上すごく細かく見えるのでとても撮影がしやすくなります。特に、僕なんかは大人の目だから、もうこれがないと。

(老眼のこと大人の目って言うのか…今度から使お)
⑦拡大鏡「AOI UMG-01」でよりピント合わせをスムーズに
良い水中マクロ写真のコツ
③光をきちんと当てる
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連載1回目でもお話ししたとおり、良い写真の条件の1つは、色が綺麗に出ていることです。そのために、被写体や背景に光をきちんと当てることが大事です。

そうなると、やはり外付けのライトやフラッシュは必須になってきますか?
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はい。それも二つあったほうが良いですね。二箇所から光を当てることで影を消すこともできますし、陰影をつけて立体感を増すこともできます。
①外付けの光源は二つ使って影を消したり立体感を出したりする

ライトとフラッシュはどちらが良いですか?
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ビギナーにはライトがおすすめです。フラッシュだと光るのが一瞬なので、出来上がりが撮影してみるまでわかりませんが、ライトは光を被写体に当てながら、モニターで出来上がりを確認できるので、調整がしやすいです。
②出来上がりをモニターで確認しながら光の位置や強さを調整する。ビギナーはライトがおすすめ。

フラッシュは逆にどういう時におすすめですか?
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フラッシュは一瞬の光で、被写体の動きを止めて撮影できる効果があるので、よく動く被写体にはおすすめです。
③よく動く被写体にはフラッシュを使って動きを止める
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それから、フラッシュの方が遠くまで光が飛ぶので、少し離れた距離にいる生き物や近づくと逃げてしまうような生き物には適しているでしょう。

大体、どれくらいの距離が目安ですか?
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50cm以上でしょうか。手で捕まえられるくらいの距離より離れると、ライトの光は届きづらくなるので、それ以上ならフラッシュがおすすめです。
④被写体との距離が50cm以上離れる場合はフラッシュ

片方ライト、片方フラッシュなんてのは、ありなんでしょうか?
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それはなしですね。ライトならライト、フラッシュならフラッシュで、同じものを二つ用意しましょう。光の強さや色温度も変わってきますので、不自然な色になってしまったり、影が思わぬところにできたりします。
⑤片方ずつフラッシュとライトと分けるのはNG。二つ同じものを用意する。

明るさは、明るければ明るいほど良いですか?
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そんなことはありません。TGだけでなく、どのカメラも高感度になってきていますので、700〜1000ルーメンほどあれば十分です。しっかり被写体に当てられるなら、手持ちの小さなライトでも綺麗に撮ることもできます。
⑥ライトの明るさは700〜1000ルーメンあればOK
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明るさだけでなく、色温度も気にするとより良いでしょう。5000ケルビンくらいが望ましいです。

色温度はどのように関係してくるんでしょうか?
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TGには水中ホワイトバランスといって、水の中で色味を最適化する機能があります。そこに青白い光が入ってしまうと、せっかくTGが捉えた被写体の赤や黄色の鮮やかな色味を損なってしまうんです。

なるほど。だから、ちょっと赤みのある優しい色温度がいいってことなんですね。
⑦ライトの色温度は5000ケルビンくらい。赤みのある優しい色で、鮮やかさを引き立てる。
おすすめ外付けアクセサリーで
TGを活用した水中マクロ撮影を極める
おすすめアクセサリー①
UCS-Q1-RC×SD-02×UMG-01

ズバリ、水中マクロ撮影におすすめ外付けアクセサリーとセッティングはなんでしょうか?
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AOIの「UCS-Q1-RC」を2灯と拡散板「SD-02」、拡大鏡「AOI UMG-01」ですね。

外付けの「UCS-Q1-RC」を内側に向け、カメラの前の被写体と環境全体を明るく照らす
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「UCS-Q1-RC」はフラッシュとしてもライトとしても使える優れものです。ライトは700ルーメンあり、ムービー撮影にも使用できるほどの明るさです。また、ビギナー向けにはライトとお伝えしましたが、将来的にはフラッシュを使いたい、よく動く被写体を撮影したいという時に、新しく購入する必要がないのでおすすめです。さらに、フラッシュはTGなどOM SYSTEM製品の「RCモード(自動で光量を最適化してくれるモード)」にも対応しているのでTGにはぴったりです。

長いアームみたいなのは必要ないですか?
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特に必要ありません。クランプがあれば十分です。その代わり、ライトの先にドーム型の拡散板「SD-02」をつけてあげてください。

ドーム型っていうのもポイントですか?
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はい。スタンダードなものより広く柔らかく光が回るんです。通常ライトは照射角がフラッシュよりも狭いので、これを使うまでは長いアームをつけて遠くから照らすことで、広範囲に光が当たるようにしていました。でも、この拡散板を使うようになってからは本当に広く当たるので、アームが必要なくなりました。
シビアにピントを合わせるのに必須な拡大鏡「AOI UMG-01」

拡大鏡は、「大人の目」でも見やすくなるんですよね!
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はい(笑)。年齢関係なく、小さいものにシビアにピントを合わせるならつけておきたいアクセサリーです。
・ライト:UCS-Q1-RC:ライトにもフラッシュにも使え、OM SYSTEM製品RCモードにも対応
・拡散板:SD-02:少ない光量でも広い範囲を明るく照らす
・拡大鏡:AOI UMG-01:余計な光を遮断し、拡大することで小さい被写体を鮮明に確認できる
おすすめアクセサリー②
WFリングライト1000

他にもおすすめはありますか?
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シンプルな装備で手軽にライトを使った撮影を始めたいという方には、リングライトもおすすめです。
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1000ルーメンと明るいですし、レンズの周りからまっすぐ光が出ているので、カメラの目の前の被写体と背景をムラなく均一に照らすことができます。

ライトの角度を調整しなくて良いのは、手軽で良いですね!
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はい。ライトの光は遠くまでは飛ばないので、特に、エビ、カニ、ウミウシのように近づいても逃げない被写体に使うのがおすすめです。

レンズの周りに取り付けるだけの簡単外付けアクセサリー
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マグネットで簡単につけたり外したりできますし、価格も「UCS-Q1-RC」に比べるとリーズナブルというところも導入しやすいポイントです。

持ち運びもしやすそうなので、遠征など装備をコンパクトにしたい場合にも良さそうですね!
WFリングライト1000
ムラなく均一に光を当てることができる
コンパクトで持ち運びのしやすさを重視する人にもおすすめ
水中マクロ撮影における
TGの設定や操作
TGの設定:フラッシュOFF

TG購入後の準備や基本設定は前回の連載で詳しく教えていただきました。特にマクロ撮影で設定すべきことはありますか?
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内蔵フラッシュをOFFにすることです。

確かに…ついつい忘れそうですね。でも、外付けのライトがさらに明るく照らしているから、あまり影響はないのでは?

