OM SYSTEM『Toughシリーズ』で撮る! 水中マクロ撮影のコツとおすすめアクセサリーを徹底解説

それがあるんです。フラッシュOFFにしていれば、カメラ側で周りの明るさに合わせて最適な感度やシャッタースピードにしてくれますが、ONだと、フラッシュが光るつもりでカメラが自動で設定を変えてしまうので、思った通りの写真にならないのです。

水中マクロ撮影時のTGの設定

フラッシュをOFFにする

設定、水中での操作をおさらい

前回の記事を参考に、水中マクロ撮影におけるその他の設定やモードの選び方、撮影姿勢を簡単におさらいしましょう。

水中マクロ撮影時のTGの設定、水中での操作

⚫︎カメラの構え方
両手でカメラを固定して手ブレを防ぐ
左手を三脚がわりにする

⚫︎フレーミングや構図
良い写真を真似する

⚫︎モニター表示
モニターに罫線を表示する (おすすめは黄金分割)
OKボタン長押しでフォーカスポイントを選択する

⚫︎水中モード
被写体との距離が10cm以上→水中マクロモード
被写体との距離が10cm以下→水中顕微鏡モード

⚫︎フォーカスモード
基本はAF(オートフォーカス)でOK

⚫︎ホワイトバランス
基本は標準でOK
浅瀬→標準→ディープの順に赤が強くなるので
好みの色に調整しながら撮る

⚫︎露出補正とフラッシュ補正
フラッシュ補正で被写体、露出補正で背景の色を調整

suika

理由や詳細を知りたい方は前回の記事を読んでみてくださいね!

おすすめアクセサリーとプロ直伝の
コツを活用した水中マクロ撮影実践編

今回も、清水さんから教わったコツを頭に入れて、おすすめセッティングで実際に撮影にチャレンジしてみました! これからチャレンジする方はぜひ参考にしてください〜!

今回はじっくりビーチエントリーで教えていただきました!

今回のロケ地は沖縄県本部町の「崎本部緑地公園」。ゴリラがチョップしているように見える岩がビーチにあるので、「ゴリラチョップ」の愛称でダイバーたちからは親しまれている。ビーチエントリーですぐにサンゴや砂地が広がるエリアで、さまざまな生き物や景観を楽しむことができるポイント。今回はマクロ撮影ということで、“生き物や 小さな被写体“を清水さんに探していただきながら、撮影をしてきました!

UCS-Q1-RC ライトと拡大鏡AOI UMG-01で
わずか5mmのウミウシを撮影

TGの強みの1つである顕微鏡モードを最大限に生かし、5mmほどのウミウシを探して撮影してきました。

実際の撮影シーン

実際の撮影シーン

狙っているのはカメラの目の前のコテングノハウチワという小さな海草にくっついているクサイロモウミウシ。他の生き物が周りにいないか、海草とウミウシにぶつかってしまわないか、気にしながら位置取り。

クサイロモウミウシはウミウシなのに目がはっきりしている。これが本当に目なのかどうかは置いておいて、そこにフォーカスポイントを置いて、半押しして、両目にピントが合うように動かして、シャッターを切った。

撮影モード

水中顕微鏡モード

露出補正

なし

ホワイトバランス

浅瀬

絞り

AUTO/F14

シャッター速度

AUTO/1/100

ISO感度

AUTO/800

写真をひっくり返して拡大してみると、つぶらな瞳に、へちゃむくれた顔、しょんぼりしているかのような触覚、背中の突起の細かな模様まできちんと確認できる。わずか5mmの被写体をここまで精細に捉えられるとは、TGの顕微鏡モードの凄さをひしひしと感じる。

クサイロモウミウシが後ろを向いてしまった

カメラのおかげで綺麗に写ってはいるが、実はとても撮影には苦戦した。少しのうねりで葉っぱがゆらゆら動いたり、葉が影になってうまくライトが当たらなかったり、当たったと思ったらクサイロモウミウシが後ろを向いてしまったり…涙

真ん中から左寄りに写っている葉が影を作ってしまい、光をクサイロモウミウシに当てるのに苦戦

真ん中から左寄りに写っている葉が影を作ってしまい、光をクサイロモウミウシに当てるのに苦戦

ピント合わせと光を当てることだけでかなり頭がいっぱいで、光の当て方や露出補正、被写体の配置をどうするかなどは若干おろそかになってしまったが、1つずつ積み上げていけばより良い写真になりそう! と思える撮影体験だった。

カラフルな背景を活かした
水中マクロ撮影テクニック

次に撮影したのは、直径5cmあるかないかの穴から顔を出すキモカワなシャコ。ギョロリと二つの目が突き出ており、ピントは合わせやすい。

撮影モード

水中顕微鏡モード

露出補正

なし

ホワイトバランス

標準

絞り

AUTO/F4.9

シャッター速度

AUTO/1/160

ISO感度

AUTO/800

穴の周りのピンク色が可愛くて、ユメカワな感じにしようと、露出を上げてみる。

撮影モード

水中顕微鏡モード

露出補正

+0.7

ホワイトバランス

標準

絞り

AUTO/F4.9

シャッター速度

AUTO/1/100

ISO感度

AUTO/1000

シャコ×ユメカワ。新しい境地を切り拓けそうな気がする。

WFリングライト1000で挑戦!
水中マクロ撮影の可能性をユメカワに広げる

WFリングライト1000でも撮影にチャレンジ。こちらは比較的大きな被写体を撮影しているのに向いているとのことで、その辺を泳いでいる魚から何から端からパシパシと撮影していった。なんとなく見たものを撮影していくのも記録としては楽しいけど、悲しいかなここでお見せできるような写真にはならなかった(笑)。

ということで、もう少しじっくり撮影…。

白化してしまったサンゴだろうか、少し悲しい気持ちで見ていると、清水さんが、生き物がいることを教えてくれた。

体がスケスケの、エビです。ニセアカホシカクレエビかな…。白いサンゴの上にいるのでほぼ背景と同化しているが、なんとなくハサミの部分や目、腰としっぽの模様が見えるだろう。

この子もユメカワにしてやろう…と露出を上げて明るくしてみた。

撮影モード

水中顕微鏡モード

露出補正

+0.3

ホワイトバランス

標準

絞り

AUTO/F6.3

シャッター速度

AUTO/1/400

ISO感度

AUTO/250

ユメカワとまでは言わないが可愛らしい雰囲気になった。この子の見上げた感じも、こっちを見て何かおねだりしているようであざとい。サンゴの粒々が、雨の日に車窓越しに見るネオンの光のようにも、少女漫画のふんわりした背景のようにも見えて、より可愛らしさを引き立てている。

光を上手く活用し
クマノミ撮影にチャレンジ!

最後はハマクマノミ…!

撮影モード

水中マクロモード

露出補正

なし

ホワイトバランス

標準

絞り

AUTO/F5.0

シャッター速度

AUTO/1/160

ISO感度

AUTO/200

ちょっと種類は違うクマノミだけど、前回よりも全体に光が回っているのか、はっきりと写っているような感じはする。

「#TG水中写真」でSNSに写真をシェアしよう

良い写真を真似することが近道! ということで、皆さんのTGシリーズで撮影した写真をインスタグラムにシェアしよう。「#TG水中写真」をつけてインスタグラムに投稿して、TGシリーズで撮れたあなたの作品を、同じTGユーザーのダイバーにシェアして、みんなで一歩レベルアップを目指してみませんか?

「#TG水中写真」でインスタにシェアしてくれた写真を、毎月行っている清水さんとocean+αのインスタライブでご紹介できたらと思います! ぜひご参加ください。

▶︎OM SYSTEMコンパクトデジタルカメラ「Toughシリーズ」の詳細はこちら

清水(しみず) (じゅん)
清水淳
1964年埼玉県生まれ。水中写真や海辺の風景を撮り続けている。執筆や撮影を行ないながら、沖縄・那覇にて水中写真教室マリーンプロダクトを主宰。 また、水中撮影機材の研究開発にも携わり、水中撮影モードや水中ホワイトバランスの開発アドバイザーも務める。1998年にデビューしたOLYMPUS C900Zoomから最新機種まで全てのOLYMPUS水中モデルのチューニングとテスト撮影を務めた。カメラ機材に精通し、機材の特性を生かす能力が評価され、水中撮影アクセサリーメーカーのアドバイザーやテスト撮影の要望も多い。執筆活動では、水中撮影機材の解説や撮影の仕方、楽しみ方の記事をPADI Japan/デジカメ上達クリニック、マリンダイビングウェブ、オーシャナ/カメラレビューで現在連載中。マンツーマン撮影教室で一般アマチュア写真家のサポートも行う。公益社団法人日本写真家協会会員。
▼公式ホームページ
https://shimizu.marine-p.com/

▼清水氏の人気連載はこちら
ミラーレス一眼 水中撮影徹底ガイドby清水淳

Sponsored by OMデジタルソリューションズ
OMデジタルソリューションズは、オリンパスの映像事業を継承し、「人生にもっと冒険を」をブランドタグラインに掲げるOM SYSTEMブランドで、高い耐久性と機動性を兼ね備えたカメラシステムをはじめとする映像製品を展開。アウトドアや水中撮影で圧倒的なパフォーマンスを発揮し、ダイバーや自然写真愛好家が海や自然の魅力を鮮明に記録する体験を提供している。

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PROFILE
IT企業でSaaS営業、導入コンサル、マーケティングのキャリアを積む。その一方、趣味だったダイビングの楽しみ方を広げる仕組みが作れないかと、オーシャナに自己PR文を送り付けたところ、現社長と当時の編集長からお声がけいただき、2018年に異業種から華麗に転職。
営業として全国を飛び回り、現在は自身で執筆も行う。2020年6月より地域おこし企業人として沖縄県・恩納村役場へ駐在。環境に優しいダイビングの国際基準「Green Fins」の導入推進を担当している。休みの日もスキューバダイビングやスキンダイビングに時間を費やす海狂い。
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