OM SYSTEM OM-1ユーザーが語る➀ 私がガイドする佐渡の海のこと、水中写真のこと

OM SYSTEMのミラーレス一眼カメラは、コンパクトでありながらハイクオリティな水中写真が撮れることから、多くのダイバーに愛用されている名機ぞろい。この連載では、日本各地のOM SYSTEMのカメラユーザーであるガイドダイバーの皆さんに、この機材を選んだ理由や使ってみて気に入っているところなどを作例とともに紹介。第1回は、新潟県・佐渡島の海をガイドする「ダイビングサービス フリーウェイ」の中川 智香さんに話を伺ってみた。

中川(なかがわ) 智香(ちか)さん
ダイビングサービス フリーウェイ
         
ダイビング歴:16年 3,000本程度
ガイド歴:11年
水中写真歴:11年(ミラーレス一眼カメラ歴は1年)
米の名産地・新潟県ならではの水田をバックに。「佐渡はお米はもちろん、美味しいものがいっぱいですよ」と中川さん

       

私がガイドしている海の特徴
四季を感じられる海の中がおもしろい

私は新潟県佐渡島の海で、毎年6~11月にガイドをしています。日本海と言うと「暗くてカラフルな魚がいない」というイメージがあると思います。確かにカラフルな魚よりも、食べて美味しい魚が多いのですが……(笑)。しかし、よく見ると佐渡の海には、実はかわいいお魚がいっぱいいます。

また、佐渡の海の中には四季があります。水温は低い時で10℃くらい、夏場の暑い時期で30℃くらいまでとかなり幅があり、水温が変わると見られる魚や魚影もガラッと変化します。6~7月に潜るのと8~9月に潜るだけでも違いがあり、四季を感じられる海の中が本当におもしろく、そこが好きなところです。

【作例1】求愛行動一歩手前のメバルのペア
求愛行動一歩手前のメバルのペア

使用カメラ

OM SYSTEM OM-1

使用レンズ

M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO

撮影モード

M

シャッター速度

1/100

絞り値

F10

露出補正

なし

フラッシュ

RCモード(強制)

ISO感度

640

ホワイトバランス

水中

撮影地

佐渡島・北小浦

佐渡島の海藻の海と黄金色のメバルを撮影しました。この2匹はオスとメスで求愛行動をする一歩手前のシーンです。残念ながら求愛の瞬間は撮影できなかったのですが…。
メバルの求愛はおもしろく、オスがメスの目の前でオシッコをします(笑)。なかなか大胆な行動だなと思うのですが、この求愛のおかげで佐渡の夏から秋はメバルの数が本当に凄い数になります。「メバル玉」と私たちは言っていますが、本当に見る価値ありです。他の地域では、なかなか見られないと思います。

必ず見せたい水中シーンや生物
コブダイをはじめ日本海ならではの生物を見てほしい

佐渡島といえば、コブダイを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。コブダイは、ぜひ見ていただきたい生き物の一つです。6月にはコブダイの繁殖行動やオス同士の縄張り争いの喧嘩などが、ほぼ確実に見られます。

【作例2】コブダイのオスとメス
コブダイのオスとメス

使用カメラ

OM SYSTEM OM-1

使用レンズ

M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO

撮影モード

M

シャッター速度

1/160秒

絞り値

F6.3

露出補正

なし

フラッシュ

RCモード(強制)

ISO感度

800

ホワイトバランス

水中

撮影地

佐渡島・北小浦

たまたまですが、コブダイのメスとオスが見つめ合っているような写真が撮れました。奥にいる小さいほうがメスで、手前の大きな方がオスです。佐渡島の海といえば、コブダイだと思います。怖そうと思われがちですが、全身ピンク色で目もきれいな色をしていて、とても愛くるしい表情を見せてくれます。そんな意外な愛らしさを表現したいと思いながら、撮影しました。

【作例3】コブダイの幼魚
コブダイの幼魚

使用カメラ

OM SYSTEM OM-1

使用レンズ

M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

撮影モード

M

シャッター速度

1/80

絞り値

F3.5

露出補正

なし

フラッシュ

RCモード(強制)

ISO感度

200

ホワイトバランス

水中

撮影地

佐渡島・虫崎

佐渡島で有名なコブダイ。しかし、幼魚がこんな姿をしている魚だということは多くの方は知りません。ゆらゆら泳いで止まってくれないので、撮るのが難しかったですが、意外な発見でしたが、OM SYSTEM OM-1のAI被写体認識AFの「鳥モード」でピントを合わせることができました。このかわいい姿を何とか写真に収めたかったので、頑張って撮りました。

しかし、実はコブダイ以外にもご案内させていただきたい生き物がたくさんいます。チャガラやアミメハギ、メバル、スズメダイ。地味な魚だなと思うかもしれませんが、夏場はこれらの魚たちの魚影が本当に濃いです。初めて日本海を潜るお客様をガイドさせて頂いた時に、魚影の濃さや透明度の高さに多くの方が驚かれています。また「日本海のイメージが変わった」とおっしゃって頂けることが私は本当に嬉しいです。

特にお気に入りのポイント・被写体
ワイドもマクロも楽しめる「北小浦」がおすすめ

佐渡島で一番有名なダイビングポイントとして「北小浦」という場所があります。ここは集落の漁師さんたちの協力のもと、ダイビングポイントでは漁をしないようにしてくれています。そのため魚影も濃く、ワイドもマクロも楽しめるのが特徴で、私のお気に入りのポイントです。ワイドではアジやカンパチの群れなども見られます。
被写体で好きなのは、私はマクロな生物です。日本海の生き物たちをいかにかわいい表情で撮るかを考え、生態に配慮しながら撮影していきたいと思っています。

【作例4】佐渡島を代表するマクロな生物・チャガラ
佐渡島を代表するマクロな生物・チャガラ

使用カメラ

OM SYSTEM OM-1

使用レンズ

M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

撮影モード

M

シャッター速度

1/100

絞り値

F4.5

露出補正

なし

フラッシュ

RCモード(強制)

ISO感度

200

ホワイトバランス

水中

撮影地

佐渡島・北小浦

チャガラは太平洋側でも以前はよく見られたそうですが、海藻の減少で少なくなっているそうです。佐渡島は海藻が豊富なので、今でもたくさん見ることができます。8~9月は360度チャガラに囲まれるポイントもあるくらい、本当に多く見られる魚です。ワイドもいいですし、こんな感じで1匹をクローズアップして撮るのもおすすめです。
背ビレがとてもきれいなので、色や模様がきれいに出るようにストロボをしっかり発光させました。またピンクっぽく見える背景は岩なのですが、佐渡島の海ではピンク色をした岩が多く、背景もかわいく撮ることができます。

OMシリーズを選んだきっかけ
水中写真家・むらいさち氏の作品に憧れて、使い始めた

ガイドになる前は、仕事をしながらダイビングを楽しんでいて、水中写真もコンデジのTG-6で趣味で撮っていました。ガイドとして働き始めてからもTGシリーズで撮影を続けていましたが、もっと動きのある魚をさまざまなパターンで狙ってみたくなりました。そんな折、水中写真家のむらいさちさんがフォトセミナーで来店されました。そして、さちさんがOM SYSTEM OM-1で撮られた作品を見て「私もこんな写真が撮りたい!」と思い、思い切って撮影機材一式を購入しました。ハウジングやストロボ、アームなどの小物はすべてAOIの製品で揃えています。実際に使ってみて、軽さとコンパクトさに驚きました。

使っていて特に気にいっているのは、「鳥モード」です。魚の動きを追いかけてくれるので、ピント合わせがラクにできます。コンデジでは動きの速い魚は撮りづらかったですが、「鳥モード」のおかげで撮れる生き物の幅がとても広がりました。やはりミラーレス一眼カメラならではの奥深い世界があるのだと実感しました。

【作例5】初めて撮影した「タツノオトシゴ」
初めて撮影した「タツノオトシゴ」

使用カメラ

OM SYSTEM OM-1

使用レンズ

M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

撮影モード

M

シャッター速度

1/250

絞り値

F2.8

露出補正

なし

フラッシュ

RCモード(強制)

ISO感度

200

ホワイトバランス

水中

撮影地

佐渡島・北小浦

初めてOM SYSTEM OM-1を使って撮った時の写真です。設定も何も分からず、どんなふうに撮れるんだろう? あれ、なんかいい感じに撮れる!!ってビックリしたのを覚えています。
【中川さんの使用撮影機材】

カメラ:OM SYSTEM OM-1
ハウジング:AOI UH-OM1
ライト:FIX NEO Premium 1500DX SWRII FS
ストロボ: AOI-UCS-Q1-RC-BLK

レンズは、マクロはM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro、ワイドはM.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PROを使用。ハウジングやストロボ、アームなどの小物はすべてAOIの製品で揃えています。

これから撮りたい水中写真・案内したい海
一瞬しか見ることができない魚の表情や生態を撮りたい

私はOM SYSTEM OM-1を使用して、まだ一年ちょっとしか経っていません。今はミラーレス一眼で撮ることが本当におもしろいです。一瞬しか見ることのできない魚の表情や生態シーンなどを、これからもどんどん撮っていきたいと思っています。
また佐渡島の海をガイドし、撮ることはもちろん続けていきたいのですが、新たな目線で佐渡島以外の海も撮りたいと思うようになりました。ミラーレス一眼カメラについてまだまだ未熟なので、いろいろな場所でたくさん撮って、勉強していきたいです。

今回使用したカメラ

OM SYSTEM OM-1
OM SYSTEM OM-1
2022年に発売されたマイクロフォーサーズ規格のミラーレス一眼カメラ。
高性能の画像処理エンジンTruePic X (トゥルーピック エックス)と有効画素数約2037万画素 裏面照射積層型 Live MOS センサーが、高解像レンズ M.ZUIKO DIGITALの性能を余すことなく引き出し、圧倒的な解像感と低ノイズを実現し、フルサイズに迫る高画質を提供。
また多彩な機能を搭載しているが、中でもAI被写体認識AFの「鳥モード」は意外にも水中で魚などの動きのある生物のピント合わせにも抜群の威力を発揮する。

詳しい製品情報はこちら
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年間を通して佐渡の海をガイドしていて、ビギナーからベテランまで楽しめるように、少人数制を取り入れている。また生物やダイビングポイントのリクエストにも応えられるように、お客様のペースに合わせたプランニングを心がけている。新潟県内はもちろん、関東方面からなど全国からゲストが訪れている。

今回は、新潟県佐渡島の海でガイドをする中川智香さんが登場。OM SYSTEM OM-1で撮影された、季節ごとの魅力にあふれた佐渡島の海の水中写真はいかがだっただろうか? 
普段のガイド中はなかなかOM SYSTEM OM-1を持って海に入れないので、休みの日に潜って撮りたくなってしまうという中川さん。今後、さらにどんな写真を撮っていくのかとても楽しみだ。

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OMデジタルソリューションズは、オリンパスの映像事業を継承し、「人生にもっと冒険を」をブランドタグラインに掲げるOM SYSTEMブランドで、高い耐久性と機動性を兼ね備えたカメラシステムをはじめとする映像製品を展開。アウトドアや水中撮影で圧倒的なパフォーマンスを発揮し、ダイバーや自然写真愛好家が海や自然の魅力を鮮明に記録する体験を提供している。

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PROFILE
大学時代に慶良間諸島でキャンプを行い、沖縄の海に魅せられる。卒業後、(株)水中造形センター入社。『マリンダイビング』、『海と島の旅』、『マリンフォト』編集部所属。モルディブ、タヒチ、セイシェル、ニューカレドニア、メキシコ、タイ、インドネシア、フィリピン、マレーシア、オーストラリアなどの海と島を取材。独立後はフリーランスの編集者・ライターとして、幅広いジャンルで活動を続けている。
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